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弥次郎兵衛と喜多八

東暦18xx年。



江戸は神田日本橋、


路地の一角長屋のはしで暮らす


弥次郎兵衛やじろべえ


喜多八きたはちに、


「おい喜多さんよ、おい」


「なんだようるせえな」


「お前さんはいつまで、


俺の部屋でそうやっているつもりだい。


こんな毎日、つまらないったらありゃしない。


どうだい、ここでひとつ


お伊勢様へお参りにでもいこうじゃないか」


「いい考えだねえ。


でもだよ、弥次さん。


旅っていうのは、そう楽なものじゃない。


第一、もし途中でお金がなくなったら


どうすんだい」


「そりゃあお前さんよ、


質屋に箪笥のひとつでも売りつければ、


それなりに懐は温かくなるだろうよ」


「ちげえねえ」


大家さんに通行手形をもらい、


質屋に箪笥を売りつけ、


身の回りの少しの荷物を持ち二人は


東海道・伊勢神宮へと旅へでた。





歩き出して一週間、小田原を過ぎたころ。


「なあ弥次さん、


俺ァこう毎日まいにち歩いて、


疲れちまった、暇だよ。


なにか楽しい事でもないかなあ」


「歩きながら暇とは、


いったいどういうことだい。


江戸に居たころのほうが、


よっぽど暇だったくせに。


それならなんだい、川で釣りでもするかい」


「いいね、そうしよう」



二人は竿とキセルを銜え、川の辺にたたずんだ。



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