農家を引き抜きました
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という訳で、次の日。早速農家の雇用にやって来ました。いい感じに畑の植物は育ってきているぞ。水やりが面倒ではあるんだが。早く、水を汲み上げる魔道具が来ないかな。
ここは、とある宿屋。冒険者が寝泊まりする宿屋だ。下位の所にある。中間層では無いんだよ。仕方が無いだろう? 宿屋に泊まるのが冒険者なんだから。
「いらっしゃい。ですが、すみません。現在満室で、お部屋が空く予定はございません。他を当たってください。よろしければ、こちらから、紹介させて貰いますけども」
「ああ、いえ、商業ギルドから書類を見てやって来ました。単純に言えば、引き抜きです。ラウラという女性がいるはずですが?」
「ああ、商業ギルドのあれね。ちょっと待っていてくれるかしら?」
ラウラ、さん? さん付けはちょっと抵抗がある。ラウラで良いか。年上だけど。雇う側からしたら、敬語は気持ち悪い。俺が雇われでも、敬語で居られるのは、気まずい。
だから、俺は敬語を使うのは、対外的な時だけだ。身内には、なるべく敬語を抜きで話す予定だ。農家のラウラがどう思うかは知らないが、そう言う方針で行く。
「うちがラウラやで。よろしく頼んます。でもあれやな。一応農家で募集を出しとった筈なんやけどな。この町に農家が使われる所ってあるんか?」
「まあ農家と言われたら、そうかもしれないという程度の家庭菜園だ。一応農家でなくとも出来る仕事ではあるんだが、折角だから、農家にしてみたって感じだな」
「なる程な。正直な話、どっちでもええと、そう言う事やな?」
「そう言う事だな。職業の農家がどの位のものなのかが、よく解っていないからな。農作業と言えば、農家だろうと言われたから、農家で募集を掛けたんだ」
「そうかあ。まあ何でもええけどな。仕事を変えるっちゅうことはや、早い話が、お金関係の事がどうなるんかやろ? 今の給金よりも安かったら、縁が無かったっちゅうことにさせて貰うで」
「お金に関しては、月払いで金板8枚を予定している。それ以上出すことも出来るが、まあどの位が相場なのかはよく解っていない。とりあえず、この条件でどうだ?」
「乗った! そんだけ出してくれるんやったら申し分ないわ。宿屋の女将さんに挨拶してくるわ。引き抜きの件は了解したで。ちょっと待っとってな」
話が早くて助かる。給金はその位で十分だよな? フランカよりは多くないといけないはずだ。同じではいけない。職業を使った仕事になるからな。
税金がかかるという事なんだよ。フランカは税金が掛からない仕事をしている。ラウラは税金のかかる仕事をしてもらう。同じ待遇では駄目だろう。そう思う。
しかし、宿屋から引き抜きは成功したけど、宿屋の経営は大丈夫なんだよな? 直ぐに募集はするとは思うけど、引き抜きって、あんまり良い印象が無いのがな。
仕方が無いんだけどな。張り紙の募集でも、引き抜きになる場合はあるんだから。と言うか、農家で登録している人が意外に居そうで、何でだろうって思うんだけど。
まあ、こうして農家を雇用できるんだから、良いんだけどな。何が凄いのか、あんまりよく解っていないんだけど。職業が農家だと、何かあるんだろうか。何も無い気がするんだけど。
「引継ぎは終わったで。それじゃ、そっちの店へ行こか。そういや、何の店をしとるんや? 農作業があるって言うのは聞いとったけど、詳しいことは、何にも聞いてなかったな」
「そういやそうだな。やって貰うのは、錬金術店の仕事になる。それで、錬金術には素材が必要なんだ。その素材を育てて、収穫してもらうのが、仕事になる」
「へえ、錬金術店ねえ。そういや、最近冒険者の羽振りがようなって来とったんやわ。冒険者って、錬金術の店の商品を使うやろ? ここ、何年かやなあ。金回りが良うなったのは」
「多分、俺の所為だろうとは思う。ポーションを大量に供給し始めたからな。まだまだ供給できるとは思っているが、それをするにも人手が必要という訳なんだ」
「成る程なあ。冒険者が羽振りが良うなると、下町が潤うんや。ええことやな。そんでうちの給金も爆上がりやな。普通は農家に払う金額やあらへんで?」
「相場は知らん。利益になるんだから、その位は出さないと駄目だろう。というつもりも無いんだがな。正直な所、もっと出せと言われたら、もっと出せる。普通の人に合わせた感じだ」
「ほーん、そない儲かるんか。というかやで? 錬金術の店言うたやろ? 自分まだ確職してないんちゃうの。それでどないするっちゅうねん」
「確職なんて必要ない。錬金術師には確職は必要ない。むしろ、確職なんてものは無くても何も問題ない。税金を取られるようになるだけ、成り損だな」
「はあー。よう解らんけど、錬金術師って確職せんでもやれるんやな。まあ宿屋の受付も農家の職業で出来とるんやから、不思議とは思わん、って事も無いんやけどな。専門職ちゃうの?」
「専門職ではない。誰でも出来る。それなのに、何で確職しないといけないのかが解らん。確職しなくても、錬金術の店は出来る。錬金術師は職業じゃない」
「よう解らんけど、出来るっちゅうんやで、出来るんやろな。実際にやっとるんやろ? せや無かったら、こんな給金も払えへんもんな。どないなっとるんやろなあ」
「まあ、やって貰うのは、普通の事だから、安心してくれ。水管理と肥料の管理、それと収穫だけだ。それ以外の仕事も頼むかもしれないが、概ねそんなところだ」
錬金術は、確職は必要ない。だから、農家も別にどっちでも良いんだよな。出来ると思うんだよ。農家でなくとも。農家がどれだけの事をやれるのか期待している。出来ることは、色々とやって貰う予定だからな。何が出来るんだろうな?