都市を広げる
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491万4218匹。これが今回倒したゴブリンの総数だ。約500万。凡その感覚は合っていたのか。それだけの魔石を手に入れたという事でもある。魔石は資源だからな。
後は、皮紙にしかならない。ゴブリンは、資源としては、美味しくないんだよなあ。魔石としては、十分な数を確保できたし、皮紙も使い道があるから、何とでもなるんだけどさ。
肉は、食えないからなあ。不味い肉なんて食べたいとも思わない。肥料にしかならないな。それでも限度というものがあるんだけどな。しょうがないから、魔境に捨てていくしかないんだよ。
食糧として、魔物が食べるからな。ゴブリンが食べるだろう。共食いをするのは、魔物の特徴だ。人間は、共食いをしないとは思うが、どうなんだろう。国が違えば、解らんからな。
そこまで、飢える事態にはなっていないから、今の所は、問題なしだ。食べ物の生産量は増えているからな。主に肉類が。野菜類は増えてないけど、肉類は増えている。
何処の魔境でも、狩りを十全にしているからな。冒険者が冒険者しだしてからは、相当量の肉が取れているはずなんだよ。他家にも輸出している位には、肉類が豊富だ。
しかし、なんだな。何でマクファウスト侯爵領の周囲は、違う派閥の貴族家ばかりなんだろう。普通は、隣接しているものなんじゃないのか？ 遠慮なく冒険者を移住させられるから、良い様なものの。同派閥なら、怒られるどころじゃ済まない可能性がある。
まあ、相当恨まれているみたいだけどな。冒険者が減るのは、よろしくない。色々とよろしくない。狩りをしないと、平時でも溢れるかもしれないんだから、困りものだよな。
共食いをするから、溢れるまでにはならないとは思うが、過去の例もある。次は負けない様にしておかないといけない。強い冒険者を沢山作っておかないといけないんだよ。
弱い冒険者がどれだけいても、あんまりね？ ある程度の強さが無ければ、強い魔物に、対抗できない。ゴブリン程度なら問題ないかもしれないけどさ。
流石に、グランドドラゴンが出てくることは無いとは思うけども。あれが出てきたら、アルローゼンでも、持たないかもしれないしな。余程じゃない限り出てこないとは思うけど。
「やはり、大規模に溢れたのは、ここだけでは無いそうです。他のマクファウスト侯爵領の氾濫も同じように、普段の数倍の魔物が出てきたそうです。何とかなったそうですけども」
「他の貴族家では、そんな事は起こっていないんだよね？ 今回が特別って考えるんじゃなくて、マクファウスト侯爵領が特別だと思った方が良いんだよね？」
「ええ、他の貴族家では、例年通りの氾濫だったようですわ。おかしいのは、マクファウスト侯爵領のみ。これは、狩り過ぎが原因というのも、あながち間違いでは無いのかもしれませんわね」
「とはいってもだよ？ 狩り過ぎるなって言えないからさ。狩った方が良いのは確かなんだし、狩るよね？ 後は、どれだけの規模なら防げるのかって所かな。軍も拡大する？」
「……した方が良いのかもしれませんね。少なくとも、倍は必要でしょう。この都市が氾濫を起こしたとなると、相当量の魔物が出てくるでしょうから。鎮圧部隊とは別に治安維持で欲しいですわ」
「そうなると、強さだけじゃないって事なのかな。強さは最低限必要な気がするけど、職業が戦闘向けじゃない人たちも兵士に迎える？ それはやらない方が良い？」
「出来るのであれば、戦闘職で集めたいですわね。治安維持にも武力は必要ですから。大々的に募集をしましょう。冒険者から引き抜いて来れば良いですわね」
「そうなるよね。うーん。強い冒険者は、なるべく残しておきたいから、初級当たりで募集する方が良いのかな？ 稼げている冒険者だけじゃ無いだろうし、乗っかってくる人もいるでしょ」
「ですわね。500人の募兵をしましょう。それと、ハインリッヒ。ポーションの増産も始めますわ。畑を広げます。具体的には、この辺一帯を畑にしますわ」
「ん？ 外壁の外側？ そっちに畑を作るのであれば、壁の増築もしないといけないよ？ 確か、この辺りって、人が住んでいなかったんじゃないかな？ そこを平らにするのは？」
「この辺りは、今は冒険者が使っていますわね。6割ほど使われています。ですから、容量的には、都市を広げる方が良いと判断しました。2年計画ですわね」
「……これだけ広げるのに、2年で済むんだ。まあ、大工とか建築家が優秀だからなあ。木材と石材はどうするの？ 資材の問題は絶対に出てくるよね？」
「それは、本家から支援を受けて行います。石切り場も稼働させ続けていましたもの。ある程度の石材は貯まっています。それに、元々の外壁もありますからね。何とかなるとは思いますわ」
「資材の問題が無いのであれば、それでいいかな。後は、人口の増加に対応しないといけないって所かな。増え続けているんだよね？ 住民も冒険者も」
「ええ、増え続けていますわね。引退する冒険者には、バズビーテイラー辺境伯家に移住してもらっていますが、それでも、増え続けていますわ。都市の改築は必須でしょうね」
「そうなってくると、本格的に、周りの貴族から敵対されそうな気がするけど、大丈夫？ ここは、境界じゃないから、影響を受けないけど、境界側の町とかは、影響を受けるでしょ？」
「既に敵対行為として、牽制が来ています。今さらですわね。冒険者の移動は妨げないものとする。それが国法ですもの。冒険者を縛り付けておくことは出来ませんわね」
うーむ。町を広げるのか。仕方がないかなあ。今後も流入してくるんだろうし。農村の人口も増え続けているみたいだしね。そこまで産まなくてもいいのに。
確職の所為で色々とあるんだなあ。冒険者も強くはなっているんだけどね？ 対策が無いと、魔物には勝てないからな。その辺は、こっちでフォローするしかないか。
