知識の必要性と裏側の真実の判明
トウヤは、日雇いの仕事を終えて夕暮れ時に長屋へと戻った。粗末な部屋に入ると、ベッドに横たわるエリーが、まだ傷の痛みと疲労で顔色を悪くしながらも、彼を出迎えた。彼女は、王族に追われる身でありながら、丸一日、静かに隠れ続けていたのだ。
トウヤの頭を占めているのは、「このままでは貯金が尽きる」という不安と、「いつ追手が来るか分からない」という恐怖だった。
「このままでは、俺の貯金が尽きるのが先だ」
トウヤは、改めてエリーが語った断罪の経緯を分析した。
「エリー。君を断罪した王太子とフィオナ嬢だが……大公爵家全体が取り潰しになったんだろう? 単なる恋愛のもつれで、そこまでするものなのか? 少し変じゃないか?」
エリーは、トウヤの問いに目を見開き、悔しさを滲ませた。彼女自身、その断罪の厳しさに疑問を抱いていたのだ。
「……トウヤの言う通りですわ。いくら公式の場で断罪されたとはいえ、王太子殿下とフィオナ嬢への嫌がらせ程度で、一国の要である大公爵家が取り潰されるのは、あまりに不自然であり異常でした。わたくし、憎しみに囚われて、そのことに気づけずにいた……」
「ああ。裏に何が潜んでいようと、まずは生き残ることが優先だ。君の命の安全を確保し、この危機から逃れるためには、まず資金が必要だ。」
トウヤはノープランではこの危機から逃れられないと悟った。王族の追跡と貯金が尽きるという二重の危機を回避するには、圧倒的な資金力が必要だった。
「圧倒的な資金!そのために現代知識チートを使うしかない! 冷蔵技術か? 蒸気機関か? ペニシリンか? マヨネーズ?醤油?いや、そんな高度なものを、この世界の技術レベルで俺が再現できるわけがねえだろ!そもそも、その技術で楽に儲けられるなら、今頃俺はこの世界でとっくに金持ちになっていたはずなのに!」
トウヤは、自分の知識の限界と資金の必要性の間で、葛藤に苛まれた。彼は現実的に自身の知識とこの世界の技術レベルで実現可能かつ、最も高値で売れるビジネスアイデアを必死に絞り出すことを決意した。
構想段階での下書きの名前がちらほら見える時があります…(汗)
なるべく修正してますが、抜けがあったらすいません




