横やりが、別に良いらしいです
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ポーションを納品し続ける事、4回目。事件は起こった。いや、事件でも何でもないんだけどさ。とりあえず、大の大人に囲まれてしまった訳だ。5歳の子供相手にやる事じゃ無いだろうと思うな。
「なあ、使いっパシリはポーションの納品に来ているんだろう? 俺なら、1本銅板2枚で買ってやるぜ? どうだ? 使い主には言わなくても良いからよ。どうだ、俺に100本売らないか?」
「俺にも100本くれよ、使いっパシリ。銅板2枚で買ってやるからさ。良い取引だろう?」
冒険者ギルドの買取所の前で、堂々と納品の横取りである。これは、良いのか? その辺りについては、よく解っていないんだけど、ポーションなら錬金術師の店で買えよと言いたくなる。
ああ、そうだった。錬金術師の店自体が少ないのか。それは失敬した。失念していた。ただ、この横やりが合法なのかどうかが問題なんだが。
「買取所に持っていくものを、横取りしてしまっても、良いんですか?」
「良いんだよ。ここで待っているって事はそう言う事なんだからよ。買取所の方も良いって事になっているからな。心配するな。悪い事をしている訳じゃないんだよ」
「そうそう。俺らは安く買えて嬉しい。そっちは高く売れて嬉しい。どっちも嬉しいって寸法だからな。買取所も認めていることだから、問題ねえ」
念のため、買取所の方を覗いてみたが、ニコニコしているだけだ。あ、良いんだ。問題なんじゃないかなあって思っていたんだけど、良いんだ。てことは、ポーションの値段ってもうちょっと高いんだ。
「良いのであれば、売ります。俺も金が欲しいし。何本売れば良いんだ?」
「俺には100本だ。C品質なんだろ? 店売りしても良いのに、納品するって奇特な奴もいるもんだよな。俺らにとっては有難いが」
「俺にも100本くれ。G品質のポーションでも店売りは出来るのにな。買取所はE品質の物までしか、買ってくれないだろ? しかも同じ値段でしか買ってくれないしな」
「俺も100本だ。錬金術師の作るポーションは争奪戦なんだよ。品質が良い奴ほど、上位の冒険者と契約しているからって、市場には出てこないんだ。ありがてえ」
ちょっと聞き捨てならないことを聞いたんだが。G品質で売れる? そんなバカな。どれだけポーションが足りていないんだよ。G品質とか、切り傷を完全に治すことも出来ないじゃないか。錬金術を舐めてるんじゃないか? 確職してんだろ?
確職して、錬金術師になれたんだったら、G品質とか、最低品質の物を作るなと言いたいし、売るなよと言いたい。マジで、昔と違い過ぎて、色々とおかしいよな。
錬金術の基本、ポーションの品質すら守れないとか、錬金術師を止めてしまえと言いたくなるな。確職して、どうやってポーションを作っているのかは知らないが、基本的には何も変わらないんじゃないのか? 知らんけど。
まあいいけど。俺はそんなことをするつもりはない。最低でもE品質、今だとC品質になるのか。それ以下は売るつもりは無いからな。それ以外はゴミ箱行きだ。
錬金術師の質の低下が激し過ぎる。今のポーションのG品質とか、スタミナしか回復しないんじゃないか? その位の価値しか無いんじゃなかろうか。そんなのはポーションとは呼べんな。
傷が治ってこそのポーションだ。一体、今の世の中はどうなっているんだろうか。色々と常識が疑われる様な事を聞いていて、正気かって言いたくなるからな。
とりあえず、ポーションは600本売れた。倍の値段でな。後は買取所で買い取って貰うだけだ。これで本当に良かったのかねえ。違法じゃないって言うんだから、別に構わんのだけど。
「買取お願いします。400本です。でも、良いんですか? 横やりを入れられた形になるんですけど」
「ああ、あれ? 良いのよ。ポーションを高く売りたいならね。お使いのお小遣いも増えるでしょう? 推奨しているわけでは無いけど、黙認はしているのよ」
「ポーションってそこまで高い物なんですか? ここでは銅板1枚で納品してますけど」
「うーん。C品質ならお店で売れば、銅板5枚くらいで売れるんじゃないかしら? 買取はE品質での買取価格になるから、どれだけ良いポーションでも値段は変わらないけど」
「でも、それって、店を出した方が得なんじゃないですか? わざわざ納品するよりも店を出した方が儲かるんですよね?」
「それがそうとも限らなくてね。ほら、店をやるには、人を雇わないといけないじゃない。それにお店って税金がかかるのよね。店舗も構えないといけないし。単純にやれることに対して、お金がかかり過ぎるのよね。だから、店を持ちたがらない錬金術師も居る訳なのよ」
ああ、都市に払う税金が嫌なんだな。幾ら取っているんだろうな。それ如何に因っては、店を構えるかどうかを考えないといけないのか。店舗も必要となると、下手をしなくても借金生活だな。
土地代に建物の建築費用に設備投資。金はかかるわな。ポーションだけでは食っていけないだろう。借金で首が回らなくなってしまう可能性もある。そこに税金が圧し掛かると。
「でも、貴方の所の錬金術師なら、店を持っても大丈夫ね。腕は良さそうだし、品質も高いしね。それに量産が出来ているというのが大きいわね。普通はこんなに作れないのよ?」
「そうなんですか? ポーションって、1日にどれくらい作れれば一人前なんですか?」
「100本って所かしら? それ以上作るとなると、レベルが高くないと駄目だと思うし、貴方の所の錬金術師はレベルが高いんだと思うわよ。店は持たないんでしょうけど」
嘘……だろ……。錬金術師は量産が命。至上命題と言っても過言ではない。それが、1日に100本しか作れないだと。そんなはずはない。使う機器が間違っているんじゃないか?
錬金術と言えば、量産。生産しないとやっていけないだろう。マジかよ。確職しても、その程度なのか。これは認識を1段階下に引き下げた方が良いのかもしれないな。