ラウレーリン=マクファウスト1
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そんな訳で、貴族について、考えていたんだ。何がどうなるって訳でも無いんだけど、考えていたんだよ。俺が貴族の仲間入りになる? 何の冗談なんだって話ではあるんだが。
だが、目の前にやってきたお嬢様は本気らしい。政略結婚? 上等! って感じのお嬢様だ。貴族の考えることは解らん。実に解らん。政略結婚をする意味が解らない。
「初めましてですわね。お祭りでも紹介されましたが、改めて、ラウレーリン=マクファウストと申しますわ。貴方の婚約者になります」
「紹介くださりありがとうございます。俺はハインリッヒと申します。以後お見知りおきを。よろしくお願いいたします」
「敬語は結構ですわ。話し慣れていないのですから、普通に話してもらって結構です。その方が色々と話しやすいでしょう? 沢山の秘密を抱え込んでいるようですし」
「そうか? なら、そうさせてもらう。とはいっても、婚約者ってのは、断れないんだよな? 断ったが最後、打ち首にされて市中引き回しを行うって感じなのか?」
「そんな事はしませんわよ? 婚約を断られたら、次々に縁談がやってきて、既成事実を作られて、お飾りの貴族にさせられるだけですわ。遅かれ早かれ、貴族になるのは確定しています」
「うえぇ、マジかあ。面倒くせえ。それに既成事実って何って話なんだけど、襲われるのか? こんな一平民を襲って何になるんだって話ではあるんだが」
「あら? 認識が違いますわね。貴方はお金の生る木ですのよ? どこかしらに攫われて、知識を吸いだされるのがお望みであれば、婚約を破棄してもらっても構いませんのよ?」
「それはそれで嫌だから、婚約の話は受けるんだけどさ。受けるしか選択肢が無いんだよな。もうちょっと選択肢があっていい様に思うんだけど?」
「考え方の違いですわね。囲って追い込むのが貴族のやり方でしてよ? 私はそこまで縛り付ける事はしませんが、やる貴族はやりますわよ? 賢明な判断をお願いいたしますわ」
「仕方が無いのかあ。まあ、やることはやって来たしな。正直な所、赤の実の栽培でも、かなりのやらかし案件なんだって事は、薄々は解っていたことだからな」
「そうですわね。ここの畑の事は、正直な所、やり過ぎですわね。ここまであからさまにやってしまいましたもの。それはそれは噂の広まるのも早かったことですわ。マクファウスト領であったことを幸運に思ってくださいませ。マクファウスト家は有情でしてよ?」
そうなんだよな。婚約で済んでいるんだから、有情だよな。拉致監禁騒ぎを起こしても、おかしくは無いんだから。俺の知っている貴族であれば、やりかねん。
そもそも、まだ確職もしていない子供を引っ張ってきて、どうするんだって話ではあるんだが、これだけやらかしているんだから、もう仕方がないよな。諦めるしかない。
今後はどうなるんだろうな。とりあえず、確職まで後3年もある訳なんだが。いや、正確には2年と少しなんだけど、まあそれは誤差の範囲内としてだな。
とにかく、婚約で済んだんだから、良しとしろよ? って事なんだろう。それ以上にはしないと言う宣言でもある。これ以上は御免だからな。貴族って本当に怖い。
「これでも緩い仕打ちだってのは、解っているつもりだ。これ以上があるんだって思うだけでも、かなりの酷さだとは思うんだけどな。それで? 俺は何をすれば良いんだ?」
「別に何もしなくても結構ですわよ? これまで通りに錬金術店をやって貰えればこちらとしても、有難い事ですわ。今の魔境の状況をご存じ?」
「いや、知らないな。魔境がどうにかなっているのか? もしかして、また魔物の氾濫が起こるのか? あの昔に起こったって言うあれが、また起ころうとしているのか?」
「そう言う兆候はありませんわね。という事は、余り知らないのですね。今の魔境は、冒険者が増えすぎて、ポーションが足りないと言う状況に追い込まれています」
「そうだろうな。錬金術師がサボっているからな。錬金術師が頑張れば、何とでもなる話だろう? それを考えると、魔境がどうこうってよりも、錬金術師の問題だよな」
「ええ、まあ、錬金術師もサボっているわけでは無いのですが、ここまでの事をやられると、サボっていると思われても仕方がないのですが、この町のポーションの生産量は異常なのです」
「異常って言うか、効率を求めていくと、こうなるというか。というかだな。錬金術ってのは、確職をしていなくても出来るものなんだよ。それを職業に頼っている時点でお話にならないんだ」
「そう。錬金術師と言う職業に頼ったポーションの作成をしているのが、今の魔境の現状ですわ。だからポーションの数が圧倒的に足りないんですの。ただのポーションでです」
「職業に頼っていたら、そうだろうな。だが、魔力ポーションもあるし、スタミナポーションもあるだろう? 確職している奴らでも、それがあれば、何とでもなるだろう?」
「そうですわね。作業を繰り返し続けていけば、無限に近いポーションが出来上がるでしょうね。豊富な素材があればという話になりますが」
「あー、そうか。素材も自然由来の物に、採取に頼っている状況だったな。でも、それだけじゃないだろう? ポーションが出来れば、採取に行く冒険者も増える。サボっていたのは事実だ」
「それでも、限界がありますわ。魔力ポーションやスタミナポーションを駆使して、錬金術師もある程度は頑張っていたとは思います。ハインリッヒから見れば、サボっているようにも見えたのかもしれませんが、それは、ハインリッヒが異常なだけの話なのですわ」
何か知らないけど、異常認定されてしまった。サボっていると思うんだけどなあ。ポーションの数が増えないんだから、当然の話だろう? ポーションを作るのが錬金術師の仕事なんだから。
サボってないとは言わせない。断じて言わせない。サボっているんだ。遊びの時間があるんだよ。俺みたいに錬金術漬けになっていないんだ。仕事なんだから、当然だろう?