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てんせい☆  作者: MAKI
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【066話】5人目の仲間

2人は姿を元の魔王ミサと天使ミカに戻し、秘密基地を出てマキに何かを植え付けた転生者と思われる女を上空から探している。


マキがその女とすれ違った場所を中心とし、2手に別かれミサは北側をミカは南側を捜索中だ。


転生者であれば、この世界の時間が止まっても関係なく動くことができる。理由は謎だが、おそらく異世界の者だからこの世界での時間とは無関係なのだろう。


それに転生者独特の能力から発する波動を察知することも今時間が止まっている為、察知しやすい。


2手に別れてすぐにそれは察知することができた。


北側を探すミカ、南側を探すミサ共に複数の能力を察知したのである。


(結構な数がいるな。そんなに強くはないが、なんだこの数)


ミサはこんなにも転生者がいたのかと思った。


一方のミカも同じであった。


(なにこれ、みんな転生者なの?こんなにいるだなんて)


ミサ、ミカは転生者だと思われる者を確認するため、一旦街に降りる。


だが、そこにいる者達は皆、見た目は普通の人間なのだが、全員目が紫色に変化している。


(こ、これはマキちゃんと同じ。この人達もなにかされてるかもしれませんね。)

ミカは普通の人間相手に聖剣を振り回すわけにもいかないので、とりあえず上空へ戻りミサのいる方へ飛行する。


ミカ同様に街に舞い降りたミサも、以前魔族が同じような目の色になっていた症状と酷似していたため、上空に戻り、ミカと合流することにした。


ミサはミカのいる北側へ飛行しようとすると、同じくこちら向かっていたミカと合流し、上空で2人でどうするか話し合うことにした。


「お姉様、あの方達は普通の人間の方でした。ですが目の色はマキちゃん同様紫に。。」


「そうだな、マキと同じで何かを植え付けられてるみたいだな、どうみても普通の人間だ。マキはそれに巻き込まれただけもしれないな。」


「そう言われればそうですね、相手もこちらが何者であるかと気がついてたわけじゃなさそうでしたし。」


「まあ、人間一人一人から、あの黒い塊を取りだすのは不可能だから、本体を叩くしかなさそうだな。たぶんほっといたら破壊したくなるような衝動に駆られ暴れ出すんだろ。時間を止めていなければ、街が破壊されていたかもしれないな。」


「ひどいことを…何も関係のない方々を巻き込むなんて…。」


どうやら複数いた転生者だと思われていたものは、転生者ではなくただの人間だったのだが、何かを埋め込まれてしまっている為、異世界の者と化してしまっていたのである。


目が紫になり、まだ破壊衝動は現れていないが、皆一様にブツブツ何かを呟いているようだった。


「ミカ見つけ次第殺せ。」


「はい、お姉様。」


ミカとミサは本体である女を捜しに再び2手に別れた。




*****秘密基地*****



ユキはマキの容態を気にしながらずっとマキのそばを離れない。目を覚ましたとはいっても、洗脳された状態で魔王の魔力を防御もないまま受けてしまったからだ。


ミカの治癒によりほぼ回復しているが、地面にたたきつけられた直後は瀕死の重傷だったのだ。


「ユキ、もう大丈夫だよ。ごめんね心配かけて」


「もぅしんぱぃかけすぎですよぉ。もしマキねえちゃんになにかあったら。。。ぐすっ。。」


顔色もよくなったマキの顔をみたユキは、ほっとしたのか泣きだした。


「ねえユキ。私たちも探しにいこうか、やられっぱなしじゃムカツクだけだし。」


「うん!そうだよね、マキねえちゃんはそうでなくっちゃぁ」


ユキは泣きやみ、マキと共に秘密基地をでて、ユウキの姿に戻った。なにかあれば自分の身を呈してもマキを守るつもりだった。


「さて、どこから探そうか。」


「そうですね、ん?あれは?」


探す場所を話していると、空からこちらに向かってくる者がいる。


紫色の気配を放ちながら、ユキ達の前に舞い降りた。


その姿は、マキが以前すれ違った高校生くらいの女であった。

目は紫で髪も紫、異世界特有の能力も感じられた。


「あんたはあの時すれ違った女の子!」


「ではマキさん、この者がマキさんを。」


「まだどうかは解んないけど、目も紫だしたぶんそうかも。」


とりあえず相手の出方を伺うことにしたマキ、だがユウキからは凄まじい冷気が溢れていた。


「能力を察知し、来てみたが凄まじい冷気だな。それにそこのお前、何故人間のお前がここにいるんだ?」


マキの方を見てそう言う女。すこし驚いた表情だった。


「それにこの世界の時間が止まっておるのもお前の仕業か?」


今度はユウキの方をみてそう告げる女。


「そのようなことはどうでもよい。貴様は何者だ?我らと同じ転生者か?」


異様なまでの冷気と冷酷な眼差しで問いかけるユウキ。その冷気で凍らされそうになったマキは無詠唱で瞬時に魔法を自分自身に発動した。


「そのとおりだ、私は闇の世界からきた闇の王カミュである。お前らも異世界からきたのであれば、共にこの世界を手に入れぬか?」


「闇の王ね。するとお前が私になにかを埋め込んだ張本人てわけか。」


「埋め込む?そんなことはしておらん、ただ呪文を唱えただけにすぎん、お前の精神が不安定だった為、黒い塊となり破壊衝動がおきたのだろう。全ては己の精神の弱さのせいだ。」


(なるほど、そういうことか、人間の持つ破壊的ななにかを増幅させ暴れさす魔法みたいなもんなんだろう。)


「それに、もうすでにこの街のほとんどの人間には呪文をかけてある。数百人ほどには術が効いているようだ。お前も転生者であればすでに感じているだろう」


(たしかに、強くはないが転生者独特の能力を感じる。それもすごい数だ。)


どうやら闇の王と名乗るカミュはユキを自分の仲間にしたいらしい、なので敵対する気は今はないらしい。


「誰が貴様などに協力するか、この世界を滅ぼしたところで何になる!」


ユウキがすごい剣幕で闇王に言い放つ。


「何になるだと?全ての異世界を支配して行くんだぞ、お前らはわたしと共にこの世界や異世界を支配できるのだ、悪い話ではないだろうが」


「つか、うちらは支配なんか興味ないし、それに呪文だかなんだかしらないけど、やられた分はやりかえさないと気がすまないし」


マキはそう告げる。闇王カミュはマキをじっとみていた。


「しかし何故だ?何故術がかかったお前が普通にここにいるのだ?おもしろそうな奴だからお前も加えてやるぞ。」


どうやら闇王はユキだけが転生者だと思っていたらしい。


「わたしは転生者で、魔女だ!人間じゃないわ!」


マキが転生者だと告げると、少し驚いた表情を見せる闇王。


「だが貴様はどうやって転生前の記憶を取り戻し、そして力まで戻っているんだ?」


いつもならマキが聞きそうな事をユキが聞いた。


「わたしは能力だけ先に戻っていたのだが、使い方も効果もわからず人限界でいう超能力だと思っていたのだが、最近になり、冥界の王と名乗る者から記憶を戻してもらってな、それで能力の使い方を思い出したのだ。」


「じゃあなぜ冥王には呪文をかけなかった?」


「当然呪文はかけた、だが転生者には呪文は通じないのだ、理由は知らんが、それにあいつは記憶しか戻っておらず能力が使えないからな、特に害はないし、仲間に加えても意味がないので放っておいた。」


つまり、カミュはイリア達とは対照的に、能力だけは転生前にもどっていたのだが、記憶は戻っておらず、自らの不思議な能力は超能力かなにかだとおもっていたらしい。


イリアはマキ達と出会う前に闇王であるカミュと先に出会い、自分達と同じと感じたイリアは、カミュの転生前の記憶を戻したのだ。


そしてカミュは取り戻した記憶を元にイリアに呪文をかけたらしいのだが、イリアには呪文は通じなかったらしい。


「では、なぜマキさんには呪文が…。」


(ユキめ、小動物だから呪文が効いたのか。と目が言ってるように感じるのだけれど…。まあいいか、私達だけでこいつを倒せるかわからないし…)マキはなにか思いついた。


「闇王カミュ、私達だけじゃあんたと一緒に滅ぼすかどうか決められないからさ、あたし達のボスに直接言ってくれない?」


(なるほど、さすがマキさん。相手がどんな能力を持っているか分からないから魔王様に引き合わせるのですね)

いつもならマキが狂ったとか言い出しそうなものだが、ここはちゃんと空気を読めたユキであった。


「ほう、お前らの他にも転生者がいたとは。いいだろうわたしもそいつらに会ってみたい。」


「じゃあ私が呼んでくるから、そこで待ってて」


マキはユウキと闇王の前から消えた、瞬間移動したのである。


すでにミカやミサの能力を察知していたマキはすぐに2人の前に現れ事情を説明する。


「わかったマキ、話せばわかりそうな奴だったら、この状態を元に戻させ、今後の事を話せばいいし、そうでなければ殺すまでだ。」


「そうですわね、ですがマキちゃんにあんな事をした償いだけはしていただかないと。」


「じゃあユウキがそいつと一緒にいますから、移送魔法で行きますね。」


マキはミサとミカを連れ、闇王とユウキの待つ場所へと瞬間移動した。


「わたしは魔界の魔王ミサだ、お前が闇王か。わたしとその仲間に敵対するのであればこの場でお前を殺す、そうでなければわたしの話を聞け。」


「わたしは妹の天使ミカ、わたしの大事なマキさんに酷い事をした罪は決して許しません。」


闇王カミュは本能的に感じた。魔界の魔王はとんでもない魔力の持ち主だと。ミサがかなりの魔力を撒き散らしていたせいもあるが、それに天使と名乗る者もかなりの能力を持っている事が瞬時にわかった。


「い、いや、敵対する気などありません。魔王と申されましたが、あなたが手を下せばわたしは瞬時に消えてなくなるでしょう。」


闇王カミュはかしこかった。冥王イリアはバカだった。それだけだった。


「では、敵対はせんのだな。お前が放った術をいますぐ全ての人間から解け。できないのならば消し去るのみだ。」


「い、いえできます。」


そして闇王カミュは人間にかけた術を全て解いたのであった。


「マキ、こいつの能力を封印しろ。姿はかわっていないようなのでこのままでよい」


「はいミサねえさん。」


マキは闇王の能力を封印した。以前とは違いマキの封印魔法はマキ以外解くことはできなくなっている。


そしてミサ、ミカ、ユウキは女子高生に戻り、それぞれの能力も静めていった。マキに時間を溶かすように告げるミサキ。


5人となった転生者は、秘密基地へと入っていった。



*****秘密基地内会議室*****



「わたしをどうするつもりですか?」


いまは普通の人間のカミュ。マキはそのままだが見分けはつかないので省き、他の3人も普通の人間と化している。


「どうもしないわよ。なんで世界を破壊しようとか思ったの?」


先程の魔王と思えない変わりように多少動揺するカミュ。


「だってこの力があれば世界を手に入れれるし、元々の闇王として異世界征服をしなければならなかったし。」


記憶を取り戻し、本来の目的を思い出し実行したと述べる。


「でも、私達にはかなわないでしょ?異世界征服も現実的ではなかったわけね。」


「そういわれればいい返す言葉もないです。では、わたしはどうすれば。」


「そうね、私達同様、人間界でしばらく生きてみるっていうのはどう?結構楽しいわよ」


「同じ転生者がいるのなら、そうしたいです、記憶が戻る前、人間として普通に生きているのに能力のおかげで、誰もよってこなかったし。」


(こいつはこいつでいろいろかわいそうなヤツだったんだなあ)と思うマキ。


「なら、カミュも私達の仲間ってことでいいわね、みんな」

ミサキが新たな仲間として迎え入れようとしていたのだがミカが割って入る。



「その前に、ひとついいですか!」


「ミカちゃんどうしたの?」


「わたしの大事なマキさんにお詫びとかないのでしょうか?わたしはそれを聞くまであなたを仲間として認めません。」


(やっぱぁミカさんこわぃ。)


「そうでした、マキさん。本当にすいませんでした。それに皆さんの大切な仲間を傷つけてしまいすいませんでした。」


「マキもそれでいい?ミカも気が済んだかしら?」


ミカもマキもうんうんと頷く。ユキは自分より新人が入ってくる喜びがあるようだ。


「で、カミュさんはいま人間としてはいくつなの?」


「今年で17歳になります。」


どうやらユキと同じ学年だ。


そして驚く事に、イリアの通っている明桜女学院の生徒だった。

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