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てんせい☆  作者: MAKI
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【042話】魔物狩りツアー

*****魔界都市将軍の城*****


ミサキ以外の3人は旅の疲れを取るため寝室に案内されベットでぐっすり眠った。ほんの1時間程度である。


「なんだかすごい目覚めがいい、体が軽い気がする。」

目を覚ましたマキがスッキリした顔でそう言った。


「うんうん、わたしもー」


「わたしもですぅ、もう元気いっぱぁーい」

同じく目を覚ましたミカもユキも同意見のようだ。


「でしょう、この部屋もベットもすべてそうゆう効果があるのよ。」


「へえ、そうなんだあ。魔界ってすごい。」


そして用意された服に着替える。

動きやすそうな服と短パンだった。靴はブーツ。デザインも結構よくみんな色違いだった。


それぞれのトレードマークとなる色。

マキは緑、ミカは青、ユキは黄とそれぞれ色違いのラインが服や短パン、靴などに入っていた。ミサキは赤と黒のドレス姿だった。


「あれ?なぜお姉様だけドレスなんですか?」


「だってあなた達は、今日狩りに行くんだから、わたしはお留守番よ。楽しんできてネ」


「そういえば昨日、おっしゃってましたね、魔物狩りですか。」


ミカは不安そうだがマキは違った。


「わぁー楽しみだなあ、狩りってなんかいいね」


すごい嬉しそうだった。きっと狩りイコール食べ物なのであろう。


「マキせんぱぃ、ユキを狩らないでくださいよぉ」


ユキは違う意味で不安だった。



「そういえば今は朝なのかな夜なのかな?」

外は朝も昼も夜もずっと同じ空の色なので、全く解らない。


「ここには朝とか夜とか存在しないよ、魔族は眠らないし。」


「えええ、眠らないんですか。」


「そうよ、疲れがたまった時や、魔力を大量に消費したときには横になったりするけどね。」


そんな会話をしていると、いつのまにかベットは消えテーブルと椅子が並んでいた。


そしてテーブルの上には朝食が。


(どういう仕組みなんだろ、魔法よりすごい。)


朝食も終わり、ミサキが将軍の名前を呼んだ。


「将軍リリイ!」


「はっ、リリイ参上いたしました!」


リリィは瞬間移動で部屋に現れた。


「我が友に狩りを連れて行ってやってくれ、あとはまかせる。」


「はっ!」


「では、みなさまコチラへどうぞ」

跪いたまま、手を右のドアの方向へ指しのべた。


3人は移動する。すでにミサキはどこかへ行ったのか、いなくなっていた。



ドアの向こうには部屋があり、そこには立派な椅子があり、そこに座る3人。


「では、参ります。」

そう将軍が告げるとドアが閉まり、次にドアが開いた時には外だった。

どうやらこの部屋は将軍が魔力で作り上げた乗り物だったらしい。



「到着いたしました。どうぞ外へ」


3人は言われるがまま外へ出る。


「きょ、きょ、恐竜が…いる。」


「なんか、大きなムカデが…。」


「あっちには手のある魚がいます。」



もう無茶苦茶である。さすが魔界、魔物も多種多様であった。


「この地に生息する魔物でございます。比較的弱い魔物ですので、是非ご堪能くださいませ。」


そう言って、リリィは3人に剣を配る。


「この剣で一太刀で倒せます。」


(いや、倒せって…女子高生にどうこうできるんですか?)マキは心の中でそう言った。


しかし、ミカだけは嬉しそうに飛び出して魔物を斬りまくっていた。

(ちょ、ミカちゃん。こわっ…。そういえば『聖剣』使いの天使だっけ。)


「マキちゃんユキちゃんすごいよーサクサク狩れちゃうー」


「ミカさん。。。なんかすごぃですねぇ。。。」

ユキまでもが呆れるくらいのミカの喜びようであった。


そしてユキも魔物狩りに出かけた。


なんか一方的に狩られる魔物が、かわいそうになってきたので、マキは将軍に尋ねた。


「あの、将軍様、魔物ってあんな気軽に狩っちゃっていいんですか?」


「マキ様、魔物に心を囚われてはなりません、魔物は魔界を滅ぼしかねない生物なのです。ですので、定期的に駆除しなければなりません。」


「そうなんですか、ここの魔物は弱いとおっしゃいましたが、他にどんな魔物がいるんですか?」


「強いと呼ばれる魔物は火竜や水竜、といったところでしょうか、さらに強いとなりますと雷竜です。」


好奇心旺盛のマキである、質問攻めに遭う将軍。しかし全てに解りやすく説明し答えるのであった。


「最強の魔物とかはいるのでしょうか?」


「現在確認されている最強の魔物は『闇竜』です。この魔物の討伐に数億の魔族が滅びました。今から二千年前の話です。討伐されましたのが、偶然その地を訪れていらっしゃいました魔王ミサでございます。」


「将軍様はその魔物はご覧になられたのですか?」


「はい、しかもかなり離れた場所から魔王様の討伐されたお姿を拝見いたしておりました。もう少し近寄るだけで、わたくしのような者など一瞬で消滅いたしますので。」

顔色を一切変えず、恐ろしい事を普通に語る将軍。それ以上にミサキの方が恐ろしいのだが。


(近づいただけで消滅するって。。。どんな魔物なんだよ。)


「詳しくご説明いただきましてありがとうございました。私も魔物狩りを楽しませていただきます!」

そう言ってマキも魔物狩りに出かけていった。


数時間が過ぎた。簡単に狩れる魔物、剣で斬ると消滅していくのである。


(斬ると消滅しちゃうんだけど、昨日出た食事の魔物はどうやって捕まえたんだろう。)

気になったマキはまた将軍の所へ行き質問した。


「はい、その剣は『消滅剣」でございますので、斬ると消滅する魔力が付随しております。捕獲の際には、異なった道具を使用いたしましての捕獲となります」


「そうなんですか、ありがとうございます」


「いえ、ご質問がございましたらなんなりと。私の知る限りお答えいたします。」


(すごい優しくて、物知りな方だ。やっぱミサキ姉さんが怖いからなのかな。)


次第に魔物もいなくなり、休憩することにした3人。


「次から次へと沸いてくるからビックリしちゃったけど楽しかったー」

ミカはすごい満足そうだった。


「ミカせんぱぃすっごい楽しそぅでしたねぇ。」


「あはっ、わかる。倒したあの感じがなんともいえなくて、もう病みつきになっちゃいそう。」


(ミ、ミカちゃん、やっぱ剣を手にすると人格まで変っちゃうんだろうか。)少しミカの事が心配になってきたマキだった。


「お楽しみいただけて、恐縮です。」

初めて見せた少しだけの笑顔ぼ将軍。


「あの、将軍様、他の魔物も見学させてもらってもよろしいでしょうか?」


「もちろんでございます。ではご案内いたします」


将軍がそう告げると、乗り物は次なる目的地に向かっていった。しばらくすると将軍が声をかける。


「到着いたしました。」

と言って扉を開けると、見るからにヤバそうな魔物がいた。


さっきまでとは明らかに魔物の目つきが違う。


黒い体で赤い目をした、虎くらいの大きさの魔物が何体かこちらを見ている。

その数はどんどん増えていき、その全ての魔物がこちらを凝視している。


(なんだあの魔物、なんかヤバそう。)


「あ、あれは?」


「あの魔物は『黒狼』にございます。先ほどの魔物より数百倍の攻撃力を持っております。」

的確に説明する将軍。


(数百倍って、しかも群れてるし。)


「ミカ様、マキ様、ユキ様であれば、簡単に狩られることができましょう。」


「ええええ。狩られるの間違いでは。」


さっそくミカは外に出て狩りを始めた。将軍の言ったとおり、先程と同じく簡単に狩っていた。


ユキも続いて狩りにでると魔物を凍らせて砕いていた。


マキは魔法を使ってみた、魔界でも発動するみたいで、魔物の動きを止め狩った。


「将軍様、わたし達ならどの程度の魔物を狩ることが可能でしょうか?」

ミカは自分の力がどの程度か知りたいので尋ねてみた。


「恐らく、『水竜』『火竜』は容易く狩れるお力はあるかと存じ上げます。」


(それってさっき言ってた、強い魔物じゃない?そんなの狩れるのか?念の為将軍様ならどんな魔物を狩れるのか聞いてみよっと。)思ったマキだったが、ミカも同じ事を考えていたようで先に質問していた。


「あの、失礼ですが、将軍様はその『火竜』や『水竜』を狩られたことはございますか?」


「討伐は致しましたが、その時は50人程の兵隊と共にです。私一人ではとても敵いません。」


(おいおい将軍でも狩れないのに、この3人が狩れるわけないじゃん!しかも容易くって。。。化物じゃあるまいし。)


「一度、その魔物を拝見したいのですが、よろしいでしょうか?」

ミカは狩る気満々だった。


「わたしもぉみたいですぅ。」


(ミカちゃん正気なのか。まさか剣でここまで変ってしまうとは。しかもユキまで感化されてるし。)


「では『竜』の棲家へご案内致します。」

竜には『消滅剣』は効かないそうだ。だが3人が持つそれぞれの攻撃には効果があると言われ、3人は『竜』の棲家へ案内された。


「棲家へはここから少し歩きます。ご案内致しますので、申し訳ございませんが、私の後を付いて来ていただけますか。」


「あのう、将軍様、そんなに気を使われると話にくいので、もっと普通に話してください」


「申し訳ございません、私が至らぬばかりに、マキ様にお気を使わせてしまいました。どんな処罰も覚悟の上です。どうぞご命令を。」

(ダメだこりゃ。。。)


「いえ、取り消します、引き続きご案内よろしくお願いします。」

マキはもう余計な事は言わないようにした。


山を登りきると大きな海にでた、が、それは海ではなく川らしい。向こう岸が全く見えない。もう海でいいんじゃない?と思うくらいの川だった。


この川にも巨大な魔物や、タコに似た魔物とかがいるらしい。

肝心な竜の魔物は、どこだろうと川を眺めていると突然現れた!


「うわぁぁぁぁ!なんだこりゃあああ!」

マキが叫ぶ、とんでもない大きさだ。これが『水竜』らしい。


ミカは天使の姿になった。大きな白い羽、金色に光り輝きながら空を舞い、『聖剣』エンジェルソード(ミカが名付けた)を取り出し、『水竜』に向かっていった。


そして『聖剣』エンジェルソードは『水竜』をいとも簡単に斬り裂いた。

ミカは『竜の水晶』を手に入れた。


「ミカ様おめでとうございます。お見事でございました。」


将軍が褒め称える。そしてミカは女子高生に姿を変える。


「ミカちゃんすごい!次は私が倒すね。」


「ミカせんぱぃすごかったですぅ。」


倒した余韻に浸っていると、将軍が注意を促す。


「次は『火竜』が現れます。ご準備を。」


川の方を見ていたマキ、だが『火竜』は予想外の場所から現れた。

空からいきなり現れたのだ!しかもマキの頭上で口から炎を吹きながら。


その炎は川をのんきに眺めてるマキへ真っ直ぐ降り注ぐ。


「マキちゃーん!上よ上、早く逃げて!」


ミカが叫んだ!将軍もさすがに焦った表情で見ていた。


危うしマキ!

文字数:3770字

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