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何故か子供になっているんだが

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 何かの音が聞こえる。夢の様な感じだ。こんな体験はしたことが無い。何かが見えている様で、何も見えない。声も聞こえているんだが、何を言っているのかまでは解らない。


 本当に不思議な感覚だ。こんな夢がかつてあっただろうか。久しぶりに夢と言う記憶を持っている気がする。いつもは夢であれば、何だったのか忘れるはずなのに。


 こういうのを何と言うのだろうか。まあいい。悪い感覚ではない。どうせまた朝になれば、日常が始まるんだ。こういう気持ちになるのも良いだろう。ああ、目が覚めるようだ。






 俺の名前はハインリッヒ、と言うらしい。訳が解らない。気が付いてみれば、子供になっていたんだ。俺はカーターと名前を付けられていた筈なんだがな。


 というよりもだ。俺はどうしてこんな風になっているんだ? 何か夢の様なものを見ていたと思っていたら、気が付いたら子供になっていた。意味が解らない。どう言う事なんだ?


 だが、言葉も文字も同じだったんだ。……いや、所々に聞きなれない言葉があるのはあるんだが、何がどうしたら、初老を迎えた俺が、子供になっているのかが解らない。


 こんなことを言いたくはないが、誰かに変な薬の実験にでも使われたのか? 錬金術師である俺にも知らない薬は沢山ある。と言うか、俺はそこまで優秀な錬金術師では無かったからな。


 小さな町で、しがない錬金術店を経営していただけの男だ。結婚をし、子供に錬金術を教えて、店を譲る約束をした。それでも、店で働いていたんだ。死ぬまでは店を続けようってな。


 孫の顔も見ているし、孫も初歩的ながら、錬金術師として、進んでいたことを覚えている。代々続いてきた俺の店も安泰だなって話をしていた所だったと思う。


 そこから変な夢を見だして、気が付いたら、ハインリッヒと言う子供になっていたんだ。訳が解らない。だが、それでも生きていかなければならない。何がどうなったのかも知らないといけないからな。


 家族は少ない。兄と姉、それと爺さんの4人だけだ。今現在は、俺は5歳という事になっている。色々とよく解らないが、ハインリッヒと呼ばれることにも、もう慣れてしまった。


 両親は、冒険者をしているらしい。らしいが、爺さんの言いぶりからすると、多分だが、死んでいるんだろうな。詳しくは覚えていないが、3歳頃まではなんとか記憶があるんだ。


 その頃は、年に3,4回両親が会いに来ていたと思っている。その頃が一番混乱していた時期だったからな。ハインリッヒの両親については、特に覚えていない。


 何かと解り始めたのが、3歳ごろだったんだ。それまでは、なんか、夢の中の出来事だったかの様な気持ちになっていたんだが、現実を知り始めたのは、その頃だ。


 とにかく、訳の解らないことが起きている。俺は一体どうなったんだろうか。こんな話は聞いたことが無いから、何がどうなっているのかが解らない。


 何がどうなっているのかが解らないが、俺に出来ることは1つだろう。錬金術。それしかない。それ以外に俺に出来ることが無い。だったら、ハインリッヒとして、錬金術師になれば良いんだ。


 誰の陰謀か、それとも偶然の産物なのかは解らないが、子供になってしまったんだ。それでも出来ることは変わらないだろう。錬金術をしよう。とりあえずはそれでいいはずだ。


「爺さん。俺は錬金術師になりたいんだ。だから道具を買ってくれ」


「ハインリッヒにはまだ早い。確職もしてないんだからな。確職をするまでは、教会で勉強を見て貰え。アントンとニーナも教会に行っているんだ。教会で勉強を教えて貰え」


「勉強をしたら、道具を買ってくれるのか?」


「確職したら買ってやるよ。それまでは我慢しろ。……本当は魔道具師を継がせたいんだがな」


 何かよく解らないが、確職したら道具を買ってもらえるそうだ。確職とはなんだ? 解らない。それも教会に行ったら教えて貰えるんだろうか。


 因みに爺さんの職業は魔道具師らしい。……そんな職業があったなんて知らないんだがな。魔道具師なんて存在は無かったはずなんだ。何の職業なのかははっきりとしているが。


 魔道具を作るのが、魔道具師の仕事なんだ。……魔道具って何だと思うだろう? 魔道具なんてものは知らないからな。でも、身の回りのものが大体全部魔道具なんだよ。


 火を熾す道具もそうだし、なんか爺さんが庭でデカいものを作っているのもそうだ。そして、一番訳が解らないのが、5歳になった時に貰った、この、マジックバッグだ。


 これが本当に意味が解らなくて、容量以上に沢山物が入るんだ。訳が解らないよな。なんだよこれ。こんなものが有ったら、色々とぶっ壊れるんだが?


 危なっかしい魔物の運搬も、これ一つあれば、楽々出来てしまう。こんな道具があれば、冒険者なんて危なっかしい職業も、無くなってないんだったな。両親が冒険者だったか。


 荷物持ちがいなくなっただけで、冒険者は同じなのか。それで両親は亡くなっているんだからな。危険なのには変わりないのか。冒険者はそのままと。


 となると、錬金術師もそのままの可能性が出てくるよな。そうであれば、必要な道具は解るな。色々と必要になっては来るが、何をするにも準備が必要だ。


 とにかく、まずは、教会に行って、勉強をしない事には始まらないらしい。爺さんのいう事が正しければ、確職とやらをしたら、買ってくれるんだからな。


 早く教会に行きたいが、今日はまだ無理だ。兄も姉も帰ってきていないからな。遊びに行っているのかと思ったが、教会に行っていたのか。教会では何を教えているんだろうか。


 教会はあったが、錬金術師になるのに必要な物は文字の読み書きと計算だけだったからな。基本的には、自分の家で教えるものだろう? それ以外に教会で何を学ぶんだろうか。少しだけだが、楽しみになって来たな。

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