表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
てんせい☆  作者: MAKI
155/230

【155話】地底都市

ユキが作成したと思われる氷の階段を駆け下りる三人。洞窟の壁沿いに氷を突き刺したような階段が延々と続いていた。


どれだけ下ろうがまだ地面らしきものは見えない。


(どんだけ階段作ってるんだユキの奴、しかも溶けない氷でつくってやがるし、ほんとすごいわ。)


と感心していたマキだったが、いくらユキでもさすがにこの階段を作る為に能力を使ったとは考えにくく一度立ち止まる。


「どうしましたマキさん。」


ミリアもカオスも立ち止まり、マキに視線を向ける。


マキは壁に突き刺さった氷を一本引き抜いた。そしていろいろ触ったり見つめたりしている。


「カオスさん、ミリアさん、これって氷じゃないよ。水晶だよ。」


ユキが作った氷の階段だと思っていたのだが、どうやらマキの目で鑑定した結果特殊な硬度を持つ水晶であることが判明した。


「ではこの階段は誰かが意図的に作ったと。」


「だね、だとすればさっきの洞窟は、ここへ来る為の通路に過ぎなかったのかもね。」


「マキ様、ここは一度城へ戻られたほうがよいのでは。」


「うーん、そうだね。でもカオスさんとミリアさんが一緒なら、なんとかなるでしょ。」


マキだけも恐ろしい能力をもっているのだが、さらに魔界では2番目に強い魔力を持つカオス、さらにカオス、ディオに続いての魔力の持ち主であるミリアがいるのだ、この三人にかなう者などそうそういるわけでもない。


「わかりました。では急ぎましょう。」


なんとかなると言われそのまま突き進む三人。ようやく薄っすらと地面が見えてきた。来た階段を振り返るととんでもない高さから下りてきたことが解る。


ようやく一番下の階段まで降り立ち地面に足が着く。


「何十キロもあったような気がするね。」


「そうですな。しかしここは一体。。」


風景は相変わらず水晶から出る光で青一色の地下空間。気配は全くない。


「ここも砂漠と同じように魔力を吸い取ってしまってるかもね、なんの気配も感じないよ。」


「とりあえず先に進みましょうかマキさん。」


青一色なのだが視界はあまりよくない。先の方はよく見えない為、先に進む三人。


ところどころに岩が見える。しかし形がおかしい。


「岩が結構な数あるよね。」


「ふむ、だがあの岩の形はなにかに似ているような。」


見覚えのありそうな岩に近づくカオス、視界が悪い為、すぐ傍まで行かなければ確かめられないのである。


「こ、これは!マキさん、マキさん大変ですぞ!」


なんだろうとマキとミリアが、カオスが叫ぶ岩の傍まで駆け寄る。


「これはどういうことでしょうか、魔物が岩に。」


その岩は、先ほど洞窟内でカオスが倒していた魔物そのものだった。かなり強力な魔物だった為、その形を覚えていたのだ。


よく見れば同じような岩があちこちにあった。


「魔物を石化させたんだろうか、それとも勝手に石化しちゃったのだろうか。」


上級悪魔並みの力を持つ魔物が石化されている為、三人は警戒を強めながら先に進む。


しばらくすると薄っすらと建物が見えてきた。辺りには相変わらず岩があちこちに見え隠れする。


「マキさん。どうやらなにか建物のような物が。」


「カオスさん、ミリアさん気をつけてね。」


建物に近づくと、そこには3メートルくらいの塀が建物を取り囲むように延々と続いていた。かなり大きな要塞のような建物だった。


「すごい塀だね。なんか凸凹しているね。」


塀にはあちこちボコボコとなにかが飛び出して見える。とりあえずなんだろうと三人は塀に近づいた。


「こ、これは…。」


「なんてむごいことを。」


思わず目を逸らしたくなるような光景が延々と続く塀全てに晒されていた。


塀には石化した魔族の顔だけが飛び出し、体は塀と一体化しっていた。どうやら石化した魔族をそのまま塀を作る為の材料にしたらしい。


「これはただごとではないですぞマキさん。」


「ですね、マジでヤバイかも。早くユキ達を探さないと。」


マキは相当焦っていた、魔界では敵になる者は皆無だが、ここは魔族ですら知らない未知の領域、マキ自身もまだ見ぬ敵に不安をほんの少しだけ感じていた。


塀沿いを歩き、中に入れる場所がないかと探す三人。


しかしどれだけ歩いてもそんな場所はなかった為、塀を乗り越えることにした。


三人は塀を楽々乗り越え中へ入る。


そこには地底都市といっても過言ではないくらい都市が構築されていた。


「こんな地底に都市があるなんて。」


自分の領土内にもかかわらず知らなかったミリアは驚く。


「しっ!誰か来るよ。隠れて!」


気配は全くしないのだが、歩く音が聞こえた為、大きな岩に隠れる三人。

岩陰からそっと覗くと、この都市の住人だろうと思われる種族が歩いていた。


水晶で作られたと思われる短剣をぶらさげ、見た目は魔族そのもので、ただ一点違うのは髪の色だけだった。地上にいる魔族は赤い髪であるが、この地底にいる魔族は青い髪なのだ。


岩陰から見ていた三人だが、マキがなにかに見られているような気がして、ふと岩に視線を向ける。その岩は熊のような魔物であり、ちょうど視線の先に目があった為マキは叫んでしまった。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


その声に驚いたミリアとカオスは、すぐに身構える。声を聞きつけた青い髪の魔族もすぐさま飛んできた。


「だれだ!そこにいるのは何者だ!」


剣を手に取りこちらへ近づいてくる青い髪の魔族。


「まってください!怪しいものではありません。話を聞いてください。」


マキは自分が犯したミスをなんとかしようと身構えるカオスとミリアの前に立ち、青い髪の魔族に話しかけた。


「いや、どうみても怪しいだろ。で、話とはなんだ?」


どうやら話を聞いてくれるようだ。少し安心したマキは正直に話し出す。


「実は、私の友達がこの地底に迷い込んでしまったので探しにきたのです。」


「なるほどな、先ほどの奴らか。」


「な、なにかご存知なのですか?」


「ああ、さっき帝王と会っていたようだからな。」


(帝王?やはり地底の王だから帝王なんだろうか。)わけのわからない連想をするマキ。


「そ、そうなんですか。あの。あわせていただくことはできますか?」


上目遣いでかわいらしく訴えるマキ。後ろで見ていたカオスは吹き出しそうになっていた。


「会わせるも何も、今から連れて行ってやる。」


思わぬ展開だったが、ここはおとなしくしといたほうがいいと判断したマキは青い髪の魔族に黙って着いていった。


全てが青一色で彩られた建物や地面は、異様な雰囲気だった。魔族の数もかなりいるようだ。どの魔族も髪が青い以外は地上の魔族と全く同じだった。だが、カオスやミリアに対する視線は殺気とも感じ取れるような視線だった。


マキは自らの聴覚を研ぎ澄ませ、青い髪の魔族がこそこそ話す声を聞き取る。


『赤い魔族め、石にされてしまえばいい。』

『あいつらまた攻めにきたのか。懲りない奴らだ。』

『帝王に勝てるわけでもないのにな。』

『あの小さな女の子何者なんだ。すごい色だなあの頭。』


(どうやら歓迎はされていないみたいだな。髪の色のことは無関係だろ。まったく。)


などと色んな声を聞いた結果、他にも地上からきた魔族がいることが判った。


(とりあえず帝王とやらに会ってみないことにはわかんないな。)


青い髪の魔族の先導で、ようやく一際大きな建物の入り口にたどり着いた。

入り口にはかなりの魔族が剣を手に並んでいる。


「帝王に会わせる前に、その地上からきた魔族には消えてもらおうか。」


突然先導していた魔族は立ち止まり、そう告げる。それと同時に並んでいた魔族が一斉にミリアとカオスに襲い掛かってきた。


「赤い魔族よ!滅んでしまえ!」


地上の魔族と違い、魔力での攻撃ではなく剣や槍などの物理的な攻撃であった。

普通の魔族と違い、魔界の総司令官でもある二人にこんな子供だましのような攻撃は通用しない。


軽々と攻撃を交わし、魔力を使い戦闘不能な状態に陥れた。


「むう、こいつもさっきの赤い魔族と同じようだ、提督にまかせたほうがいいかもしれぬ。」


(さっきの魔族だと?まさかディオのことか。)嫌な予感がカオスの頭をよぎる。


まだ戦闘が可能な数名いた中の青い魔族の一人が建物の奥へ誰かを呼びに走っていった。残りの魔族はミリアが魔力で動けなくしたのだ。


「こいつら以前にも地上の魔族と戦っているはずなのに、おかしな攻撃を仕掛けてくるものだ。」


「カオスさん、きっとここにきた魔族は魔力がそれほど大きくなかったんじゃないのかな?」


「かもしれませんね、そうでないとあんな攻撃では地上の魔族は倒せませんからね。」


先ほどの物理的攻撃について話し合う三人、すると建物の中から新たな魔族が現れた。どうやら提督と呼ばれていた魔族らしい。


「提督、先ほど帝王のところへ連れて行った赤い魔族の仲間であると思われます。」


「ふむ、そうか。ではこいつらも帝王のところへ連れて行かねばならぬな。」


「あの。。提督様とおっしゃる方、私たちは争いにきたわけではありません。」


「ほう、ではなぜ我らの仲間である青い魔族が倒れておる。」


「それはいきなり襲い掛かってこられたので、自己防衛のためにやむをえなく。」


「だまれ!そんな言い訳が通用するとでも思っておるのか!」


「マキさん、このようなヤツには話すだけ無駄です。ここは我々におまかせください。」


カオスはマキにそう告げ、自ら提督と対峙する。だが、ミリアも黙ってはいなかった、すぐさま魔力を提督へ向かい放出する。


「お主らの攻撃など、このワシには通用せぬわ!」


提督は剣を取り出し、ミリアの魔力をその剣で吸収してしまった。その剣は青く光り輝き、剣のように見えるがよく見ると青い結晶でできた魔力を吸収するためだけに作られた剣のようだった。


「ミリアさがれ!魔力が通用しないようだ。」


ミリアは慌てて下がり、今度はカオスが攻撃を仕掛けようと魔力を高める。


「カオスさん、さっきの見たでしょ?なのになんでまた魔力で対抗しようとするの?」


「そ、それはあの剣を破壊する強大な魔力をぶつければなんとかなるかと。」


「カオスさん、後でおしおきね。この空間はただでさえ魔力を吸収しちゃうんだよ。いくら魔力を高めても地上の半分にも満たないんだよ。」


マキは冷静に分析していた。カオスやミリアほどの魔力があればこの建物ごと吹き飛ばす事もできるからだ。しかし青い魔族を消滅さえできず先頭不能にすることが精一杯だったからだ。


二人が話している姿を見て、怒りが頂点に達した提督は、剣をふりかざしマキとカオスに向けて振り下ろした。


振り下ろした剣からは青い光線のようなものが発射され、二人に襲い掛かる。


「マキ様!あぶない!」


話をしていたため攻撃に気が付かなかったマキをかばうようにミリアが青い光線を真正面から受けてしまった。



「ミリアさん!」


「ミリア!」



ミリアは光線を受けた直後、石化した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ