【057話】最強魔法使い決定戦
4つ目の大陸の謎も解き明かし、マキの家に戻り、そこから魔法陣経由でサーシャのいる神殿内の部屋にいく。
そして大陸での、いきさつを説明した。
簡単に説明するマキだったが、普通では考えられない状況をよく無事で帰ってきたことに驚くサーシャ。
「そ、それでは、怪物も倒し今はもう完全に魔法が使える状態になったってことなんでしょうか?しかし、あの大陸にそんな怪物がいたなんて。」
「きっとその怪物が暴れださないように封印していたのでしょうね。それに悪用されても困るから魔法も使えないようにしてんでしょう。」
説明を加えるミサキ。
「怪物っていっても、マキねえちゃんが簡単に消しちゃったしぃ。」
「だよねー、あっさりすぎたよマキちゃん、もっと苦労しながら闘わないとー」
「その怪物はそんなに大した強さではなかったわけですね?」
それならわざわざ封印しなくても、と思うサーシャであった。
「いや、見た感じでは20メートル以上はあったし、かなり手ごわいんじゃないかな?マキだから簡単に倒しはしたけれど、この世界の人たちだったら、かなりの犠牲者はでてたと思うよ。」
と、ミサキは自分が推測した怪物の強さをサーシャに伝える。
「おねえちゃんは確かに強いとは思いますが、そこまでの強さはないと思いますが。」
自分が知り限り姉より強い魔法使いはゴロゴロしていると伝える。たしかに無詠唱で魔法を発動させるのは凄いことだが、それが強いこととは結びつかない。
「えー、サーシャさんマキさんは凄いですよー。私だって勝てないもんー」
ミカがそう言うが、サーシャは遥かにミカの方が強いと思っている。ユキやミサキにしてもだ。この前の闘いを見ていたからだ。それに比べ姉のマキは魔法の鎖を堕天使に巻きつけただけだった。
「ミカちゃんが私より強いわけないでしょ。サーシャの言う通り、そんなに強いわけじゃないし。」
マキはサーシャが自分の目で見ない限り信じない性格だと知っていたため、これ以上言っても無駄だと思っていた。
「じゃあおねえちゃん、今度開かれる『最強魔法使い決定戦』に出て下さい。そこで優勝したら信じますから。」
「いや、だから強くないっていってるじゃん!そんな大会出れるわけないじゃん!すぐに捕まってしまうわ。」
と、マキはめんどくさいなぁっと思いながら言い返した。
「マキちゃんー、出たら?まさに私の言ったことが真実だと証明するためにあるような大会だよー」
「うんうんそぉだよぉ、出て出てぇ、負けるとこもみてみたいしぃ」
「マキ、面白そうだし出てみれば?」
ミサキまでもが大会にでるように勧めるのである。
「出てもいいけど、大丈夫かなぁ、3つの国の王様も見に来るから、見つかると大会どころじゃなくなりそう。」
「そういえばマキちゃん、捕まるとかいってたけど、なにかしたの?」
「いや、まあ、過去にいろいろと破壊したからね、不名誉な存在だから城の中に閉じ込めようとしてると思う。魔法が使えない部屋にでも入れておくんじゃないかな」
実際に何度か捕まりそうになっていたマキであった。その為、自分で家を建てこっそり暮らしているのである。
「それならご心配なく、もう帰ってきてることは伝えております。3人の異世界からの方々に見張られている為、悪いことはできないでしょうと。」
サーシャは国王である父と母にだけは、堕天使との一件での事実を伝えていた。もちろんミサキ達のことも。
「これで出場に問題はないようですので、私のほうからエントリーしておきますね。3日後大会開催です。おねえちゃんが出るってなればきっと盛り上がりますからね。」
魔法の世界きっての天才マキの名前を知るものはいない。破壊の魔女としての2つ名もかなり知られているのだが。
「えええ、本当に出なきゃダメなのか?」
マキは嫌そうだった。照れ屋で目立つ事が嫌いなのである。
「マキちゃんーがんばってねー。」
「やられるところ見るのたのしみぃ」
「マキなら余裕でしょ」
ユキだけは勝ってほしくないみたいだが、もう出るしかなくなってしまったので、マキもしぶしぶ出ることにした。
「おねえちゃん、無詠唱だけはしないでね、パニックになるから。」
サーシャは念の為、マキに告げる。
「ああ、そうだった。わかったわかった。」
(なんでこんなことに…めんどくせええええ!)と思うマキであった。
そしてサーシャからミサキ達に『最強魔法使い決定戦』とはどうゆうものなのかの説明があった。
『最強魔法使い決定戦』その名の通り、魔法を屈指して争うのであるが、ただ単に強い魔法を発動しても意味がないらしい。相手も魔法使いである為、強い魔法を発動したところで防ぐ手段はいくらでもあるわけである。なので、いかに早く正確に相手の魔法を読むかが勝負になるらしい。
決勝戦ともなると、かなり危ない魔法の応酬となるため、強力な結界が張られその中で行われる。全国民が年に1度行われる『最強魔法使い決定戦』を楽しみにしているということだ。
しかし、誰でも参加できるわけではない。ちゃんと出場するための規定があり、『魔法の術式を、あらかじめ定められた範囲以上覚えてい者。』だそうだ、そうでないと怪我だけでは済まなくなってしまうためである。
「じゃあ、怪我人まで出る結構危険な大会なんだね。」
「それも、魔法で治りますから死ななければ大丈夫です。」
笑顔でサーシャは答える。
「姉なら、定められた規定をクリアしてますから、いつでも出場可能だったんですが、勧めても『嫌だ』といって一度も出なかったんです。」
「マキの性格ならそうだよね、選挙にしたって推薦がなければ出なかったもんね」
ミサキが生徒会選挙と同じだと言う。
「しかしタイミングよく『最強魔法使い決定戦』があるなんて。はぁ、どうしたものか。」
マキはため息交じりでそう呟いた。
大会は3日後、神殿前に立てられた3王国共同競技場内で行われる。
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