行政長官が来たぞ
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ポーションを作る。大量生産をする。言っていることは簡単だ。だが、実行するには、険しい道のりが、……無かったな。それ程険しくは無かった。金があったからだな。金があれば、ある程度の事は、解決出来るんだよ。土地の問題もそうだが、人手の問題もな。
ポーション作りは、如何に人手を集めるのかがポイントなんだ。それなのに、魔道具とかいう、便利な道具が出来てからは、人手の部分が要らなくなった。
工夫をすれば、ある程度は自動化出来ることが解ってしまった。放っておけば、勝手に生産されるという事が解ってしまった。解ったら最後、やるしかないよな。
そんな感じで、工房を使っていった。今では、ポーションが1日に5000万本単位で生産されている。簡単だからな。覚えれば、直ぐにでも出来るんだ。人手を雇う事はいい事でもあるからな。
どうせ、仕事が無ければ、冒険者になるしかなかった人たちだ。雑魚と呼ばれる位の冒険者になるしかなかった人たちだ。それは、勿体ない。なら雇用をしても良いよね。
錬金術店ではあるものの、錬金術師は誰一人として居ない。当たり前だ。錬金術に職業は必要ないんだから。他の錬金術師は、ポーション以外の物を作ってくれれば良いんだよ。
出来るのかどうかは知らないが。ポーションしか作れないのであれば、ポーションを作ればいい。作ったら、作っただけ、売れるんだからな。転売屋が居るからな。
ポーションを欲しがっているのは、冒険者だ。冒険者は、この町に沢山いる。だが、この町以外にも、冒険者は沢山いる。そして、全ての町で、ポーションは不足している。
錬金術師がサボっているからだな。いや、解っている。このような大規模な畑が無い状態では、サボっていても、仕方が無いからな。普通には素材の畑は出来ないからな。
農家であれば、あるいはと言ったところか。だが、普通に育てようと思うと、魔物肥料が必須である。魔物肥料が無くてはならない。そうしないと、発芽すらしないんだからな。
俺の所は、冒険者ギルドから、不用な魔物の死体を大量に貰ってきている。最近は有料にしてもらったんだが。流石に無料で貰って利益を出しているのは、苦しかった。
それでも、処理費として、少ないお金でやり取りをしている。ギルド側が、貰いすぎるのを渋った為だ。貰ってくれても何も問題無かったんだがな。こちらとしては、必要経費なんだ。
畑さえ出来れば、後は簡単だ。ポーションを煮詰めるだけで良いんだから。魔道具が火の管理までやってくれるぞ。そこが一番の肝だというのに。半自動的に出来上がる。
それをひたすら繰り返す。それがお仕事だ。12時間位は拘束されているぞ。俺は、16時間位働いているが。その位働いても、何も不思議はない。だって、体力を殆ど使わないんだから。
最悪な事を言うと、何かを食べながらでも作業が出来てしまう。そうなる様に作ったからな。最初が肝心なんだよ。後は、遊んでいても、ポーションが出来上がっていく。
そうなんだ。だから何だろうな。訪問者が現れた。俺が11歳になった後の1月。代官屋敷から、人がやってきた。何の用かは解り切っているが、こちらは知らない体で行くつもりだ。
「ここが、大量のポーションを作っている店か。随分と大きいな。それ程錬金術師を抱えていることになるが、それ程の錬金術師が居たのか?」
「解りませんが、錬金術師で無ければ、ポーションは作れないでしょう? 従業員にもかなりの金額を支払っていると、商業ギルドの情報で得ております」
「うむ。だが、商業ギルドの従業員の数では、この生産量の説明が付かない。そう言う事だったな?」
「そうですね。明らかに異常としか言いようがない。錬金術師を何処かから集めてきて、脱税をしているものだと考えます」
「だそうだ。こちらの見解としては、そう言う事になっている。商業ギルドでも、色々と調べさせてもらったが、明らかな脱税だ。厳罰を受けて貰う事になる」
だそうだ。簡単に言うと、俺が、何処かから、錬金術師を引っ張ってきて、ポーションを大量に作らせていると。そう言うストーリーな訳だな。
まあ言いたいことも、解らんでもない。錬金術師にしかポーションが作れないと思っている時点で、間違っている訳なんだが。その辺りを理解するには時間がかかるだろうなあ。
「すみませんが、仰っている事について、訳が解りませんね。確かに錬金術店はやっておりますが、錬金術師を雇った覚えはありませんし、記録にも残っていないでしょう?」
「そうだな。錬金術師を雇ったという記録は、商業ギルドには無かった。だが、実際にポーションは作られている。過剰な程にだ。ならば、錬金術師が居るのは確実だ」
「証拠を揃えられなかったからといって、現状証拠があるんですよ? 明らかに過剰なポーションの供給。それに対する税金の支払い歴がない。明らかな脱税です」
「脱税などはしておりませんよ。錬金術店ではありますが、職業を使っての収入を得ている者は、農家である30人だけですので。それ以外は、職業が関係ない仕事において、雇用をしております」
「いや、それがおかしいと言っているのだ。錬金術師が居なければ、錬金術店が開けない。そうだろう? それが普通の常識だ。それに照らし合わせると、錬金術師が居ないとおかしいことになる」
「貴方が錬金術師であることは確定しているとして、他に何人の錬金術師がいるのかの調査をさせていただきますよ。これは決定事項です。逃れられるとは思わないで貰いたいですね」
「仰っている意味が解りませんね。そもそも、俺が錬金術師であるという事から間違っています。俺はまだ11歳ですよ? 確職の祝福すらしておりません」
「馬鹿な事を。身長が低いからと言って、誤魔化すことは出来んよ。錬金術師で無ければ、なんだというのか。そんな事は在り得ないんだよ。在り得ないことをやっていると自覚を持ちなさい」
「確かに身長は低いですが、確職前だと言うのは苦しいですよ? 現状証拠が集まり過ぎていますからね。今更隠し立ては出来ませんよ?」
ふっふっふ。そう思うのも仕方のない事だが、事実なのだよ。あらぬ疑いで取り調べを強行したことを後悔させてやるのは、吝かでもないんだが、どうするか。
まあ、見て貰うのが、一番だろうな。何をしているのか。見て貰った方が早い。ポーションなんぞ、錬金術師が居なくても作れるという事を見て貰った方が早いだろうな。