表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
てんせい☆  作者: MAKI
4/230

【004話】魔王編4

ミサは魔力では魔王に続く存在になり、その力を使いこの世界の魔族たちを全て従わせた。魔力を戦いに使うのではなく、魔族の生活に活用するように指導し、教育し数千年が経過していった。



*****魔王の部屋*****


「ミサよ、この世界もすっかり平和になり無謀な戦いを挑むものもいなくなったな。我はすごく満足している。」

魔王はミサに礼を言うと少し頭を下げた。


「魔王様!私などに頭をお下げくださらないでください!配下として王の命令に従っただけです!」

ミサは慌てて魔王にそう言い放った。


「いやいや、本当に感謝しておるのだ。たかが数千年でこのような平和な魔界を築きあげるなど、我にはできん。だからミサ今日からお前が魔王となるのだ。」

魔王はそう言ってミサに微笑んだ。


「え?は?へ?な、な、なにをおっしゃいます!魔王様はあなたしかおられません!こればかりはいくら魔王様の命とはいえお受けできませぬ!」

ミサは泣きそうになりながら魔王にうったえた。


「しかしなぁ…もはやこの世界を平和な世界に変えたのはミサなんだし。あっ!そうだこうしよう!ミサお前は今日から【魔王代理】これでどうだ?」


ミサはこれ以上逆らって機嫌を損なうのも恐ろしいので【魔王代理】をとりあえず引き受けることにした。


その後、ミサは【魔王代理】として魔王城を築き上げ、さらには魔王軍を結成(業務内容は警察や自衛隊のような仕事)学校や病院などと、どこかの世界と同じような世界を構築したのだった。


そんな平和な日々がさらに数千年続いたある日。


「平和な日々が続けばいいと思っていたが、ここまで完璧な平和が来るとは…ミサはある意味すごい才能の持ち主なんだな。」


「なにをおっしゃいます!これも魔王様がいらっしゃいますからこそ成し得た事。決して私が優れているからなんてことはございません。私は魔王様の為ならなんでもやります!すぐに裸になれと言われれば今すぐにでもなりますし、魔族を皆殺しにしろと言われれば今すぐ根絶やしにしてきます。でも、魔王になれとの命だけは何があっても聞けませんが…。」


そろそろ【魔王代理】から魔王になってもらおうと言いだそうとしたが、先に念を押されたため言うのをやめた。


(裸になることや、魔族を皆殺しにすることはできるのに魔王にはなれないって…よくわからんヤツだ。)


すっかり平和になってしまったこの世界。もともとめんどくさがりの飽き性な魔王。この生活にだんだんと飽きてきていた。



そして時は流れ数千年が過ぎたある日。



それは突然の出来事であった。魔王の魔力が消滅したのである。すなわち魔王自体がこの世界からいなくった。ということである。ミサは慌てて魔王の部屋に向かい、そして辿り着いた。


「魔王様!魔王様!どこにいらっしゃるのですか?魔王様!」


ミサは叫ぶが返事はない。ふと魔王の机の上に目を配ると一通の手紙が。


【ミサよ 我はこの世界に飽きた。どこか違う世界へと旅立とうと思う。あとはまかせた。新魔王ミサへ】


ミサは手紙を読むと、泣き叫んだ。


「魔王様。ミサは、ミサはこれからどうすれば。」


(私は魔王様の配下。絶対にあきらめません!必ずや私も魔王様が旅立たれた世界についていきます。)


泣きながらそう誓うミサであった。


魔王がいなくなり新魔王として君臨したミサであったが、魔族からは元々ミサが【魔王代理】ではなく魔王だったと思われていたのだった。なぜなら魔王の姿を見た者はミサ以外におらず、この世界を築きあげたのもミサであるからだ。


魔王となったミサは前魔王がどこへ旅立ったのかを調べに調べつくした。


なにか手掛かりとなるものはないだろうか。


前魔王は普段なにをしていたのだろう。


一体どうやって違う世界へと旅立っていったのだろう。


(そもそもこの世界から他の世界へ行くことなんて不可能のはず…。もしや!あそこに何か手掛かりがあるのでは)


ふと、前魔王がミサに作らせた部屋の存在を思い出した。


そう魔王図書館である。そこにはは恐ろしいほどの本が並べられていた。【魔虫図鑑】から【魔界の7不思議】までその種類や数は把握しているだけでも数億冊。尚、この部屋は魔王が暇を潰すためだけにつくらせた部屋である。


ミサはきっとこの部屋に手掛かりがあるに違いないと判断し、【旅行雑誌】から【あなたの知らない世界】まで魔王からの手紙に書いてあった文字だけを頼りに本を探してみた。するとある一冊の本が他の本とは違った色をしているのに気がついた。



その名も【転生大全集】


相当読みまくったのだろう。ページの端があちこち折れてる。かなり汚れも目立つ。



「なんて安易で解り易い。きっとこの本に違いなわ。」



「しかし、こんな本があったなんて…。過去に聞いたことがないわ。まあいいわ、これで魔王様の元へ旅立てるかもしれないわ。」


ミサは喜んだ。しかし喜びもつかの間、その本に記載されている内容を読んで愕然とした。

文字数:2108字

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ