決起の炎 ―裏組織“反王連盟”との接触―
王に逆らった者の末路は、消えること。
表舞台から、記録から、人々の記憶からすらも。
だからこそ――
**「反王連盟」**は存在してはならない。
だが、それでも。
“抵抗”は確かにここにあった。
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> 美優がいなくなった日から、俺は動いた。
授業を終えては裏通りに潜り、
食堂の厨房で働く老人、体育倉庫の鍵係、夜間巡回の警備員……
どんな端役でも、「言葉にならない目配せ」で情報を持っている。
その末に、たどり着いたのは――
図書館の地下。封印された旧校舎の地下3階。
鍵は、ない。
鎖も、魔術も、ない。
だがそこにある扉は、“恐怖”で封じられていた。
一歩でも近づけば、本能が警鐘を鳴らす。
(ここにいる……王に逆らった者たちが)
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> ノックは3回。
リズムは短・短・長。
すると、黒い煙が扉から吹き出し、
中から現れたのは――
1人の少女だった。
赤い髪。
笑っているのに、目が笑っていない。
「やぁ、はじめまして。“元”ランク1の豚野郎くん」
「お前、誰だ」
「名乗るほどの人間じゃないけど……まあ、“アッシュ”とでも呼んで」
「歓迎するわ。
あなたみたいな狂った希望を、私たちは待ってたの」
扉の奥――
現れたのは、反王連盟を名乗る者たち。
10人ほどの集団。
見た目は様々。
でも共通しているのは、
**“ランクシステムに背を向けた者たち”**ということ。
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> 「目的はただ一つ。
“王を倒し、この歪んだ世界をひっくり返すこと”」
「そんなもんができるのかよ」
「できるよ。
でも……その代わり、君には“証明”してもらう必要がある」
「証明?」
アッシュは微笑み、手を叩いた。
すると、奥の扉が開き、
中から現れたのは――
囚われの“元ランク5”、嶺岸カルマ。
精神を病みかけたような目。
だが、異能の気配は尋常じゃない。
「こいつと戦って。
君が“本物”かどうか、私たちに見せて」
「勝てば、君は反王連盟の一員。
負ければ、ここで死ぬ」
俺は、躊躇わず前に出た。
「上等だ。どの世界でも、“上に行く奴”は血を流すもんだろ」