摩耶との約束
神通「戦闘シーンっていつ来るの?」武蔵から借りた46cm砲ガチャッ
作者「書くから。今すぐ書くから!笑顔でそんな物騒な物こっち向けないで!」
神通「あと三日たったらぶっぱしますんでそこんところよろしくオナシャス!」
作者「あぁぁぁぁぁぁぁあんまぁぁぁぁぁぁりぃだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ」
2025年5月28日。
居酒屋鳳翔...
ゴクッゴクッ...ぷはぁ~!...
ジョッキにギリギリまで注がれたビールを一気に飲み切る。のど越しのいいキレのあるビールの余韻を楽しみながら私は、出されたつまみに手を付ける。
「ふふ。いつも呑んでいるけど休肝日はちゃんと設けてるの?」
「もちろん。さすがに艦の魂を宿した霊宿であり、所属的には軍。一応の健康管理はしないとな。といっても数時間だけだが。ハハハ!」
「ふふふ、体には気を付けるのよ」と鳳翔が微笑する。「はい」と言って鳳翔がカウンターに冷奴を出した。私はそれを「すまんな」と言いながら自分の手前まで持ってくる。
「今日は?ビール以外に何か呑む?」
私は考える事無く即答した。
「賀茂金秀桜吹雪の熱燗かな。」
「普段は熱燗なんて頼まないのに、何か嫌なことでもあったんじゃないの?」
私は「ほっとけ」と言って流した。数分後、徳利と猪口が私の前に出された。そしてずっと料理や皿洗いなどをしていたように見えた鳳翔が、仕事をすべて終わらせたのか私の隣に座ってきた。
「今日は朝までいくの?」
「どうだろ。今日の肝の調子を見て決めっかな。」
「そう。今日は付き合うわ。武蔵」
2025年5月28日午前10時頃。
「少し飲みすぎたかな...だが...うんむ、いいだろう。これなら調子も出そうだ。」
「すぅ~...すぅ~...」
自分の隣には、顔をほんのりと赤く染めた鳳翔が幸せそうな顔で寝ている。
「ひ...かる....」
「ははッ!見た目通りの乙女か!!いつも母のようにしていたものが...感慨深いな!」
いいものが見れた。と心の中で思った。
私は鳳翔の幸せそうな顔とは裏腹に私の顔は暗くなっていった。いつも呑んでごまかしているが、実戦では常に前線に赴き敵艦の一斉放火の中を駆け巡っていくのが私、戦艦武蔵と大和、そして長門や陸奥の役目なのだ。
次の出撃...いよいよ一週間後だな....
2025年5月23日
「次の作戦はレイテ沖に出陣する。奴等はそこに停泊している。今が奇襲のチャンスだ。この機を逃せば、多分次は私たちが不利になるだけだよ。というわけで君には第一遊撃部隊に所属してもらうね。」
「ああ、わかった。が、なぜ私に作戦概要を?本来なれば機関から伝達されるだろう?旗艦は長門ではないか。」
「君が長門よりしっかりしていることは知っているからね。君を旗艦にしなかったのは経歴だね。」
「私にはよくわからんが...まぁ貴官の事だ。考えなしにこのようなことをすることはないだろう。」
「前の提督の方がしっかりしていそうだがな...あ...ねぇ武蔵」
「なんだ?藪からスティックに突然名前なんかで呼んで。」
「必ず生きて帰ってきて」
「......」
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「ねぇ武蔵」
「どうした、摩耶」
「私たち、次の作戦、生きて帰れるかな?」
「藪から棒にどうした。らしくないぞ」
「そう...だね...らしくないよね、私...どうしたんだろ...」
「......」
「じゃぁさ!」
「ん?」
「次の作戦が終わったらまたここでお話ししよ?」
「...分かった。必ず生きて帰ろう」
「約束だよ?」
「ああ...」
指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます!指きった!
..-.. ... ..-.. ... ..-.. ...
2025年6月4日
「どうした?武蔵よ。もうすぐ出撃だ。準備をしとくのだぞ」
突然後ろから声を掛けられ、とっさに振り向く。その凛々しく堂々とした立ち振る舞いは、霊宿なら知らない者はいない、世界のビッグセブン、その一人「長門」だった。白い提督服のようなものを肩に掛け、腕組をしている姿は、まさに海の戦場の覇者というに相応しい。白銀色の内巻きロングは、彼女の凛々しい顔を最大限に引き立てている。り、凛々しすぎて顔が見れないよッ!程よいスタイルで、戦闘に支障をきたさない、控えつつ、ある程度のサイズを実現した綺麗な体は、見る者を一瞬にして虜にするだろう。
「なんだ?私の顔に変な物でもついているか?」
ふと我に返る。見惚れていてすっかりぼーっとしてしまっていた。
「す、すまない。見惚れていたんだ。」
「私はお前の方が見惚れるにふさわしいと思うぞ。武蔵。お前は、お前の顔つきはどんな男だろうと上はいないというほどの美形だ。その右目の傷...傷のせいで虹彩異色症になったのかは知らんがいい味を出しているな。鋭いまなざし。にらみつけられたらたまったものじゃなさそうだな。英雄に一人、お前のような奴がいたらしい。一度会ってみたいものだ」
英雄...かつてオリンピアと、たった11人で戦っていたとされる伝説の霊宿。
だがその伝説には、最大の謎が残されている。伝説の英雄が活躍していたのは1940年頃。そう、そのころはまだ霊宿どころか”戦争自体が終わっていない”というこ事だ。
ふむ、やはりこれはいたという伝説だけの話なのだなと、改めて考えるが、堅い心情と並大抵の情報をうのみにしないだけの判断力のある彼女がなぜそんなありえない伝説を信じているのか。親がクリスマスにプレゼントを持ってきてくれるというのにサンタだと信じ込んでいる大学三年生を見ている気分だ。
「英雄...か。本当に存在するかもわからない未知なる霊宿...彼らの存在していた時期を見れば、作り話に等しいな。そんなもの、なぜ信じているのだ?」
すると長門は、怪しい笑みを浮かべて
「もう何度もあっているではないか」
とだけいった。
「...」
暫く無言の時間が続いた。気が付くと周りにはもう出撃準備を済ませた西村艦隊の所属メンバーや、本来出撃する予定などなかった南雲機動部隊、第五航空戦隊、第四航空戦隊、第六駆逐隊、の姿があった。
すると、静寂を切り裂くように長門が大声で
「良し!全員集まったな!良いか!今回の作戦は奴ら(オリンピア)が停泊中のフィリピン海沖に奇襲をかけることだ!我々が失敗すれば尻拭いをするものはいない!皆の者、心して作戦にかかるように!」
長門が作戦概要を大声で説明すると士気が高まったのか、皆口々に
「じっちゃんの名に懸けて!」
「私たちのこの怒りは奴らにぶつけよう!」
「ソロモンの悪夢!見せてあげる!」
「カーニバルだヨッ!」
「私に不可能はないッ!」
「アウトレイジで、決めたいわね!」
「(^q^)イクゾー」
「まーきのッ」
と突然言い出した。
正直意味が分からないっぽい。
ふっと笑みをこぼした。
「ほら、もう出撃だ。自分の艦艇を出せ。行くぞ」
優しい声で手を伸ばしてくる長門の手を「ああ」と言い握り、それから私と長門は他より少し遅れて出撃した。
神通「お前は最後に殺すと約束したな」
作者「そ、そうだ大佐。た、助け」
神通「あれは嘘だ」
作者「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!」
その後、作者の断末魔を消し去るように46cm砲の爆音が鎮守府中に轟いた。
それ以降、作者を誰も見ていないという...