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アイアムヴィラン

作者: 緑の巨人

ずっと前から描きたかったお話です。

伝わり辛い部分もありますが深く考えず楽しんで頂けると嬉しいです。

「出てこいやヒーロー!!世界最強の悪党ダークナイト様が直々に倒しに来てやったぜぇ!!」 


 白いラインの入った黒いタイツを履き、上陸で目出し帽を被った男が大きなビルの前で叫んでいる。


男の胸には横向きに2本の大きな傷が入っていた。


体型は中肉中背でマッチョという訳でもない普通の体型をしている。


 迷惑行為を見かねた、体格の良い警備員二人が呆れ顔で見るからに怪しい男に声をかけた。


 「はいはい。最強の悪党様がヒーロー協会になんのようでしょうか?」


 この世界ではヒーロー協会というヒーローが所属し街を守る機関が存在する。スーパーパワーを持ち、世界中の平和を守る為に戦う英雄。そんなヒーロー協会に殴り込みをかけようなどとは愚の骨頂である。


 「決まってんだろ?ヒーロー様を叩きのめして俺様が最強の悪者ヴィランだって証明してやるんだよ」

 二人の警備員が顔を見合わせると溜め息をついた。


 「君ねぇ。毎日毎日ここに来るけどいつも勝てないで帰るじゃないか。無駄なことはやめて働いたらどうなんだい?」


 「邪魔するなら怪我しない程度に痛めつけてやってもいいんだぜぇ?」


 「ならば今日も僕が相手をしてあげよう」


 言い合いをしていると警備員の後ろにある自動ドアが開き金髪の男が現れた。青いスーツに赤いマント。さながらスーパーマ○のような姿である。


 「ケッ!毎度毎度勝てると思うなy……」


 喋り終わる前に殴られ後ろに吹き飛び盛大に転がる。


 「すまないな。僕達ヒーローは忙しいんだ」


 ジャスティスてる。彼は世界でも5本の指に入る最強のヒーロー。

 どんな攻撃でも見切る動体視力と桁外れの身体能力で世界を救うヒーローである。


 「喋ってる最中に攻撃とは……卑怯者め……ガクッ」


 捨て台詞を吐くとその場で倒れた。


 「全く……彼はどうしてヴィランなんかに憧れているんだ。僕としては……」


 【キンキュウジタイ!キンキュウジタイ!タダチニヒナンセヨ!カイジンシュツゲン!タダチニヒナンセヨ!】


 けたたましいサイレンの音と機械音声による警告が鳴り響く。


 輝が辺りを見回すと煙があがっているのが見えた。


 「ヒーローの出番だね」


 そう言うと凄い速度で走り出した。


 __________


 「ユル……サナイ……ユルサナイ!!」


 大きなオノを持った巨体の男が暴れている。


 体には手榴弾の付いたベルトを巻きつけている。


 「そこまでだ!」


 ジャスティス輝が男の前に仁王立ちになる。


 「今すぐ武器を捨てて投降しなさい!」


 だが男の耳には届いて居ないようだ。


 「ユルサナイィィィ!!」


 男は体格に似合わない速度で輝に斬りかかった。


 だが輝はいとも簡単にヒラリとかわす。


 「僕の能力【正義ジャスティス味方パワー】の前では君の動きは止まって見えるよ」


 そう言うと今度は超高速で怪人を何度も殴った。


 怪人は吹き飛んだが全く効いていないようだった。


 「君では勝てないよ。大人しく投降しなさい」


 「ユルサナイユルサナイユルサナイィィィ」


 怪人は大地が震えるほどの雄叫びをあげた。


 「くっ……」


 あまりの衝撃に輝が怯んだ。


 その一瞬の隙に怪人はオノを輝にぶん投げた。


 「無駄だっ……グッ!?」


 オノをジャンプして避けたのだが急接近してきた怪人に殴られ吹き飛びビルに突っ込んだ。


 「ユルサナイ……ユルサナイ……」


 「がんばれー!ひーろー!まけるなー!」


 逃げ遅れた人がまだ残っていた。


 母親は子供を抱きかかえ走るが、子供はヒーローに声援を送り続けている。

 

 それが怪人の目に入った。


 「オレヲ……ステタ……アノオンナヲ………コロス!!」


 ________


 男はずっと恋をしていた。醜い姿をしている自覚があり、いつもマスクをつけていた。

 叶わない恋なのは分かっていたが男は勇気を出して告白した。


 「私も優しいあなたが好きだったの!あなたの全てが大好きよ!」


 嬉しそうに笑う彼女を本気で愛していた。


 だがそんな幸せな時間は長く続かなかった。


 ある日、マスクを外しているときに急に彼女が部屋に入ってきた。


 目があった瞬間に彼女の顔が酷く引きつった。


 そのまま部屋を出ていき二度と顔を合わせることは無かった。


 愛していたその気持ちが憎しみに変わり、男は気付けば裏切られた気持ちに支配されていた。


 そんな男が街に買い物に出掛けるとそこに偶然彼女が居た。自分とは違う格好いい男の隣で楽しそうに笑っている。


 そんな光景は彼の憎しみを更に増幅させた。


 「許さない……ユル……サナイ!!」


 ________


 怪人は一瞬で母親に近づき、拳を振り上げ、それを振り下ろした。


 ボゴォと鈍い音が鳴るとコンクリートの地面に大きな亀裂が入る。


 そこには何も無かった。


 怪人が辺りをキョロキョロと見回す。


 見つけたのは母親と子供を両脇に抱きかかえた黒いタイツの男だった。


 「早く失せやがれ。女と子供はさっさと避難しろよな」


 そう言うと二人を立たせた。


 「ウガアアアァァァァ!!」


 再び突進する怪人を黒タイツの男は片手で受け止める。


 「なっちゃいねぇなぁ……お前」


 「ドケ……ユルサナイ……ユルサナイィィィ!!」


 「良いか?この世界最強の悪党ダークナイト様が直々に教えてやる」


 明らかな体格差があるにも関わらず黒タイツの男は微塵も動かない。


 「1つ、悪党たるものドラッグには絶対手を出さない。2つ、悪党たるものヒーローを倒すべし。3つ、悪党たるもの女と子供は襲わない。」


 怪人が素早く拳を何度も振り下ろす。だがダークナイトはそれを簡単に受け流す。


 「それを守れねぇお前は悪党(ヴィラン)失格だぜ!!」


 固く拳を握ると怪人の腹にアッパーパンチを入れる。


 すると怪人は一瞬で姿が見えなくなるほど高く吹き飛んだ。



 _______


 「やっぱり彼はヒーローになるべきだ。僕の目に狂いは無かった」


 ジャスティス輝が優雅にコーヒーを飲みながらぽつりと呟いた。


 「彼は悪党ヴィランになって英雄ヒーローを倒したいらしいがそれは永遠に無理だろうし」


 ヒーロー協会のビルの前で叫ぶ黒いタイツの男を横目にジャスティス輝は微笑んだ。


 「彼の能力は【必要悪ひつようあく】ヒーローには絶対に勝てないが悪者に対してはほぼ無敵になれる。本当にヒーロー向けの能力だよ」


 やれやれと呟き立ち上がるとジャスティス輝はヒーロー協会のビルへと向かう。


 日課になりつつある彼との決闘をするために。

一応これで終わりです

続きが見たい人はコメントください

頑張って考えます


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