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てんせい☆  作者: MAKI
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【045話】闇竜

魔王以外の地位が大体把握でき、魔界全体の総人口も把握できたのだが今度は魔界がどのような地形なのか気になっていた。


「姉さん、魔界は地球のように丸くなっているのでしょうか?」


「いいえ、魔界には端があるの。」


ミサキはそう言うと、解りやすく説明をはじめた。


「大きな円を思い浮かべてみて、その中心にあるのが、魔王城なの。そして残りが各支部に8等分に分かれているの。」


「てことは、平面てことですね?」


「そうね、まあ、山があったり、谷があったりはするけどね。何もなければただの円形の大地よ。」


「円の外はどうなっているのですか?」


「つまり魔界の果てってことね、見た方が早いから見せてあげるわ。」


どうやら魔界は異空間に浮いているような状態かもしれないらしい、魔界自体が平たい円状の形なのか、円柱のような形なのか、どちらかと言えば円柱の形であると思われるのだが、確かめる手段がないようだ。なので、浮いているのか、円柱の柱の上なのかも定かではないらしい。


とにかくその目で見れば解ると言われ、3人はミサキの周りに集まり、ミサキは魔力を使いあっというまに、『魔界の果て』と呼ばれる場所へたどり着いた。数メートル先は足の踏み場のない真っ暗な崖になっていた。


『魔界の果て』は円状になっている魔界の端なので、どの場所にもある。

しかもそこから見える景色も全て同じであるらしい。


魔界の空には光の源となる赤い雲のようなものが流れているように見える。しかし、魔界の端から先をみると、赤い雲はなくなり真っ暗闇なのである。まるで光をも吸い込んでしまいそうな真っ暗闇だ。


「どう?ここが『魔界の果て』よ。落ちないように気をつけてね、助けようがないから。」


さすがに、落ちてみる勇気はない。大地が途中から完全にないのだ。見えるのは暗い闇だけ。


「姉様、こわいですぅ。暗闇ぃをみてるだけで、倒れそうですぅ」

ユキがガクガク震えながらそう言った。


「そうですよね、こうやって眺めているだけで吸い込まれそうになります。」

端まではまだ距離があるのだが、恐ろしくて前へ進めない。


「この先には魔界と同じような異世界があるかもしれないですね。」


「そうね、魔界が存在してるんだから、同じような異世界が存在しても不思議ではないわね。」


暗闇以外なにもないのでここにいても仕方がないと思ったミサキは話し出す。


「じゃあ、戻りましょうか、ここが『魔界の果て』ね、端から数千キロ以内に住む魔族も魔物もいないわ。たまに調査隊が調査にくるくらいね。」


(数千キロ以内に魔物も魔族もいないから、なんの気配もしなかったのか。そりゃこんなとこに住めないよ。しかし数千キロとは。)


「どぅして数千キロも離れないといけなぃんですかぁ?」


「それもそうよね、そこまで離れる必要性が感じられないですわ。」


(めずらしくユキがまともな質問をしてるなぁ。まあ、たしかに魔界の果てに落ちないように気をつけるとしても数千キロは離れすぎだな。)


ユキに質問され、ミサキ自身もどうしてだろうと考え込んでいた。だが何かを思い出したようだ。


「あっそうだ、『闇竜』がたまに現れるのが『魔界の果て』だったわ、すっかり忘れてた。」


「それって、一番重要なのではありませんか、姉さん。」


「まあ、数千年から数万年に一度しか出てこないし。」


「もしかして将軍様が言っていた『闇竜』のことですよね?お姉様が討伐なさったとお聞きしております。」


「ああ、うん、たしか2千年前だったかしら、その時にね闇竜が現れたこの場所から数千キロに渡って魔族が消滅しちゃったのよ。」


「なるほどぉ、それで今も果てから数千キロはなれてぇくらしてるんですぅねぇ。」


「そういうことなのよ、それにね大きさも『雷竜』とはケタ違いだったし、私としてはあまり思い出したくないかも。」


「姉様でも、思い出したくないことなんて、あるんですかぁ?」


「あはは、そうね。『闇竜』は魔力を食べるの、だから魔族にとっては脅威なのよ。私もかなりの魔力をもっていかれたかもしれないわ。」


「魔族にとって天敵ってわけですね?」


(そんな竜ならそりゃ思い出したくもないわ。)


「魔界には魔族しかいなから、魔力を食べると表現したけど、ミカの天界の力も、マキの魔法も食べちゃうと思うわ、ユキでも凍らせないだろうし、あの闇の力はなんでも食べちゃう。」


(そんな竜どうやって倒したんだろ…。)


「でもお姉様は討伐なさったんですよね?一体どうやって討伐なされたのですか?」


「え?どうやってって、普通に魔力で攻撃して消滅させたのよ。」


「はい???」

3人がほぼ同時に同じ事を言った。


「いえ、先ほど思い出したくないとおっしゃられてましたから、私はつい、お姉様が苦戦なされたものだろうとばかり。」


「ああ、ごめんねミカ、違うの、消滅させちゃったら『闇竜』から『証』がもらえないのよ。それじゃ倒す意味もないからネ。でも消滅以外に倒す方法がなかったので仕方なく。。」


「姉様、それってマキせんぱぃと同じ考えですよぉ」


「やっぱ、消滅させちゃダメだったんだ、よかったぁぁぁ」


「ということは、お姉様は『証』が手に入らなかったから思い出しくなかったわけですか?」


「あはは、まあそういうことになったうわね。」


(数億の消滅した魔族が気の毒だ。)マキは思った。


「でもね、今のミカじゃ無理だけど、消滅させずに倒せるのはミカくらいかもしれないよ。」


「きっと『天界の力』が『闇竜』にダメージを与えるんですね?」

マキは推測した。闇というくらいだから弱点は光ではないかと。


「そうね、ミカの『聖剣』あれこそが最大のダメージを与えるんだけど、ミカは全く使いこなせてないから。」


(さすが聖剣だ、計り知れない秘めた力が宿ってるんだろうな。なのにエンジェルソードとか名付けちゃっていいのだろうか。)


「お姉様、私まだまだ修行が足りないって事なんですね。もっと魔物を狩って頑張ります。」


「いや、ミカそうじゃないよ、あれはもっと…表現の仕方がわからないわ。精神的というか心理的というか、そういったもので威力が増すの」


「つまり姉さん、『聖剣』にはもっと秘めた何かが宿っていて、それを引き出せばいいってことですよね?」


「そうそう、そうよマキちゃん。うーん、言葉に表すって難しいわね、あははは」

ミサキは笑ってごまかした。


「ミカちゃん、頑張って引き出せるようになろう!そして『闇竜』からアイテムゲットしようね。わたしも手伝うからね。」


「マキちゃん、ありがとー。わたしがんばるー!」


「ミカせんぱぃわたしもお手伝いしますぅ」


「ユキちゃんもありがとねー。」


3人は目標ができて喜んだ。ミサキも嬉しそうだった。


こうして魔界について大雑把ではあるが、説明が終わり次の目的地に向かう事となった。

文字数:2826字

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