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てんせい☆  作者: MAKI
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【048話】自由行動

*****魔王城 総司令官会議室*****


カオスは『魔王城』の案内を終え、総司令官達がいる部屋へと戻ってきていた。


集まっていた総司令官達に、どこに行ってたんだ?とか、どんな話をしたのだ?とか質問責めに遭っていた。


カオスは、自ら案内した事とマキと手合わせした事を正直に話す。


すると、総司令官の一人、魔王親衛隊総司令官ディオが投げすてるように話し出した。


「魔王軍の総司令官であるカオスともあろうものが、異世界のあんな小さな女の子にやられるとは情けない。」


「そうだな、あの三人の中でもミカ様やユウキ様の能力は、かなりのものだと感じたが、あの小さな女の子に関しては、内心なんで忠誠を誓わなければならないんだ?って思ったくらいだ。」

他の司令官達も頷く。


どうやら司令官達は、ミカやユキには到底勝てないのは解っていたのだが、マキにはどう見ても勝てそうな気がしていたのだ。


だが、魔王の手前、たとえ自分達の力が勝っていてもそれは絶対に口にできないのである。


「やはり貴様らは、マキ様をそのように見下しておったか。ならば勝負を挑んでくるがよい。おそらく6人がかりでも勝てぬわ!」

カオスは笑いながらそう言い放った。


その言葉を聞いた途端、凄まじい魔力が総司令官室に満ち溢れ出す。


「その言葉忘れるなよ!」


そう言い残し、カオスを除いた総司令官6人は何処かへ瞬間移動した。


現在総司令官は7名いる。


魔王親衛隊総司令官が3名で、残るは魔王軍の総司令官4名である。


7名とも地位的には同格だが、カオスが一番魔力が大きく、しかも魔王の配下では最古参である。



*****魔王城 どこかの部屋*****



マキ達3人は、勝手にウロウロすると迷子になってしまう為、それぞれにお付きのメイド魔族が1名付きそうことになり、それぞれが自由に好きなところへ行って遊んできなさいと、ミサキから告げられていた。


「私は魔物狩りにいってきますわ。メイド様、瞬間移動の方よろしくお願いします。」

ミカはよほど狩りが気に入ったのか、すぐに出かけてしまった。


「じゃぁ、わたしはどこかぁ適当に移動しちゃいますぅ。メイドのお姉さん適当に瞬間移動しちゃってくださぃ」

ユキもそう言ってどこかへ行ってしまった。


(適当にって、どこにいくんだろ、闇穴にでも落ちたらおもしろいのに)


マキは特に行くところもなく、現在総司令官募集中の看板が立っている空き地にでもいこうかと考えていると、いきなり6人の総司令官が現れた。


「マキ様、突然の来訪まことに申し訳なく思います、カオスに事情は伺いました、是非我らともお手合わせ願いたいのですが、いかがでしょうか?」

と、いきなり言われてしまったのだ。


「いいですよー、なにしようか考えてたところなのでちょうどよかったです。」


簡単に了承するマキ。余裕さえ見えるその表情に総司令官6人は怒りが頂点に達していた。


マキにも当然メイドが着いているのだが、メイドはただそのやりとりを見ていたが、口出しできる身分でもない為、ただ跪き黙っているだけであった。


そこにカオスが現れた。やれやれと言った表情だ。


「マキさん、すいませんが相手してやってもらえますか、死なない程度でお願いします。」


6人の総司令官は一斉に視線をカオスに向けた。怒りが伝わるくらい怒っている。


「うん、じゃあここでいっか、広いし」


(このチビめ、どうせカオスは油断していたのだろう。今度はそうはいかん。)総司令官ディオはそう思った。


「ではわたくし魔王親衛隊ディオから参ります。」

やる気満々のディオ、どうやら剣を使うらしい。魔力が籠った剣を握りしめ準備はいつでも、といった様子。


しかし、マキはとんでもないことを言い出した。


「1人づつは時間かかっちゃうから、6人いっぺんにきて、その方が一回で済むし」

笑顔でそう言う。


カオスは総司令官達に冗談で6人がかりでも勝てないと言ったのだが本心ではない。もちろん魔力はカオスが一番上ではあるが、6人揃えば魔力の大きさも6倍になる為、いくらマキであろうと防げるわけがないた。


(マキ様はどうするおつもりなのだろう…いくらマキ様とはいえこの者達を若干舐められておられるのでは…)

少し焦った表情のカオス。


「カオス、お前が証人だ、マキ様は我ら6人を相手するとおっしゃられた、仮に不幸な事故に遭われたとしても、6人の魔力だ、仕方あるまい。」どうやらディオら6人の総司令官は、6人がかりで総攻撃するようだ。


「待たぬかディオ、これは勝負ではない!マキ様もどうかお考え直しくださいませ!」


「黙れ!6人がかりでも良いとおっしゃっておられるのだ、我等は言われたとおりにするだけだ!」


(ありゃりゃ言い争いになっちゃったよ。。)自分が原因にもかかわらず、呆れて見ているマキ。


そんなやりとりをしていると、総司令官が突然跪く。


(おや?いきなりどうしたんだろ?)

そう思い後ろを見ると、いつのまにかミサキがいた。


「マキちゃん、なんだか楽しそうね。」

小さな声でマキにそう言うミサキ。


「あはは、みなさん私と手合わせしたいっていうので、私もカオスさんに同じ事頼んだ以上断れなくって。」


「そうなんだ、マキちゃんらしくていいじゃない。思いっきりやりなさい。」


「はい、姉さん。」


そしてミサキは総司令官に言い放つ。


「立つがよい、お主らの話は聞いておった。我が妹マキが6人でこいというておるのだ、さっさと始めるがよい!」


「はっ。魔王化閣下!」


そして6人の総司令官VSマキの闘いがまもなく始まろうとしていた。


カオスは焦って、魔王の元へ駆け寄る。


「魔王閣下!わたくしめが下らない事をあの者達に言いましたが為に。」


「よい、カオスよお主もまだ解っておらんようだのう。まあ見ておけ。」

ミサキは笑顔でカオスに告げた。思わぬ返事にカオスは困惑していた。


そして、戦闘が始まった。



始まったが、同時にマキの勝ちが確定した瞬間でもあった。



カオスは愕然とした。


ミサキは大笑いしていた。


「はっはっはっは!この愚か共者め!しばらく反省するがよいわ、はっはっはっはっは。今日ほど面白い事はないだろうな、はっはっはっはっは。」


魔王閣下がこれほど笑う姿は、魔界の誰もが見たことがないくらいミサキは笑っていた。


「では、カオス。後はまかせた。」

そう言い残しミサキは何処かへ瞬間移動してしまった。



だが、カオスはその光景を見て、笑うに笑えなかった。


(こ、こんなことが。。)


もうなんと言えばいいのかすら解らない。



なんと6人総司令官は、



スライムにされてしまったのだ!


『ぺちゃ!』


『ぐちゃっ!』


スライムにされた6人は、マキに踏まれたり、壁に投げつけられたりと、散々だった。


ディオと思われるスライムは、魔法で燃やされ、凍らされ、引き延ばされたりとめちゃくちゃされていた。


「マキ様、このカオス。マキ様の真の実力を見極めることすらできない愚か者でございました!これより新たに真の忠誠を誓います!」


(じゃあこの前、謁見の間での忠誠はなんだったんだ?)と突っ込みたくなったマキだった。


「いや、忠誠とかいらないから、友達でいいよ」


「はあ、そう言われましても、まあマキ様がそうおっしゃるのであれば、で、そろそろ元に戻していただいても構わないでしょうか?」


「そうだね、もういいかな。」


6人の総司令官は元に戻された。


カオスの時にもスライムに変身させようと魔法を発動したが、魔力にはじかれできなかったらしく、この6人はすんなり魔法が効きそうな予感がしたので、6人でかかってくるように言ったらしい。


6人は、跪きこう言った。


「マ、マキ様、我ら6名死を持ち先程の無礼の数々をお詫び致します。」

元の姿に戻った途端、表情には先ほどまでの怒りはどこかへ消え去り、6人全員が恐怖に陥ったような顔をしていた。一番痛めつけられたディオは若干焦げていた。


(なんでそうなるねん!)


「いやいや、そうゆうのナシでいいから、頼まれたから受けただけだし、そもそも魔界ってそういうところでしょ?」


「ですが、それでは我々の気が済みません!なにか罰をお与えくださいませ!」


「じゃあ、みんな友達になってくれればいいよ、ミカやユキもそのほうが喜ぶし。それ以上はもうナシね。」


「はっ、我ら6名マキ様の友達として、またミカ様、ユキ様の友達とさせていただきます!」


少し変だが、まあいいかと思うマキであった。


6人の総司令官はそれぞれの任務に戻ると告げ、マキの方を見るとニコニコ笑顔で、消えていった。


「マキさん、ご迷惑をおかけ致しました。このお詫びと言ってはなんですが、なんなりとお申し付けください。できることならなんでも致しますので。」


「じゃあ、行ってみたい場所があるから付き合ってもらえるかなあ。」


「はい、どこへでもご案内致します。」


マキはカオスを誘って、『空き地』へと向かうことにした。カオスは何故そのような場所に行くのか訳がわからなかったが、マキからのお願いなので快く引き受けた。


メイドさんも置いておくわけにはいかないので、一緒に連れて行った。



*****魔物の森*****



ミカはメイドに魔物の森へ連れてきてもらっていた。将軍リリィに連れてきてもらった場所とは異なり、魔物がかなり多く生息している魔物の森と呼ばれる場所だった。


「ここにはどのような魔物がいらっしゃるのでしょうか?」


「はい、数メートル級の魔物がたくさん生息しております。駆除がかなり困難な手ごわい魔物ですのでくれぐれもご注意くださいませ。それにかなりの数が生息しております。」

聞かれた質問に淡々と答えるメイド、表情も普通だ。


「そうですか、それは楽しみです。」


ミカ天使の姿で『聖剣』エンジェルソードを握りしめ、魔物を狩りに森の中へ入っていった。『闇竜』を討伐できる可能性があるかもしれないと言われ、じっとしてはいられなかったのだ。


そして魔物を次から次へと狩りまくり、進んでいく、メイドはその後ろを付いていき、魔物から出た戦利品や、高級食材となる物を拾い集めていた。


だが、突然無表情だったメイドの表情がかわりミカに向かって大声で叫びだす。


「ミカ様!お気をつけくださいませ、かなりの大物です」


その声を聞いたミカは『聖剣』を強く握り締め、周辺を見渡す。


だが、それらしき魔物は見当たらない。キョロキョロしているミカに再度メイドが声をかける。


「ミカ様!魔物は頭上でございます。」


ミカはすぐさま上を見上げると、その魔物は空から降りてきた。


数十メートルはあるだろう。かなりの大物だ、しかし水竜に比べれば大したことはなく、あっさり斬り裂いてしまった。


「ありがとうメイド様、魔物の姿が見えず焦っておりましたので、助かりました。」


「とんでもございません。私のような者にそのようなお礼などされては困ります。ですがこの森にはミカ様の練習になるような魔物はおりませんね。」

あまりの強さにメイドはそう言った。


「きっともっと手ごわいのがいるかもしれません。もう少し進みましょうか。」


「はい。」


メイドにそう告げ森の奥へ進むミカであったが、急に立ち止まった。表情から血の気が引き、恐怖で一瞬言葉がでないほど怯えていた。


「キャァァァーーー」


悲鳴を上げ逃げ出すミカ。


「ミ、ミカ様どちらへ…」

メイドは驚いた。あれほどの強さを持ちながら、何故このような魔物に対し逃げ出すのか。


その生物とは、『魔虫』であった。

ゴキちゃんのような形をした茶色い生物である。魔物が1匹その魔虫の餌食になっていた、数万の大軍で魔物を埋め尽くし食べるのである。


さらに魔虫は料理の調味料にもなるのだが、ミカは知らない。

メイドもその事は黙っておくことにした。



*****魔界の洞窟*****



ユキは何故か洞窟にいた。あちこち瞬間移動してると、横穴の空いている場所を見つけ、好奇心から中に入っていったのだ。洞窟の中は真っ暗だったので、メイドが魔力で明かりを灯そうとしていたがうまくいかず、ユキは火を起し、その炎を燃えたまま凍らせた。


「あ、あの。火が燃えたまま凍っておりますが。」


不思議な力を使うユキに驚くあまり声をかけてしまったメイドは、即座に跪いた。


「申し訳ございませんユキ様、勝手な発言どうぞお許しくださいませ。」


突然謝罪するメイドにユキは訳がわからなかった。


「そんなにぃかたくならないでぇ、いぃんだよぉ。いっぱぃお話ししながらいこぅね。」


ユキに優しくそう告げられたメイドは、小さく頷き先ほどユキが作り出した凍ったまま燃えた炎を灯りにし、洞窟内を進んでいった。


「しっかし、広い洞窟ですねぇ。洞窟じゃなくてトンネルですねぇ」


先が全く見えない。だがそれがユキを前へと進めてしまう。


メイドに聞いたがなんの洞窟なのかはわからないそうだ。


「魔物がでるかもしれませんので、くれぐれもご注意くださいませ。」


「はぁい、メイドさんもきをつけてねぇ」

前を歩いているのはメイドなので、危険なのはメイドの方である。どっちにしてもユキが守るつもりだった。


もうかなりの距離を歩いた。魔物も出ずに、そのまま進む。

ただひたすら真っ直ぐなだけのトンネルなのに、先が見えない。


後ろを振り返ると同じく入り口が見えなくなっている。


「なんかここヤバそぅだねぇ、入り口が見えないくらぃ進んじゃったみたぃだねぇ。」

ユキは少し不安になった。


「もう怖いから、瞬間移動おねがいしますぅ」

とうとう耐え切れずメイドにお願いするユキ。


「は、はいではユキ様。瞬間移動致しま…あれ?なぜでしょうか、魔力が使えないのですが。」

メイドはそう告げる。


「えぇぇぇぇ!じゃあこのまま歩くしかないんだぁ」


「どうやらこの洞窟内では魔力が使用できないようでございます、申し訳ございません。」

メイドのせいではないのに、何故か謝罪するメイド。


どこまでも出口が見えないので、あきらめて戻ることにしたユキ、だが数時間歩いても最初に入った入り口も見えなくなっていた。


「このトンネル、なんかおかしぃよ。」


「そうですね、こんなことがあるとは、存じあげておりませんでした。」


「ううう…どうしよぅ。」


ユキとメイドは洞窟内に閉じ込められてしまった。

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