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てんせい☆  作者: MAKI
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【002話】魔王編2

魔王がミサに依頼した事とは、魔族達の中で魔力が特化したもの達を一同に集めよ。魔族の数は問わない。とこう伝えたのだ。


(ミサが場所がどうとか言っていたのは気になるがまあいいか。)



そして、数百年が経過したある日。


「魔王様!大変遅くなり申し訳ございません。ミサただいま戻りました!」

かなり疲れ切った表情で戻ってきたきたミサは魔王にそう伝えた。


「ミサよ、えらく遅かったが、なにかトラブルでもあったのか?顔色もよくないが大丈夫か?」


「魔王様…ミサのご心配をしてくださったのですね。ミサは…ミサはこの喜びどう表現すればいいのかわかりません。」

そう言ってミサは服を脱ぎだした。


「ミサよ…何故服を脱ぐのだ?」


「この喜びを表現しているのです。依頼は完了しましたし…こちらの準備は出来ております。」


(またか…。喜びの表現がズレているな。こちらの準備?なんのことだろう…まあとにかく、これは今後も続くとめんどうだからなんとかしないとな…。)


数百年ぶりの再会にも関わらず、なんの成長もしていないミサに呆れる魔王。


「ミサよ。喜びは脱いで表すものではないぞ!言葉と表情だけで充分だ。だから今後脱がなくてもよい」


「わ、わかりました。申し訳ございません。では失礼します。」

そう言ってがっくり肩を落としながらミサは部屋から出ようとした。


「…。ミサよ!どこへ行くのだ。まだ話は終わってないだろう。何故こんなに遅くなったのかと、依頼した件は結局どうなったのだ?」


「も、も、も、申し訳ございません。遅くなった理由と依頼の件ですが、場所の確保と人数の多さが影響しまして…ですがなんとか一箇所に集める事ができました。」


人数の多さ?一体どれくらい集めてきたのだろうか…。少し不安になってきた。とりあえずミサの案内のもと魔力に特化した魔族達のところへ瞬間移動することにした。



*****魔族達が集められた大地*****



ミサが案内した場所はどこまでも平坦な地のど真ん中に高さ10メートル、広さも10メートル四方ほどあるステージの上だった。


そのステージから見渡す限り数百万はいるであろう魔族で平坦な地が埋め尽くされていた。


(なるほど…これは数百年かかったのも頷けるな。しかし物凄い数なんだが…魔力特化の魔族をただ単に集めただけなのかもしれんな。ミサは軍隊でも作ると勘違いしてしまったのかな。)


「ミサよ、ひとつ訪ねるが、この者たちはどうやって選んだのだ?」


「はい、魔王様のご依頼は『魔力の特化した者を集めよ』。と言う事でした。しかし私の基準で考えますと、最低でも私より同等又はそれ以上の実力がなければこの地へ連れてくることは無意味かと思いまして、私を基準とした魔力の特化した魔族、或いは魔王様の座を狙おうと企む魔族だけを日時を指定し、一同に集めた次第でございます。」


(なんと!ミサと同等もしくはそれ以上の魔族がこんなにもいたとは…いや、それよりもミサ、やればできるじゃないか!ちゃんと我の意を汲み取っていたとは。ここは褒めておくべきか…いや、また脱ぎ出したらめんどうだし軽く褒めておくとしよう。)


「ミサよくやったお前が遅くなった理由がよくわかった。今後もよろしく頼むぞ!」


とりあえずミサを見てみたが脱ぐ様子は見られなかった、それよりも表情がかなり引き攣っていた。それもそのはずミサと同等或いはそれ以上の魔力の特化した魔族達が勢ぞろいしているのだから。


数百万の大軍となった大地はもはや膨大な魔力で埋め尽くされ、魔力の小さな魔族であれば瞬時にして消滅してしまう程であると思われる。


ミサは内心かなり焦っていた。どんなに最強の魔王でもこの数を前にしてどうとかなる問題ではないと…ミサ自身魔王からの命により必死に集めた魔族達だが、少し集めすぎてしまったと。


これだけの魔族達を相手にこれからなにをするのだろうとミサは恐る恐る魔王の方に顔を向けた。


すると魔王は嬉しそうな表情で大地に埋め尽くされた魔族達を眺めていた。


ミサはその表情を見て一旦安心した。魔王様は満足なされている。私のやったことはただしかったのだと。


だが、その安心も魔王の発した言葉で吹き飛んでしまうのである。


魔王は数百万と集められた魔族を前にしてこう叫んだ。


「ここに集いし魔族達よ!我に取って代わらんとするもの以外は早々に立ち去れ!今から魔王の座を賭けての闘いを始める!死にたくない者は今すぐ立ち去れ!」


そう言い放つとしばらく地に埋め尽くされた魔族の様子を伺っていた。


しかし数百万の魔族達は誰一人としてその場を離れなかった。それどころか雄たけびを上げ、凄まじい数の魔力が大地を揺るがすように漲っていた。


●その様子を見てミサは…(もしかして私はとんでもないことをしてしまったのではないか。魔王様は褒めてくださったけど、実は引っ込みがつかずに内心かなり焦っているんではないだろうか…。どうしよう…全て私の責任、もしもの時は瞬間移動で魔王様だけでも安全な場所に送り届けるしか…)


●その様子を見て魔王は…(こいつら…完全に舐めきってやがるな。蟻がいくら集まったところで蟻なんだが…まあいいかこれで一度で片が着くし…しかしミサレベルの魔族達がこんなにいたとは、これではいくら倒したところで闘いを挑む者が減らないはずだ。)


「ミサよ!我の力がどれほどのものかよく見ておけ!」


「は、はい」

この数相手になにをするのだろうと、そう思った矢先、魔王は右手を天にかざし、魔族達に向かって振り下ろした。


「え?????えええええええ?」


一瞬の出来事だった。ミサは驚くのを通り越し、訳がわからなくなっていた。それもそのはず魔王が右手を振り下ろした瞬間、全ての魔族達が消滅してしまったのだ!


残されたのはどこまでも地平線が続く平坦な大地。さきほどまでいた数百万の魔族も凄まじい魔力も雄たけびも全て消え去ってしまっていた。


ミサ自身、魔王の魔力は相当すごいだろうとが想像できる範囲ではあると判断していたのだが、それが今、目の前で起こった出来事を見て自分の想像では計り知れないと改めて思い知らされた。


「よし!これで我に闘いを挑んでくる魔族はいなくなった。それに我の次に強い魔力を持つ魔族はミサお前しかいない。だからこの世界はミサ、お前が統治しろ!これは命令だ!」


「え?」

文字数:2554字


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