生徒会からの“警告” ―王の影が動き出す―
ランク4に昇格したその翌日。
俺は、学校中の視線を浴びる存在になっていた。
「あいつが黒牙……ランク1からの成り上がり」
「見た? 昨日の決闘。十条を倒したらしいよ」
そんな声が、廊下のあちこちで囁かれる。
だが、それは同時に――
“監視対象”となることを意味していた。
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> 放課後。生徒会室に呼び出された。
「よく来たわね、黒牙くん」
星乃萌音が出迎えたが、
その微笑には、いつもの柔らかさがなかった。
彼女の隣には、
“ランク2”霧島蓮、
そして生徒会書記・**九条エリカ(ランク6)**の姿。
「この場は、生徒会からの“正式な通告”よ」
星乃が告げる。
「あなたの行動は、いくつかの“規律”に抵触しかねない」
「霧島蓮への敵意、神楽美優との私的接触、
そして――“契約の拒否”」
「そのすべてが、王の逆鱗に触れる可能性があるわ」
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> 俺は静かに立ち上がった。
「王? 見たこともねえし、名前すら知らねぇ」
九条エリカが言う。
「王の名は伏せられている。
その姿を知るのは、ランク10と、生徒会長だけ」
「でも、気をつけなさい。
王は、“全てを見ている”」
星乃が視線を落とす。
「黒牙くん。あなたは、“本当に自由”になりたいの?」
「ああ」
「だったら――もっと覚悟を決めなさい」
その声には、どこか痛みがあった。
星乃萌音。
彼女もまた、“何か”に縛られている。
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> その夜。
寮の部屋に戻った俺は、一通の封筒を見つけた。
差出人不明。
中には、一枚のメモだけが入っていた。
『お前を見ている。次の試練は“血の階段”だ』
『その先に、“王”が待っている』
(……やっぱり、来るか)
そう思った瞬間、俺は口元に笑みを浮かべていた。
ここからが、本当の地獄だ――