陰謀の分析と標的
トウヤとエリーは、カーステンの隠れ家で、今後の行動指針を練り始めた。資金は確保したが、復讐を成功させるには、まず「誰が、何のために」という確固たる証拠が必要だ。
「エリー。君の話を聞く限り、あの断罪は単なる痴情のもつれではない。大公爵家を潰すという目的が不自然だ。第一王子殿下は、君の言う通り、純粋な恋愛感情で騙されている可能性が高い。」
トウヤは、ふと懸念に思い、エリーに尋ねた。
「一つ確認させてくれ。君は、第一王子殿下に、未練はないのか? 政略結婚の相手とはいえ、君の感情が絡むなら、今後の計画は慎重になる必要がある。」
エリーは、その問いに、冷ややかに答えた。
「未練? まさか。わたくしにとって、王太子殿下は政略結婚の相手であり、大公爵家の責務を果たすための存在にすぎませんでした。特別な感情など、初めから持っていません。むしろ、あのような軽薄な男に断罪されたことが、最大の屈辱です。」
(政略結婚通しで大変かと思い、仮でも愛情というものごあるかと思っていましたが、断罪された時にそんのものはお互い無いことがわかりましたわ…)
「分かった。なら、感情的な障壁はないな。」
「わたくしを断罪したのが第一王子殿下とフィオナ嬢であることは間違いありませんが、彼らが大公爵家の領地や軍事力を欲していたとは思えません。裏で糸を引いている者がいるはずです。」
トウヤは証拠の所在に焦点を当てた。
「話を聞くと、黒幕が誰にせよ、決定的な証拠は、実行犯の誰かが握っている可能性がある。フィオナ嬢は、王子殿下の寵愛を信じ切っている。彼女自身が陰謀の核心にいる可能性は低いが、証拠の所在を知っているかもしれない。彼女を最初のターゲットに定めることにする。」




