ラウレーリン=マクファウスト6
OFUSE始めました。
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まあ、なんだ。ポーションを作るのが貴族の仕事って事で納得しておけばいいのかね? なんとなく納得が行かない所ではあるんだけど。錬金術師の仕事でしょうよ。
貴族に求めている事は、そんな事では無い筈なんだけどなあ。ただポーションを作るだけでいいのか。税金暮らしをしたいわけではないし、今後もポーションは作っていくんだけどさ。
「ポーションを作るのが俺の貴族としての仕事だって事は、なんとなくだけど、解ったよ。素材の作り方から何からまでを包括して、やっていくのが仕事なんだろ?」
「そうですわね。その認識で間違いは無いでしょう。成果のある研究と思っていただければ、結構です。貴族にする価値のある事をやっていただいていたと思ってもらえれば」
「半分以上は、他の貴族の怠慢を掬い上げた形になるんだろうけどな。それで? 他に何をすればいいんだ? 代官屋敷の方に引っ越さないと不味いのか?」
「いえ、ハインリッヒにはこれまで通り、ポーションの作成と素材の育成、その研究に注力していただければ、結構です。その他の些事につきましては私がやりますので」
「ん? 生活の場所と言うか、活動場所を移さなくてもいいのか? 貴族って何と言うか、そういうものだと思っていたんだが、違うのか?」
「違わないんですが、どう言いましょうか。貴族によって、役割が違う訳なんですよ。例えば、冒険爵なんかが解りやすいと思いますが、冒険爵の方々はお屋敷を持たなければいけないなどの縛りは、特に無いわけです。これは、冒険爵の皆さまの働く場所が魔境だからですわ」
「そりゃあ、そうだろうな。冒険爵から、冒険を取り上げたら、意味がないというか、もっと奥地に行って貰わなきゃいけないんだから、当然のことだよな?」
「そうです。それは、ハインリッヒにも当てはまります。貴方は今後、子爵として活動をしてもらう事になるんですが、メインの仕事はポーションを作る事です」
「は? 子爵になるのか? 騎士爵じゃないのか? ちょっとその辺は認識が違っているんだが、いきなり子爵なのか? ただポーションを作っているだけなのに?」
「ええ、子爵ですわ。と言うのも、私が子爵までしか降りられないのです。侯爵家として外に出すのには、子爵からと言うのが決められております。国が決めた事ですもの。変えられませんわ」
「マジか。子爵って、結構な立場じゃなかったのか? 大体真ん中位の立ち位置じゃなかったっけ? マジで子爵になるのか? ポーションを作っていただけでか?」
「それだけ、錬金術師以外の方がポーションを作ると言う事に重きを置いていると思っていただいて結構です。期待はされておりますのよ? 断られたら引き抜きに合うくらいには」
「たかがポーション。されどポーションって訳か。話が大きくなりすぎだろう。子爵かあ。貴族としての活動は、本当にポーションを作るだけでいいのか? 他には何もしなくていいのか?」
「確職を済ませた場合は、解りませんが、今の所は、婚約者という立場でありますから、それだけで十分ですわね。これ以上に何か成果を上げられると、夜会などには出ていただく必要が出てきますが、今の所は、特に問題は無いと思いますわ」
「あ、夜会には出ないといけない可能性があるんだ。それは勘弁願いたいな」
「10年後には、夜会に出席してもらう事にはなると思いますわよ? 侯爵家がそれだけ発展していく訳ですもの。将来的には、表舞台に出てきてもらう必要がありますわね」
「マジかあ。それはそれで面倒だな。てことは、何か? 確職したあたりで、教育係か何かがついて、マナーから何から叩き込まれる訳か? そうしないと夜会にも出られないよな?」
「そうですわね。立ち振る舞いからお勉強していただく事になりますね。それも、まだまだ先の話。確職をしてからの話になりますわ。それまでは、ポーション作りで実績を作って貰う事になります」
「もう実績は要らないんじゃないのか? 十分にポーションを作れているんだし、これ以上は要らないんじゃないか? 詳しいことは解らないが」
「そうですわね。これ以上の実績を残す必要は無いでしょうね。しかしながら、研究をしていると言う事は、実を結ぶ事もある可能性があると言う事なのです」
「いや、まあ、それはそうなんだけど、その実績で今後の貴族社会を生き抜いて行くのか? 辛すぎると思うんだけど。冒険爵ってそんな事は無かったよな?」
「冒険爵は、そう言ったことにはなり辛いですわね。なり辛いだけで無いわけではありませんが。そもそも、冒険爵に礼儀作法を求める方が間違っております」
「俺も、そっち側の枠が良かったな。礼儀作法は、正直な所、全くわからん。門外漢も良い所だ。教育係を連れてきてもらっても、身につくかどうかは解らないからな?」
「その辺りは、そうなった時にでも、話を詰めましょうか。とにかく、今回の目合わせは、ポーションを沢山作って欲しいと言う事な訳ですの。それはご理解いただけましたか?」
「嫌という程解ったつもりだ。その実績で貴族界に出ていかなければならないって事も、理解した。子爵って言う、一応偉い人になる事も、まあ、なんとなくは、解った」
「結構ですわ。それでは、定期的にやってまいりますので、その時にでも、質問等があれば、受け付けますので。一応建前としては、婚約者ですもの。そう言った機会は作らないといけませんわ」
マジかあ。貴族ってだけでも面倒なのに、子爵から始めるとか、どうなのよ。騎士爵あたりから、順に始めて行くのが普通なんじゃないのか? 侯爵家って子爵までしか降りれねえの?
その辺りの常識って、全くわかっていないんだよな。しかも、今後に家庭教師まで付くんだろう? 作法を学ばないといけないんだろう? 面倒くせえ。実に面倒くさい。