【070話】再び魔界へ
*****秘密基地*****
秘密基地ではミサキが料理を作っていた。
メアリーの編入祝いとして、全員でパーティーをするからだった。
入学式が終わると、ユキがメアリーを連れてくるので、それまでにマキとミカが移送魔法で一足先に到着し、ミサキと3人で準備を進める段取りだった。
「お姉様、ただいま戻りました。」
「ミサキねえさんただいまです。うわああ、すっごいいいにおいがする。」
「あはは、おかえりミカちゃん、マキちゃん。」
予定通りミカとマキが到着し、ミサキの作った料理の品々をテーブルに並べていった。
「これ全部姉さん一人で作ったんですか?」
「そうよ、すごいでしょ。」
「お姉様凄すぎます。マキちゃん。。。よだれが。。。」
「じゅる。。あははは、だっておいしそうなんだもん。」
準備が終わると同時に、ちょうどユキとメアリーが帰宅してきた。
「ただぃまですぅ。」
「ただいま戻りました。」
「おかえり、ユキちゃんメアリーちゃん。」
ミカが出迎え、料理の用意された部屋へ案内する。
「さあどうぞ。」
メアリーが部屋に入ると、テーブルには豪華な料理が並べられ、正面にあるホワイトボードに『メアリー真欧学園へようこそ!』と書かれていた。
「こ、これは。。。」
「あははは、メアリーの編入ぃわぃなんだよぉ。」
「そうよメアリーちゃん、今日からは転生仲間だけでなく、学園の後輩だからね。今日はそのお祝いだよ。」
「それにこの料理は全部ミサキ姉さんが作ったんだよ。」
「皆様、ありがとうございます。こんな嬉しい事は生まれて初めてです。」
メアリーは突然のサプライズに感謝し涙を浮かべていた。
「まあとりあえず食べましょうね。」
「はぁい姉様。メアリー早く食べないとぉ全部あの小さな人にたべられちゃぅよぉ。」
「はい、ユキさんたくさんいただきますね。」
感謝の気持ちでいっぱいのメアリーはとても嬉しそうだった。
メアリーの家族は現在外国に住んでいる。会社の関係で国へ戻ることになり、メアリーは全寮制の女学院に一人残っていた。真欧学園に編入するため、ミサキがこの秘密基地をメアリーに住まわせているのである。
メアリーの父親の会社は真欧グループの関連企業でもあった為、すんなり両親の了解も得ている。食事や衣類、全て必要なものはミサキが揃え、親からの仕送りは全部メアリーのこずかいになっている。
食事しながら会話も弾んでいた時、マキがミサキに頼みごとをする。
「あのう、ミサキ姉さん。お願いがあるんですけど。」
「ん?どうしたの。」
「春休みは魔界へいけなかったので、その代わりにこの食事が終わってからみんなで行きたいかなって。」
上目遣いでミサキにお願いするマキ。
(うわっ、マキちゃんかわぃぃ。)
「そ、そうね。入学式も済んだことだし行きましょうか?」
「いいんですか!ヤッターアァァァ」
「わぁいまかいだまかぃだぁぁぁ。」
はしゃぎ回るマキとユキ。
そして食事が終わり、全員で後片付けを済ませた。
その後、大広間に集合する5人。
「じゃあユキちゃん、時間の方はお願いね。」
「はぁい、いってきますでありまぁす。」
いつものようにユキが時間を止め、マキが転移魔法を使い異世界へ転移するはずだったが。
「姉さん、重大な事を忘れていました!」
「ど、どうしたのマキちゃん。」
「転移魔法は一度に四人しか転移できないってことをすっかり忘れていたんです。」
「そういえばそうでしたね。困りましたね。」
「マキちゃん一度にもっと多くの人数を転移できるようにしとかなきゃね。」
「でしたね。。。さて、どうしましょうか。」
ミサキとミカ、そしてマキはどうしようかとあれこれ考えていたのだが、意外なところから答えが返ってきた。
「それってぇ、マキせんぱぃが2回にわけてぇ転移すればぃぃのではないのですかぁ?」
ユキの言う通りだった。一度に四人までしか転移できないのであれば、マキを含めた3人で一度魔界へ行き、2人を魔界に残してマキが帰ってくればなんの問題もないのだ。こんな単純なことをスーパー頭脳の持ち主の3人は全く思いつかなかったのだ。
「なるほど、その手があったんだねユキちゃんすごい。」
(ユキちゃんてあたまいいんだぁ。えらいなあ。)
「そ、そうね。そうだったわね、じゃ、じゃあそうしましょう。マキちゃんお願いね。」
(わ、私としたことが…これでは理事長失格だわ。)
「は、はい、ははは。言われてみればそうでしたね。はははは。」
(まさかユキに指摘されるなんて。。。これは一生の不覚だ。)
ミカは素直な為、ユキを褒めるが、ミサキとマキは明らかに動揺してしまっていた。
だが気を取り直して、魔界へ出発することとなった。
「じゃあユキちゃんとミカちゃんが先ね。後から私とメアリーちゃんが行くわね。」
こうして2度目の魔界へ旅立つ事となった。
魔界の話題が上がった時にメアリーの表情が少しだけ変化した事にミサキ以外誰も気づいていなかった。




