花凛1‐7:
★:
日々をいつもどーりに送ってたら……あっという間に令和になってましたね(>_<)。皆さんは如何お過ごしでしたか?
最近では体のことも考え、仕事から帰ってきたあとに【EMS】をやってみたり、ストレッチをやってみたり、タバコを減らしてみたり……ちょいちょい自分のことをチャレンジしてたら作品の方がおなざりになってました。
創作って、やっぱ時間かかりますね(>_<)。正直、止めちゃおうかなっとか、考えたりもしましたけど……踏み止まりました。時間はかかると思いますけど、やっぱりやり遂げようと思って。
拙い作品ですが、引き続きよろしくお願いします。
令和元年5月5日 作者より
☆1‐202
皆さん、はじめまして!この章はあたし、相川恵依がお送りします!
まず、この作品は【作者さんの身勝手すぎる思いつき】で書かれてます。書き始めた当初は第三者的な視点で書いてたのですが……途中から★マークをつけたページをアップするよーになったでしょ?この★マーク、『このページは花凛たんの一人称で書かれてます』って意味で。んで、この章の☆マークは『相川恵依の一人称で書かれてます』って意味でページの冒頭に付けられてて。まあ、たぶんだけど……話が進んでくうちに瑠華嬢とか綾子、アイツ(瑠依子)とかも【主人公扱い的な一人称で】登場するかと思います。こんな拙い文章の小説をそれでも読んでくれてる皆さま方には多大な迷惑をお掛けしてます。作者さんに代わって、あたし相川恵依が皆さま方にお詫び申し上げます。引き続きのご愛顧のほど、宜しくお願い致します。
さて、あたし、相川恵依ですが……ザックリと簡単な自己紹介をさせていただきます。
作者さんはおそらく書き始めた当初の【あたしの設定】を忘れかけてます。なので、ホントにザックリと……あとは皆さま方の好きなよーに想像していただければいいかと思います。
身長は約167ぐらい、体重は50キロ欠けるぐらいのガリガリ、プロポーション的には細身の7等身ぐらい、顔だちは世に言うキツネ顔で顎が細めの目つきがちょっと鋭い系、骨は大きめだけどお尻は小さく、胸はAを欠けるぐらいのド貧乳。性格は意外と頑固、色々と考えてるんだけど空回り系、運動オンチ、料理とか家事はまだまだ苦手な部類、花凛たんの追っかけを生きがいにしてる……まあ、こんなところです。分かりやすい感じだと【女子力欠ける美少女?】ってとこでしょーか?
こんなところで、ぼちぼち本編の続きを始めましょう!
☆1‐203:
今日という【特別な日】の最初っぱなからアイツ(瑠依子)のせいで市乃ちゃんや南條さんに【見苦しいところ】を晒さなくちゃならなくなったあたし。つか、市乃ちゃんもやることが破天荒でビックリした。みんなの前であたしのスカートを捲り上げるとか……。あの時ばっかりはマジ、ウチの紗世に感謝したよ。
紗世:お嬢様!このミニスカメイド服を逆手に取って花凛お嬢様の気を引く作戦を実行しましょう!
そう言って紗世が手渡してきたのが……みんなの前で晒された【JKらしからぬ】セクシーお姉さんがよく履いてそーな黒レースのパンツ。つか、こーゆーアイテムが都合よく出てくるってことは……紗世が何かしらを企んでて、あたしに着けさせたかったからだと思うけど。
紗世:お嬢様が【いつもとは違う】ショーツやブラを着けてたら、花凛お嬢様はきっと『おおーっ!』って感じで興味津々で食いついてくると思うんですよ。最近の花凛お嬢様は【お嬢様のことをちょっと意識してらっしゃる】よーにも窺えるので。
まあ、紗世のヤツは【あたしが花凛たんのことを好き】だって知ってて。だから、あたしに何かしらのアクションを起こさせよーとして、そう言ってくるんだとは思う。
紗世:名付けて……『ミニスカメイドがパンチラで貴女をドキドキさせちゃいます計画』!!このミニスカメイド服のスカートから、しゃがんだり階段を上り下りする度にチラチラ見えちゃう、ちょっとヤラシイこの黒レースのパンツ。普段、間違っても履かないセクシーショーツが意中の貴女をドキドキさせちゃいます!ちょっと背伸びした感じの女っぽさは、早熟な甘酸っぱい感じがして愛らしいですよね?そんなお年頃な貴女の魅力を、この黒ショーツが存分に引き出してくれちゃいます!
要は……紗世が言いたいのは、『このメイド服を着る時はこの黒ショーツを【見せパン】として履いたら?』ってことで。まあ、【花凛たんに見せるだけ】だったら問題ないかな?って思って、この黒ショーツを履くのを了解したんどけど。でも、自分の肢体を公衆の面前で不用意に晒される事態だけは二度とゴメンだね。
☆1‐204:
とりあえず一難去ったあたしだったけど。すぐさま、次なる一難が舞い込んできた。
瑠依子:『恵依、悪いのだけど……綾子様に【ウチのメイド服】を着させてやってくれない?奥様(花京)のだったらサイズ的に合うと思うから』
つか、どーしてあたしが綾子の面倒を見てやらなきゃならないんだ?そういった【庶務的なこと】はメイドのあんた(瑠依子)の仕事でしょーが!
瑠依子:『あたしとお嬢様(花凛)は、これから市乃様たちと一緒に【撮影会】をしなくちゃならないのよ!紗世には奥様たちの手伝いをしてもらわなくちゃならないし……。だから、【お手空き】のあんたに頼むしかないでしょ?』
ったく!そーゆー言い草じゃあ、まるでおたしが【暇を持て余してる何も出来ない子】みたいじゃない!?でも、まあ、いっか!綾子には聞かなくちゃならないことがあるし。
そんなわけで……花凛たんたちはコスプレ衣装がストックしてある第2本館へ。あたしと綾子は片付かない倉庫と化してる備品室へ、それぞれ向かっていった。
☆1‐205:
花凛たんたちと別れ本館の奥の備品室へ向かうあたしと綾子。紗世は途中まではあたしたちと一緒だったけれども、花京ママたちが奮闘してる厨房へと足を向け。そこから、あたしと綾子はいよいよ【二人きり】となった。それまで気を紛らわそうと紗世とぺちゃくちゃ喋ってた綾子は、あたしの様子を窺うかのよーに急に静かになった。
恵依:『なあ、綾子。お前、どーして【花凛たんのお側つきになった】んだ?』
いくら【幼なじみ】のあたしが【花凛たんのお側つきになった】とはいえ、【綾子までが花凛たんのお側つきになる】必要なんてどこにもなかったと思う。ましてや、綾子が【花凛たんからあたしを引き離そうと考えてる】のなら、綾子が花凛たんのお側つきになるなんて【もってのほか】だし。
つか、市乃ちゃんの話では【そーゆー感じが窺えた】綾子だっただけに……今回の行動は、あたしにとっては【まったくもって意味不明】だった。
綾子は、あたしの質問に対して即答はせず、暫くしてから口を開いた。あたしの機嫌をこれ以上、損ねないよーに言葉を選んでたんだろう。
綾子:『まあ、その方が【一石二鳥】だったからさ……。恵依のそばにもいれるし、花凛様のそばにもいれるし……』
☆1‐206:
恵依:ーん?【花凛たんのそばにもいれる】って……コイツ、どーゆー意味でそれ、言ってるんだ?ー
綾子の答えを聞いて【訝しい】顔をすると、あたしを見ていた綾子が苦笑いを浮かべる。その顔は『あたしに余計な心配はしなくていい』って言いたそうな感じだ。
綾子:『いやさ、【あたしの中の花凛様のイメージ】って、実物とご対面するまではものすごく悪くてさ……。ウチのお師匠様や婆ちゃんには事ある毎に比べられてたし、一度だって会ったこともないのに武勇伝的な話を聞かされてきたってのもあるんだけども。でも、実物とご対面してみると……【想像してたのと違って全然可愛くて】さ。だから、どーにか仲良くなれないものかな?って考えてみて、その時、思い出したのが【恵依が花凛様のお側つきをやってる】ってことで。無理を承知で【その場の勢いとノリで】花凛様にお願いしてみたら、どーにかなっちゃいましたみたいな感じなんだけどさ……』
綾子は包み隠さず【正直に打ち明けた】と聞いてて思った。つか、そんなことを話せば、あたしの怒りを買うのは必至だと……幼い頃からよく知ってる綾子なら百も承知なはず。
綾子:『つか、あたしは【ここに一緒に居れる】ことが叶ってホントに良かったって思った!こんなにワクワクして楽しいって思ったのは、いつ以来どろう?』
恵依:『…………』
☆1‐207:
綾子の言葉にあたしも共感するところがあった。今までは花凛たんに瑠依子、あたし、それと紗世の4人の【慎ましやかな日常】であったものが、本家の瑠華嬢の出現によって【日常の色合いがちょこっと変わり】。んで、今度は綾子や市乃、南條さんが加わることで【また新しい色合いへと様変わり】する。
綾子:『なあ、恵依……あたしからもひとつ、聞いていいかな?』
恵依:『……ん?』
綾子:『どーして綾子は【花凛様のお側つき】になろうと思ったんだ?だいたい、【お側つき】なんて大昔の制度……とっくに潰えた慣習って感じで、どこの瀬尾の家もやってないしさ……』
恵依:『それは……』
『どーして?』って急に聞かれても正直、どう答えればいいのか困る。
恵依:『それは……【花凛たんがとにかく強烈だった】から……かな……』
今でも脳に焼きついている……遠宮家にやって来た時の花凛たんの姿を。
綾子:『ふうーん、そっか……。恵依にとって【その時の花凛様はとにかく眩しかった】んだろーな……』
☆1‐208:
恵依:『ああ……【圧倒的すぎた】……』
綾子:『そっか……。だもの、【あの恵依】が岩にもかじりつく思いで頑張って【お側つきになった】ってわけか……』
幼き日のあたしをよく知る綾子は【すべてを見透かした風で】そう言う。つか、綾子にそう言われても無理もないあたしだったから、敢えて言い返そうともしなかったけど。
綾子:『でも、ホント、よく頑張ったよ。さっき見た感じだと……専属メイドの瑠依子さんは厳しそうな感じのひとだし、そう簡単にひとを褒めるよーには見えないから、【こころ折れる】時もけっこーあったかと思うけど‥…』
恵依:『まあな。悔しいけど……何だかんだ【アイツは何でも出来るヤツ】だし。でも、花凛たんの為なら【ひと一倍、努力を惜しまない】ヤツだから……。花凛たんのメイドがアイツだったから……メイドとしてはまだまだだけど、今日までやってこれたんだと思う』
つか、綾子には昔から【ついつい胸襟を開いちゃって】、話さなくてもいいことまでベラベラと喋っちゃう自分がいる。つかつか、綾子にもあたしたちと同じメイド服を着させるってことは……アイツは綾子にもメイド稼業をやらせるってことかな?
☆1‐209:
でも、綾子の場合、あたしよりも【卒なく】こなせると思う。綾子の家は【独自の教育方針】を採用していて、『働かざる者、食うべからず』みたいな感じで、ある年齢から【修行】という名目で池田家本家で色々な労働に従事させられたり、社会に出るために必要な教養などを勉強させられるから。
そんな綾子のメイド服を探しにやってきた備品室。つか、備品室と言ってもスチール棚がズラリと並んでたりするよーな感じのものとは違う。やたらと建物が大きい第1本館は【使わない部屋】がいくつもあって、そのひとつを備品置き場として使ってるだけだ。つかつか、備品置き場と言っても、届いたばかりの荷物を仮置きしてるだけなんだけど。
あたしと紗世が着てるミニスカメイド服は、昨日の昼、アイツの実家から届いたばかりで、まだ、この部屋に仮置きされたまま片付けが済んでないらしい。昨日のアイツは日ごろの家事に加えて花京ママの今日のための食材の買い出しに付き合わされてたらしく、【アイツらしからぬ】ことに片付けが間に合わなかったのだ。
アイツの実家から支給されるメイド服は学校の制服みたく【丸洗いもオッケー】な優れた仕様。オマケに既製品のサイズをカスタマイズした【半オーダーメイド】。洗い替えを含め、ブラウス込みのメイド服のセットはひとりあたり6着支給される。なので、メイド服が送られてくる時は、いつだって段ボール箱でごっそりやってくる。
☆1‐210:
ごっそりある段ボールのいくつかは封が切られ開けられてた。段ボール箱の横にはマジックで誰々様用って書かれてるから、花京ママの名前が書かれた段ボール箱を探せば用は済む。
恵依:『ああ、これか』
その段ボールは難なく見つけることができたけど。箱にはどーゆーわけだか?花京ママの名前と一緒に花凛たんの名前も書かれてる。
恵依:ーあれ、おかしいな?花凛たんはメイド服を着ないのにな……ー
他の箱とは違って、この箱だけひと周り以上大きい。さっそく開けて、中身を確認してみる。
綾子:『おおー!!』
真っ先に目に飛び込んできた【アイテム】に、あたしよりも早く綾子が反応して声を上げた。箱の一番上に入ってたのがメイド服じゃなくて……ビニール梱包されてる【白のスケスケのネグリジェ】だった。
恵依:『……えっ!?』
綾子:『なあ、恵依……花凛様はこーゆーエロいネグリジェ着て夜を過ごしてるのか?』
恵依:『はあー!?お前、何、言ってるんだよ!?そんなわけないだろ!』
綾子:『いや、でも……』
☆1‐211:
こーゆー【セクシー系のアイテム】は、てっきり花京ママのものかと、あたしは勝手に想像してた。普段、スポーツブラにボクサーパンツを履いて過ごしてる花凛たんには【似つかわしくない】と、勝手に決めつけてた。
綾子:『つか、これに入ってる袋に【花凛様用】って書いてあるぜ?』
恵依:『えっ!?』
正直、動揺が隠せなかった。そんなの、あたしのよく知ってる花凛たんじゃないって。
綾子:『ほら、見てみろよ?ビニールに入ってる紙に【花凛様用】って書いてあるだろ?』
綾子に手渡されて、それを確認する。確かに、挿入されてる紙には間違いなく【花凛様用】って書かれてる。
綾子:『つかつか、花凛様もやっぱり【お年頃の女子】だよな?普段はスポーツブラにボクサーパンツだって言ったって、【夜な夜な】こーゆーのを着けて【自分の女っぷりを確認してる】んだろ?いやあー、可愛らしいなぁー』
コイツは何、呑気なこと言ってるんだ!花凛たんの日常のルーティンにそんな暇があるわけないだろーが!
☆1‐212:
朝の5時前から起きてトレーニング、学校から帰ってきて夕食前までトレーニング。そのあと、あたしと風呂に入って、夕食済ませた後は学校の勉強と遠宮家のカリキュラムをやって。それで余ったほんの僅かな時間だけ、楽しみにしてるアニメ観賞にマンガの読書……。そんな花凛たんに【色気に耽ってたりする】暇なんてあるわけがないだろ!
綾子:『つかつか、こーゆーのを着たりするってことは……もしかして、花凛様に【片想いしてる男】がいるとか?』
恵依:『そんなの、いるわけないだろっ!』
綾子:『いやいや。それは恵依たちが知らないだけじゃないのか?』
恵依:『それは決してない!つか、だいたい、花凛たんは【フツーの男】には恋しないんだよ!007(ジェームズ・ボンド)とか、ガンダムのシャアとかトレーズ閣下とか……【フィクションのカッコ強い男】にしか胸ときめかないんだよ!』
綾子にはそう言い切ってみたものの……ホントのところは花凛たんにか分からない。でも、今日まで花凛たんを見てきて、事実、そーゆーのが微塵もなかったし、そーゆーニュアンスのことも一度だって匂ってこなかったし。
綾子:『んじゃあ……これ、【瑠依子さんの趣味】とか、か?瑠依子さん、コスプレが趣味で花凛様にモデルやってもらってるんだろ?こーゆーのも花凛様に着てもらってるとか?』
☆1‐213:
それは……大いにあると思った。
恵依:ー瑠依子のヤツ、【花凛たんと相部屋】なのをいいことに【こんなスケベな格好】させてるのかっ!?ー
つか、もし、それがホントなら【あたしにも拝ませろ】って言いたい!自分ばっかりいい思いしやがって……チクショー、マジ羨ましすぎるわっ!
この段ボールに入ってる【花凛様用】って書かれたものは、スケスケのネグリジェの他に【スケスケ素材のセクシー系らしき浴衣】や【紐パンやTバックなどのセクシー系のランジェリー】がごっそり。その下の方に【花凛様用】と書かれた梱包のメイド服に、お目当ての【花京様用】と書かれたメイド服の梱包が入ってた。
綾子:『つか、この箱……勝手に開けちゃって良かったのかな?』
恵依:『アイツが備品室に花京ママのメイド服があるからって言ったんだから……あたしたちは何も悪くないだろ?』
綾子:『い、いや、でもさ……』
恵依:『そんなの、いちいち気にしなくていいって』
綾子は花凛たんに届けられたセクシーアイテムの数々を勝手に拝んじゃったことを気にしてるらしい。
つか、こんなのを拝んじゃった以上、あたし的には【ホントのところ】を知りたい。これは瑠依子の趣味で勝手に頼んだものなのか?あるいは花凛たん本人の趣味のものなのか?また、これらセクシーアイテムの数々をどーゆー時に着用してるのか?ツッコミどころ満載だけども……それを花凛たんに直接確認する勇気はあたしにはなかった。
☆1‐214:
さてさて。箱の中から梱包された花京ママのメイド服を取り出してみた。さっそく開封して出してみて、自分の体に合わせてみる綾子。
綾子:『なあ、恵依。花京叔母様って、今年、いくつだったっけ?』
綾子のヤツは急に何を聞いてくるんかと思った。
恵依:『今年で35、6ぐらいだと思ったけど……』
綾子:『35、6でこーゆーの着ちゃうか……。さすがは花京叔母様だなって感じだけど……』
つか、綾子のヤツはさっきから何を言ってるんだ?
綾子:『つか、このワンピースドレスのスカート丈……恵依のと同じぐらい短いんだけど?』
恵依:『はあー?』
確かに、よく見れば……綾子が合わせてるメイド服のスカート丈はあたしのと同じぐらい短い。
綾子:『つか、あたし、これ着なくちゃいけないかなぁ?これ着る自信、やっぱりないかも……』
実物、目の前にして何を怖じ気づいてやがるんだ!?さっき、お前、【見せパン】履けばいいだろ?って、自分で言ってたじゃねーかよ!?
☆1‐215:
恵依:『とりあえず……着てみたらどーだ?これが【花凛たんのお側つきになった最初のミッション】だと思ってさ』
綾子:『ううー……。あたし、花凛様や恵依みたいに【スタイル良くない】んだけど?【ぽっちゃり系】っていうか……』
つか、綾子の場合、正確に言うなら【ぽっちゃり系】じゃなくて【発育良好過ぎ女子系】だ。つかつか、お前、服の上からでも分かるけど……豊かに実ったその胸、いったい何カップあるんだ?オマケにお尻だって【シュッとつり上がったプリプリの桃尻】してるし。高校生離れしたよーなスタイルの持ち主のくせに、あたしや花凛たんみたいな【ガリガリ女】つかまえて【スタイルいい】とか言ってると、嫌み言われてるみたいでちょっとイラッとくるぞ。
あたしが『それでも着ろ!』って感じで聞き入れてくれなさそーだと察した綾子は観念したらしく、その場で黙々と着替え始めた。
恵依:『なあ、お前……』
別に綾子の着替えをみたいわけじゃないけども。でも、ついつい綾子の体に目が行っちゃう。つかつか、同世代の同性がどんな感じなんだか?やっぱり気になるっていうか……。
恵依:『普段から【そーゆー下着】着けてるのか?』
綾子:『ああ、これか?これはさ、【いわゆる勝負下着】ってヤツ!つか、普段からこんなの、着けてないって』
恵依:『【勝負下着】って……。お前さ、そんなの着けて、いったい誰と勝負すんだよ?』
綾子:『誰とって?そりゃあ、【遠宮家の方々】に決まってんだろ!あたしだけ【女の欠片もない】感じじゃ、バカにされちゃうじゃん!?ただでさえ【新入り】なんだからさ』
☆1‐216:
確かに、綾子にしてみたら【今日が初遠宮家で、これから一緒に生活する人たちとの顔合わせ】ってこともあるけど……。でも、あたしたち【遠宮の家に住んでる人間たち】にとっても【花凛たんの初めての友だちを家に迎える大事な日】だった。花京ママや花静さん、それに瑠依子や紗世、花凛たんは、今日という日のために【まるで文化祭前夜の学生みたく】ワイワイはしゃぎながら準備に勤しんでて。っていうのも【この遠宮家で客人をおもてなす】こと自体が今までなかったから。
恵依:ー……ん、ちょっと待てよ?ー
花京ママのメイド服と一緒に入ってた花凛たんのセクシーランジェリーの数々は、もしかして……綾子と同じ考えで【市乃ちゃんたちにバカにされないために】花凛たんが瑠依子に頼んで取り寄せたものなのかな?って、一瞬、思ったのだけども……。
恵依:ーでも、さっき……花凛たん、自分の口から『普段はスポーツブラにボクサーパンツ』だって暴露してたよな?ー
つか、紗世があたしに用意してくれてた黒レースの見せパンといい、アイツが用意したこの超ミニスカメイド服といい、花凛たんが取り寄せたセクシーランジェリーといい……よくよく考えてみると【これらの出来事って時系列が揃ってる】気がする。
恵依:『つか、綾子!お前、何でピンクの紐パン履いてるんだよっ!?』
つかつか、綾子が薄ピンク色のレースをあしらったセクシー紐パンを履いてる件は【偶然、遭遇した事故】みたいなもんだけど。
☆1‐217:
オマケに、着けてるブラも紐パンとお揃いの薄ピンク色のレースをあしらったセクシー系。
綾子:『いやぁー、高校生だからって【これぐらいのレベルのものを着けなきゃダメだ】って、ウチのママが強引に推してきてさ……。つか、ウチのママが言うにはさ、【瀬尾家の女は基本、可愛らしい女が好き】だから、こーゆーところも抜かりなくオシャレして1日も早く可愛がってもらえるよーになりなさいって』
恵依:『ふうーん、不二子叔母さんがねぇ……』
まあ、綾子のお母さん(不二子)なら、そーゆーことを言うのも分かる気もする。つか、あたしの知ってる不二子叔母さんも【綾子同様、スタイル抜群の淑女だったから。つかつか、不二子叔母さん、あたしたちぐらいの年齢の時には【今のスタイルをほぼ確立してた女子高生】だったんだろーな。スタイル抜群の美少女JKできっとモテたんだろーな。
綾子:『でもさ、花凛様って普段からスポーツブラにボクサーパンツなんだろ?』
恵依:『ああ、そーだよ』
綾子:『つかさぁ、花凛様ぐらいにスレンダーな美少女だったら、【そんな可愛げないパンツのパンチラ】でも萌えるよなぁ……』
恵依:『……ん?』
綾子はその理由についてちょこっとだけ話をしてくれた。
綾子:『つかつか、花凛様って陰じゃあファンクラブ的なコミュニティーが出来ちゃうほどの【超人気女子】なんだろ?そのファンの間じゃあ、花凛様のパンチラや生着替えとかに遭遇すると【神的貴重体験】とか言ってめっちゃ歓喜らしいけど』
☆1‐218:
恵依:『花凛たんの……ファンクラブ?』
綾子:『ああ。同じクラスの女子に聞いた話だったからさ、恵依も知ってるかと思ったんだけど……』
恵依:『【追っかけ】みたいなのは確かにいるけど……ファンクラブの話は初めて聞いたな』
綾子:『そっか……。つか、もしかしたら恵依や花凛様には【知られないよーにしてる】のかも知れないな?』
恵依:『どーして?あたしたちに知られちゃマズイのか?』
綾子:『そりゃ、そーだろ!恵依は花凛様と同じひとつ屋根の下に住んでるんだからさ。そーなったらフツー、そんな2人の関係を疑うもんだろーに?』
恵依:『あたしと花凛たんが【百合カップル】とでも言いたいのか?』
綾子:『少なくとも周りはそう思ってるっぽいぞ』
その手の勝手な臆測は、あたしらが小学生の時からあった。あたし的には『今更、まだそんなこと言ってるヤツがいるのかよ?』って思ったけど……。でも、高校ってトコはあたしらとは違う地元のヤツもいっぱいいるわけで。だから、このネタが再燃することもあるわけだ。
☆1‐219:
恵依:『あたしと花凛たんは【もっと崇高な関係】なんだけどなぁ……』
綾子:『何だよ、もっと崇高な関係って?恵依は【心から素直に】花凛様のことが好きなんだろ?』
恵依:『ああ、そーだよ!女が女を純粋に好きになっちゃいけないのか!?』
綾子:『別にいけないだなんて誰も言ってないだろ?ただ、世の中的にそーゆーのは百合だのGLだのって言うんだよ』
恵依:『だから!あたしの花凛たんに対する気持ちは【そんな邪なもん】じゃないんだって!』
あたしの言ってるところのニュアンスが綾子には今ひとつ伝わらないらしい。そこであたしは綾子に【紗世から教わった百合やらGLの定義】を教えてやる。すると……最初は真剣な顔をして聞いてた綾子が突然、大声でゲラゲラ笑いだした。
綾子:『アハハハハハハ!なるほど、そーゆーことか!』
綾子は【紗世の意図してるところ】を教えてくれる。紗世はあたしに色々な18禁の百合マンガを見せることで『今の世の中、こーゆーのも全然有りなんで。だからお嬢様、サッサと花凛お嬢様を口説いて【このマンガにあるよーな】濃密な愛を紡いじゃってください!』って、自分の好物な展開へあたしを導こうとしてるのだと綾子は言う。
綾子:『つか……恵依もよく読むんなら、そーゆーの嫌いじゃないんだろ?』
☆1‐220:
恵依:『なっ……、何、言ってるんだよっ!?』
綾子の問いに露骨に素直に動揺してしまった。思わず恥ずかしくなって、顔が一瞬にして真っ赤になる。そりゃあ、こーゆーエロなマンガが世の中にはあるんだから、花凛たんとそーゆー展開になる妄想も何度だってしたことがあるし。もちろん、その妄想で興奮したりもしたし……お、オナニーだって何度か……。
綾子:『今更、何、恥ずかしがってるんだよっ!?あたしら、【そーゆー年ごろ】だし、全然健全じゃんかよ?』
恵依:『これのドコが健全なんだよっ!?全然、不健全じゃんかよっ!?』
綾子:『いやいや、健全だろ?盛り付く年ごろに性的興味も欲求も湧かない方が【動物として不健全】だっつーの!』
恵依:『……そ、そーゆーもの……なのか?つ、つか……性交は男とヤるもんだろ?』
綾子:『別に女だっていいじゃん!女は男とヤらなくちゃいけないって決まりが世の中にあるわけじゃないし。そーゆー衝動がたまたま同性の女に向いちゃったってだけの話だし』
恵依:『い、いや……でもさ……』
綾子:『じゃあ……花凛様が瑠依子さんなり他の女なりと【恵依の知らないところでそーゆーことに耽ってた】らどーする?恵依は【同性とはNG】だから、それはそれで見て見ぬフリをして【今までどーりの何もない崇高な関係】を続けるのか?』
恵依:『そ、それは……』
☆1‐221:
それは正直に受け入れられないって思った。花凛たんが他の女とだなんて……そんなの想像しただけで腹立たしさが一瞬にして臨界突破しちゃう。だったら、あたしが相手する……花凛たんの欲望が満ちるまで、あたしの性欲が尽き果てるまで、何時間だって。
綾子:『それじゃ嫌なんだろ?だったら、自分を晒け出して体当たりするっきゃないよな?』
恵依:『う、うん……』
話に夢中になって綾子がまだ下着姿のままだってことをスッカリ忘れてた。自然と視界に入ってきた下着姿の綾子に、今のあたしは思わず狼狽えてしまった。
恵依:ーあたしも……綾子みたくスタイルがよかったらなぁ……。こーゆー女っぽい体だったらなぁ……ー
こーゆーのって明らかにコンプレックスだって思う。やっぱり羨ましく思う。妬ましくも思う。それに……女として負けちゃってる感じがしちゃって悔しい。
綾子:『……あっ!そーいえばさ、恵依』
綾子はやっぱり察しがいい。あたしが沈んでると思って話のネタを変えてきた。
綾子:『学校でさ、花凛様があたしに【奇襲】してきた時の話だけどさ』
恵依:『ん?』
綾子:『花凛様、恵依には自分の弱いところを見せれないって言ってたんだよね』
☆1‐222:
それはつい先日のこと。綾子が市乃ちゃんを使って自分のことを探ってるって分かった花凛たんが単独、綾子に【抜き打ちのご対面】を果たした時の話だ。
綾子:『それ聞いた時、あたしさ、花凛様は恵依の前では【強い自分で有り続けたい】んだなって思ったんだ。つか、それってさ、花凛様は側にいる恵依を不安にさせたくないからなんだろ?いつだって【恵依が想い描いてる遠宮花凛でいてあげたい】からなんだろ?その時、あたしは花凛様には敵わないなって思ったし……そんな恵依を羨ましいなとも思った。恵依のキャラを考えれば、それってビミョーに相思相愛状態だしさ……あたしのつけ入る隙はないなって』
恵依:『綾子……』
綾子:『花凛様だってコンプレックスのひとつやふたつは絶対にあるって思うんだよ。まあ、それだって卑屈なところを外じゃ見せないし、見苦しい態度も他人を不愉快にさせる態度も絶対にしないし。それって、単に恵依の中の自分のイメージを壊したくないからだろ?つか正直、花凛様にそーまでしてもらえる恵依が羨ましいなって。今まで恵依に嫉妬したことはなかったんだけどな……』
恵依:『…………』
あたしみたいなのが誰かの嫉妬の対象になるなんて、正直、一度も考えたことがなかった。瑠依子にしたって瑠華嬢にしたって綾子にしたって、あたしよりも色々と秀でてるし優れてる。
綾子:『つか、恵依……恵依は花凛様が一緒にいなくったって【誰彼の嫉妬の対象になる女】だって自覚しなくちゃダメだぜ?それを踏まえた上で堂々と勝負しなくちゃ。【ネコかぶりの恵依】に勝ってたって誰も嬉しくもねえんだろーし』
瑠依子にはよく【ネコかぶり女】だって言ってからかわれる。つか、あたしは花凛たんに嫌われたくないから【大人しく控えめにしてよう】と心掛けてるだけなんだけども。瑠依子にしてみたら【そんなあたしの心遣い】が見ててむず痒くなるらしい。
☆1‐223:
綾子に言われて改めて思い出した。『人間の社会はいい意味でも悪い意味でも【競い合いの社会】なんだ』って。そーゆーのってプレッシャーになって重くのしかかってくる時もあるけど。でも、それがあるから励みにもなったり切磋琢磨できたりするんだとも思う。あたしにとって瑠依子や瑠華嬢の存在がまさにそれで。もし、この2人が花凛たんのそばにいなかったら……【自分の領域に他人を決して近づけない】あの頃の花凛たんを相手にここまで頑張ってこれなかったかも知れない。途中で根をあげて泣く泣く家に帰って【相変わらず言うこと聞かない反抗娘】をフテ腐れた心持ちでやってたかも知れない。
恵依:『あたしは……花凛たんのことに関しては……誰にも負けたくないんだ』
綾子:『だよなぁー。恵依がここまでやるんだもんさー……そりゃあ、マジも大マジだよなぁー。そんなの、分かってるってよっ!』
つか、話が脇道にそれちゃったけど……。綾子の言ってたファンクラブ的なコミュニティーとは、あたしの従姉妹の麻衣と東子さんちの末娘の南が中心となってやってる【男子禁制の花凛たんファンの私的な集い】だった。ただ……いつものとちょっと違うのは、【それをネット上でアップしたら】自分たち以外の地元の女の子たちが見知ってけっこーな数、参加してくれたことで。あたしらが通ってる高校の女子たちもそこそこ参加してるらしい。そのうちのひとりが花凛たんのことを密かにリサーチしてた綾子の存在に気付いて【花凛たんの隠れファン】だと勘違いしてコミュへの入会を勧め。その見返りに花凛たんやあたしらの数少ない情報を提供してくれたのだという。
☆1‐224:
ちなみに、この集いは現在、【白百合愛善会】という名称が与えられているが……。ただ、この名称は瀬尾一族の中では都市伝説となっている【超党派の瀬尾一族の子女たちの集まりの名称】らしい。
【本家の白百合愛善会】はいつの時代に発足され、今現在も存在してるのかどーか定かではないが……十家とか有力な家柄とかそーゆー門地的なものを超えて、生活に窮してたり、あるいは現実に困難や苦難に遭遇してる瀬尾の血をひく子女たちを【お互いの持ってる力を持ち合って助け、未来永劫までの繁栄と安寧を願う】ってのを活動の本旨としてたらしい。
まあ、どーして文面の語尾が『らしい』なのかは、この白百合愛善会についてあたしらはホントに何も知らないし、話のひとつも聞いたことがないから。当然、従姉妹の麻衣や南だって知らないはずなんだけども……。
麻衣:ああー、白百合愛善会って名称のこと?それさ、【花凛の従姉妹】が付けてくれたんだよー!つか、何かさ、ヤンキーの会みたいな名前でちと古風でダサいけど……ちょっとカッコ良くない?硬派な女子みたいな感じで。
麻衣たちの白百合愛善会の話は後日、また出てくる。その時、あたしらは【瑠華嬢以外の花凛たんの従姉妹】の存在と向き合うことになる。
『あなたたちにとって遠宮花凛が大事な存在であるのと同じよーに……あたしらにとっても大切な存在なんです。そこのところは本人の都合や感情を無視した一方的な物言いになっちゃいますけど……でも、受け入れてもらえたらホントに嬉しい』