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巨額の資金と安全の確保
トウヤが商人のギルドを通じ軍部へ送った書簡は、王国の軍部を大きく揺るがした。水も使わず食べることができ、腐敗を防ぐ長期保存食の技術は、戦費を大幅に削減し、遠征能力を飛躍的に向上させる軍事的な至宝だったからだ。
数日後、トウヤの匿名口座には、日雇いで数年働いても稼げないほどの巨額の資金が振り込まれた。軍部は、破格の対価を支払ったのだ。
「やったぞ! ノープランの生活から、一気に資金を手に入れた! これで、貯金が尽きる不安はないぞ!」
資金を得たトウヤは、王都に留まることの危険性を再認識した。王都は情報が集中する場所であり、匿名の資金があっても、大公爵令嬢の追跡から逃れるのは困難だった。
「王都に長くいるのは危険すぎる。今すぐ脱出する。以前日雇いの仕事で荷運びをして行った遠方の商業都市がある。王族の目が届きにくい、そこへ逃げるぞ。」
彼は、安全を確保するため、大きな隊商に紛れ込むことを決意した。




