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行政長官が畑の視察をしたぞ

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「錬金術師は何処にいる! この工房は5階まであったはずだ! 隅々まで探せ!」


「いえ、長官、流石にここまで来たら厳しいですって。さっき5階まで見て回ったじゃないですか。3階以降はもぬけの殻。何もなかったじゃないですか」


「しかしだ! ここまで来ておいて、はいそうですかと帰れるか! 結果を持ち帰らなければどうなると思っている! これは大罪だぞ!」


「ですから、何でか知りませんけど、ここでは、錬金術師が居なくても、ポーションが作れているんですよ。本当に何でか知りませんけど、現にポーションはここにあるじゃないですか」


 そうだとも。5階まで案内したぞ。3階以降は何も作っていないから、本当に見ただけだが。今は2階の施設を充実させている段階なんだ。急いでも良いんだけど、急ぐ理由が無いからな。


 それに、まだ作れていないポーションの類もあるんだ。それを作ってからでも遅くはない。それを3階以降に押し込めたいと思っているので、今はまだ、使わないで置いているだけだ。


 しかし、長官は焦っているようだな。何かしらの使命があるのかもしれない。結果と言っても、これが結果だ。錬金術師などは必要ない。それが錬金術である。


 そう証明しただけなのだがね。錬金術は技術なのだよ。建築や農業が技術である様に、錬金術もまた、技術である。魔道具だけは、どうしてそうなっているのか、解らないんだけどさ。


 能がある訳ではないからな。俺では解らんのだよ。もし、天才であったのならば、解明できたのかもしれないが、解らんものは解らんのだ。俺に出来る事は、錬金術だけだ。


「どうでもいいので、次は畑を見て貰えますか? 見るんですよね? 見ないというのであれば、別にそれでも構わないのですが、どうしましょうか?」


「見るぞ! 見るが、錬金術師が居ない説明にはならんだろう! 何処に居るのだ! 言え!」


「ですから、長官。作業をしていた彼らにも証言を取ったじゃないですか。職業も錬金術師じゃなかったですし、持っているアクティブスキルにも、矛盾は無かったですよ。ここでは、何でか知らないですけど、魔道具でポーションが作れているんですって」


 魔道具でポーションを作っているのは、その通りなんだが、魔道具のみでポーションを作っているわけでは無いのだけどな。その訂正をするだけ、無駄だろうな。これだけ長官が荒れているんだから。


 何、何も変な物を見せたわけではないんだ。ポーションを作る工程を見て貰っただけに過ぎない。そりゃあ、アクティブスキルで一瞬にポーションが出来上がる訳じゃないからさ。


 生産とは、じっくりと時間を掛けて行うものであって、一瞬で終わらせるものではないんだよ? 鍛冶仕事と一緒だって。何度も何度も、叩いて伸ばしてを繰り返す。それと一緒だ。


 ……まさか、鍛冶仕事まで一瞬で終わらせているのか? そんなバカな。そこもアクティブスキルでどうにかしているんだろうか。技術は? 無いって事は無いだろう?


 料理を姉ちゃんが作ってたくらいなんだから、技術ってものが無くなっている訳では無いとは思うんだよ。料理は技術だぞ? それを忘れて貰っては困るな。俺には出来ない。技術だからな。


「それで、これが畑になります。結構広げたので、一通り回るとなると、大変なんですが、ここの作業にだけは、農家の力を借りております。30人で回しておりますが、農家以外で雇用しようとなると、200人程は雇わないといけないでしょうね」


「……何故だ。何故栽培が出来ないとされていた赤の実や青の実がここにあるんだ! 何をした! これも錬金術師が絡んでないとでも言いたいのか!」


「長官、それは無理がありますって。錬金術師には、素材を育てるスキルは無いじゃないですか。アクティブスキルにも、パッシブスキルにもそんなものはありませんでしたって」


「ここでは、普通に農家の方々に尽力を頂いております。彼ら彼女らの働きが無ければ、難しかったでしょうからね。ここまで大きなものにはならなかったと思います」


「農家だ? 農家にはそのようなスキルは無かったはずだ!」


「農家には確かにそのようなスキルは無かったですね。では、この畑に秘密があるのでは無いですか? 農家で無いのであれば、何かしらのスキルを使っている可能性はありますが」


「まさか、貴様! 未発見職業の持ち主か! 言え! 何の職業ならば、赤の実や青の実を育てられるのだ!」


「いや、ですから、俺はまだ11歳なんですって。確職の祝福前なんですって。普通に肥料をやって、水をやって、日光に当てたら、こうなりますって」


「馬鹿な事を言ってはならん! 農家でも散々実験したことだ! それでもできなかったのだ! 何のスキルを使ったんだ!」


「長官の言う事は、その通りですよ。色々と実験をして試しましたが、成功例はありませんでした。なので、魔境から取ってくる以外の選択肢が無いんですよ」


「それは単純に肥料が悪かっただけですね。肥料には魔物を使わないといけません。魔物を使って、肥料を作れば、後は実を丸ごと植えれば、普通に育ちます」


「魔物だと!」


「えっと、それはマジなんですか? 赤の実も青の実も、その他の資源もそうですけど、研究所でも発見されていない大事なんですけど?」


「大事も何も、事実栽培は出来てます。単純に肥料が悪かっただけですね。肥料さえしっかりと作れば、そこまで苦労しなくても、作れてしまいますから。普通の農家でも世話は出来ますし」


 失伝、してたんだな。昔では、当然の技術だったんだけどな。何処で断絶したかなんて、解り切っている事ではあるんだけどな。魔物被害が原因だよな。


 恐るべきは、魔物の被害って所なんだろうな。確立された技術の筈だったんだけど、失伝していたのか。知ってたけど。そうだろうなとは思っていたけど。

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― 新着の感想 ―
つまり、魔物の氾濫の時に手に職を持った錬金術師は絶滅しちゃったのかー それで確職で錬金術師を出して、ポーションとかをスキルで作るようにしたのかー 神様も大変だな
[一言] 莫大な税金徴収かかってるからか長官めっちゃ必死っすなぁ
[一言] そんで長官は何のスキル持ってんだ?たぶん長官スキルなんてものではないよな。つまり自分自身スキルと直接関係無い仕事をしてるはず。まさか長官スキルってあるのか?
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