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家電転移~永久名誉店員になった俺は家電の能力(チカラ)で異世界を救う~  作者: 宮地拓海


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17話 目覚める本能 ―3―

「とりあえず、ステータスの確認をしてみますか?」


 すちゃっ! と、ステータス石版を構えるアミュー。

 そうだな。このレベルアップでステータスがどこまで戻るかも見てみたいし。


 ステータス石版に乗りしばし待つ。…………『ぷにょ~ん』

 そして表示されたその数値は――



******


 アキタカ・ホンジョウ

 27歳 男 

 職業:女神の使者

 レベル:6


 HP:72/72

 MP:54/54

 力 :28

 体力:22

 魔力:43

 敏捷:30

 幸運:14


 スキル:【女神魔法】【ツッコミ】【ふしぎなおどり】【女神の騎士】

 称号 :【永久名誉店員】【ふにゃ筋】【餌付けの達人】【敏腕係員】


******


 女神魔法:『女神の加護』消費MP:10(使用制限あり 残数/1回)

       :『女神の加護(バッテリー用)』消費MP:10(使用制限あり 残数/1回)

       :『女神の装具』消費MP:20

       :『女神の分裂』消費MP:50

       :『女神の増殖』消費MP:55


******



 また何か知らない称号が増えてるし!?

 そしてMPの数値が嫌がらせとしか思えない!

 あと1! あと1あれば『女神の増殖』が使えるというのに!


「すごいですね、アキタカさん。ステータスの上がり方がこれまでよりぐっと伸びてますよ!」

「確かに、今までは4とか5ずつだったのに、今回は二桁を越えてるのが多いな。体力も上がってるし」


 下降の一途をたどっていた体力がここにきて上昇した。

 MPの上昇率も大きい。


「一度上がったところまでは上がりやすくなってるのかな?」

「パンツのゴムみたいに、一度伸びたらすぐにだる~んってなっちゃうってことですか?」

「やめてくれる? 人のステータスをパンツのゴムに例えるの……」


 誰のステータスが「だる~ん」か。


「ウチの患者さんに聞いたんだけどさ」


 ここでマーサが別の解釈を寄越してくる。


「体力を酷使すると、その反動で体力は大きく増えるって言ってたのよ。だから、全ステータスが半減した反動で一気に伸びたのかもしれないわよ」


 反動、か。それはあり得るかもしれない。

 筋肉だって、酷使すればその分大きく膨れ上がるというし。

 死にかけて復活すれば爆発的に能力が上昇する。そんな話も聞いたことがある。……アニメでだけど。


「もしくは……」


 そして、キティが第三の可能性を指摘する。


「アキタカは、苛められれば苛められるほどその真価を発揮する派……」

「そんな派閥に入った記憶はねぇよ!」

「……うわぁ……」

「ないから勝手にドン引かないでくれるか、マーサ!?」

「えっ!? アキタカさん、ドMだったんですか!?」

「だからないって言ってるよね!? 『いやっふぉ~い! 死にかけひゃっほぉ~い!』とか、微塵も感じさせたことないよね!?」

「でも、アキタカ……残念ながら、数字がそれを証明しているから…………残念だけれど」

「残念なのはお前だ! いや、お前らだ!」

「でもまぁ、あれよね。キティの言ってる話も、あたしが聞いた『酷使するとパワーアップする』って兵士の話も、大きい括りで見ればドM要素満載だから、どっちも似たようなものよね」

「全然違うよ!? 医者ならもっと科学的根拠を持って話して!」

「でもでもまぁまぁ、アキタカさんなら……あり得なくもなくは……」

「ねぇっつってんだろ!? ねぇしか言ってねぇ!」


 お前らは、どうしても俺をドMに仕立て上げたいのか?

 酷使したらその分ステータスは上昇する!

 これで決定!

 異論は認めない!

 いいね!


「いつの日か、アキタカさんのステータスに【ドM男爵】の称号が加わることが、あるかもしれませんね」


 ねぇよ!

 つか、男爵ってなんだよ。また微妙に「っぽい」名称を持ってきやがって。


「称号と言えば、新しく増えたこの称号はなんなんでしょう?」


 アミューがさっさと【敏腕係員】をクリックして説明を表示させる。



******


【敏腕係員】:無秩序な集団に対し、一定の権限を行使することが出来る。


******



 ……なんだ?

 村人を整列させたから発現したスキルなのだろうか。


 あ、そういえば。

 俺が怒鳴った時、村人が全員一瞬動きを止めて、それから俺の指示に従って整列したっけな……もしかして、これの能力なのか、アレ?

 だとすると、『無秩序な集団に対し、一定の権限を行使する』ってのが理解出来るな。

「並べ」って言ったから並んだわけだ。


 ……これ、イドバシ時代に欲しかったなぁ。


「まぁ、またしてもしょーもないスキルですね」

「おい、アミュー! 『またしても』ってなんだよ!?」


 と、反論してみたのだが……アミューがステータス石板上の【ふにゃ筋】という文字を指差していたので口を閉じた。

 あれはダメだ。口論に持ち込んで勝てる代物じゃない。

 問答無用でしょーもないスキルだわ、あれ。


 けどまぁ、スキルの方は使えるのが多いから……あ、【ふしぎなおどり】はダメだな。

 結構あるな、しょーもないの。


「ところでアキタカさん。混乱も収まりましたし、わたしたちも行商人さんのお店を見に行きませんか?」

「あぁ、そうだな」


 ヴァンガード村早朝の乱(血眼のお客様VS整列と秩序を重んじる係員)が終息したこともあり、俺たちも店を見せてもらうことにした。

 さて、どんなアイテムがあるのか……店員をやっていた者として少なからず興味がある。とくと見せてもらおうじゃないか。


 俺たちは四人プラス一匹で連れ立ち、行商人の馬車へと向かった。







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