【056話】4つ目の国
*****ジャンヌ王国*****
現在4人はジャンヌ王国を横断している。鳥と同じく空を飛んでいた。
しばらくすると海が見える。とてもキレイな海。
「すっごーーーい!海が透き通ってる!魚が泳いでるー」
あまりの美しさに興奮するミカ。
「人間界と違い工場とかもないし、海を汚染するようなものがないからね。」
「魔法は自然保護にもなるね。」
ミサキがとてもいいことだと言う。
そして海を数時間進んでいくと、大陸が見えてきた。
緑で覆われていて、大陸全部が森のようにも見える。
「そろそろ『ほうき』が飛ばなくなりそうなので、泳ぐ準備してね」
マキが告げると同時に4人は海へ
『どっぱーーーーん!』
おちてしまった。
そして泳いで海岸に辿り着く。
「はぁはぁ…死ぬかと思った。。」
「マキ、先にいいなさい!もうびしょ濡れになったじゃない」
「マキちゃん、言うのおそすぎるよー」
「あはは、ごめんごめん」
ほうきはどこかへいってしまっていた。
ためしにマキは魔法を使ってみた。いつもどおり無詠唱である。
するとユキはスライムになった。
「あれ?使えるじゃん!なんでだろう」
「ほんとだスライムになってるもんね」
「砂かけてみよっか。」
砂まみれになったスライム。
かわいそうなので、マキが掴み海へ捨てた。
「ちょ、ちょっとーマキちゃん!シャレになってないわよ」
慌てて拾いにいくミカ。
「いやあ、砂まみれだったから洗ってあげようかと…」
そしてスライムを元に戻す。
元の姿に戻ったユキはなにも言わず、マキの頭上にとんでもないくらい大きな氷の塊を作りそして落とした。
「ユキちゃん…マキちゃんそれ以上小さくなったらスネるよ」
ミカもミカでひどかった。
ミサキは大笑いしていた。
マキは頭にたんこぶを作って氷の塊は半分に割れていた。
「ユキに殺されかけたし…ひどい妹だわ。」
「ばーーーか!ばーーーか!マキおねえちゃんのバカ!」
スネるユキであった。
「とりあえず魔法もユキの力も使えるみたいね。」
「ですね、でもなんでだろ?前は全然つかえなかったし、それに『ほうき』も落ちちゃったし。」
「マキちゃんは無詠唱で魔法を発動しちゃうからじゃない?」
ミカの一言で『なるほど』と納得することにした3人。
「じゃあ、冒険へ出発しちゃいますか」
「おー」
「わーい」
自然公園のような大陸をウロウロしまくり、途中で獣にあったりしたが、化物4人組を見た途端逃げていく獣達。
しばらく歩くと湖があり、広々とした草原があった。
「ここに家を建てて、今日はここで1泊しましょうか」
マキがそう告げる
「家?テントじゃないの?」
「え?家だよ、まってて。」
魔法を使い、本当に家を建ててしまった。
驚く事にすっかり慣れてしまってるので、『ほんとだったー』『ゆっくり眠れそう』とか行って4人は家に入り、1泊した。
*****4つ目の大陸*****
そして4人は次の日もまた次の日、歩いてウロウロしていた。とくに目的はなく何かあればいいのになー程度だった。
すると大きな山にさしかかったとき、いかにも怪しいダンジョンの入り口のような穴が見えた。
「怪しいね」
「うん、すごい怪しい」
「やっぱこうでなくっちゃぁ」
「冒険らしくなってきた」
そんな事を言いながら当然、怪しい穴のあいてるダンジョンみたいな所へ、すんなり入っていく4人。
中は当然真っ暗なので、マキが魔法陣で明かりをつけようとしたのだが、魔法陣が構築されない。
「やっぱ魔法陣はダメみたい、真っ暗じゃ進めないし。」
「私がなんとするわー」
ミカが天使ミカになりまぶしいくらいの光を出す。
「ミカちゃんそれじゃまぶしすぎて前見えないよ。」
ということで却下された。
マキは杖を出し、先についた宝石に魔法を発動し、松明代わりにした。
「これなら大丈夫みたい」
「松明みたいで、冒険してるみたぃ」
松明は好評だった。役に立たなかったミカはしょんぼりしている。
松明を手にし、先へ進む。
「なんかドキドキするねー」
「そろそろ出てそうだね」
「何がくるんだろう…。」
「きっとお宝がいっぱぃあるよぉ」
とか言っていると、期待通りの展開になった。
突然壁に小さな穴が空きそこから矢が4人へめがけふり注ぐ、がミサキの魔力で消え去り無事だった。
何事もなかったかのように進む4人。
「やっぱ出たね。」
「うんうん、こうでなくっちゃ」
今度は巨大な岩が前方からゴロゴロと転がってくる。
が、粉々になった。ミサキが砕いてしまった。
「あれってなんかの映画で見たよ。」
「ああ、ありましたねー」
次はなんだろうと期待していると
足元が崩れだし、4人は落下していく、下には煮えたぎった溶岩が…
が、しかしユキが凍らせた。
落下はマキが魔法で速度を抑え、4人は凍りついた溶岩の上に着地。
「だんだん難易度があがってきたね」
「魔法や力がなけりゃ死んでるかもー」
「たぶん大丈夫よ。かすり傷くらいは負ってるかもね。」
で、ここはどこだろう。4人に前には大きな扉があった。
「大昔に誰かが作ったのかもね。」
「それなら考えられるかもしれませんね。元々はひとつの大陸だったらしいですから。」
扉は堅く閉ざされ開きそうにない、扉の2箇所になにかをはめ込む形がある。
「ここに何かをハメれば開くってことなんでしょーね。」
「うんうん、きっとそうだよぉ」
だが、そんなめんどうなことはせず、ミカが聖剣で扉を切り裂いてしまった。
「ミカちゃん聖剣をそんなことに使うなんて…」
「あはは、まあこれで入れるからー」
そして扉の向こうへ進む4人。
大広間になっていた。結構の広さだ。その広間に馬鹿でかい魔法陣が描かれていた。
「なるほど、これのせいで魔法が使えなくなってたんだ。」
マキは魔法が使えない理由がわかりスッキリした。
「でもこれって何か意味があってやってるんだよね?」
ミサキが言う。
「そうですよねー魔女さんたちにきてもらったら困ることでもあるのかも」
「うーん、なんでだろう。」
「あれだけの罠が仕掛けてあるって事はなにか意味があるはず。」
マキはとりあえず魔法陣を消すことにした。
消えた瞬間だった。4人の目の前に現れたのはまさしく『怪物』であった。
かなり巨大である。さきひどの魔法陣はこの『怪物』を封印していたらしい。同時に魔法を使えないようにもしていたようだ。
「魔法があれば簡単にたどり着けて誰かが封印と解いてしまうかもしれないから、魔法を無力化させたわけね」
「まさかこんな『怪物』が潜んでいたなんて…。」
だが『怪物』以上の化物4人組である。たかが『怪物』ごときどうってことはない。
「で、マキどうする?」
「こんなのが暴れだしたらめんどくさいので、始末しときますね」
『怪物』はマキの魔法で消え去ってしまった。
本来ならば、罠を苦労しながら潜り抜け、落ちた先は溶岩だった落とし穴も命からがらなんとか助かり、やっと見えた扉はあかず、なにかを埋め込まないと開かないとわかり、それを探す。
そして扉を開け、出てきた魔法陣の謎と解き明かし、封印された怪物と闘い勝利する。そんなとこだったのだろう。もう普通の人間でもなんでもない4人組には少々刺激が弱すぎたのだった。
「まあ、ダンジョンもあり、スリルもあったから冒険らしいていったら冒険らしいよね」
「うんうん、ユキこんなゲームしたことあるから楽しかったぁ」
「じゃあそろそろ帰りますか、おなかもすいたし。」
「いやー楽しかったー。やっぱあるんだねーこーゆー場所ってー」
「戻ったらサーシャさんに、おしえてあげなきゃね」
「うんうん、きっと行きたかったーっていうよー」
どうやら4人は大変満足したようだ。
こうして冒険を終え、マキの家へと移送魔法で帰っていくのであった。
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