甲鉄艦「扶桑」
軍艦に関しての知識はさほどありませんができる限り頑張ります。急なストーリー転換に違和感があるところもございますでしょうが、どうぞ生暖かい目で見ていただけると幸いです。
2020年 東京オリンピック開催 北朝鮮核弾頭を発射 日本本土にこそ命中しなかったが排他的経済水域に莫大な被害を及ぼした。
2021年 首都直下型地震発生 謎の艦艇軍「オリンピア」出現 オリンピアの航空母艦、霊.赤城より零式艦戦五十二型.九七式艦攻発艦 日本本土、北朝鮮、韓国、中国、アメリカ、ロシア、ドイツ、イギリスが被害を受ける。
2021年1月28日
『はぁ...はぁ...きゃ!?』
『ねえさん!?』
『足が...これじゃもう歩けもしない...お願い、----だけでも...逃げて...』
『ねえさん!待っててくれ...今、誰かを...』
『いって!抜け出せたところでもう無理よ!もう...無理よ...』
『ねえさん!そんな...』
『....』
『そんな...』
泣きながら笑わないでくれよ...
・・―・・ ・・・
2025年4月16日 横須賀鎮守府、新提督が着任
「私がここに新たに着任した者です。よろしく」
「よろしくお願いします...提督...」
「...」
大戦時、日本には活躍した軍艦が多くいた。活躍はしていないがもっとも有名なもので戦艦大和だ。それら戦艦他駆逐などが自立し、極限まで人間らしい意思を持てるようになった軍艦。それが私の目の前にいる少女達だ。彼女たちは人間の手で作られた人間ではなく、普通に生まれた子どもたちだった。それに船の魂が宿り、自分という存在を軍艦今ここでとして、少女として認識したころから、我々の命を担う軍艦として、鎮守府より出撃する人類の希望として、その身が尽きるまで戦い続けなければならない。そんな彼女らに指揮を出すだけの歴代の提督の無力さを今ここで証明するために私は提督になった。私の姉の死因は霊.赤城より発艦した艦載機によるものだった。その時にはもう彼女たちは存在していた。だが、大した指揮も出ないまま、日本は謎の艦艇軍「オリンピア」になすすべなく終わった。
彼女たちは提督の命令には忠実に従ってきた。どんなに理不尽な命令でも、それが使命であるからか。
「君...は?」
「私は駆逐艦白露...です」
何かにおびえているのか、声が震えている。
「な、何かあった?」
「きゃ!......」
「!?...おわ...!あ!?きゃふん!?」
私は白露が突然叫んだことに驚き、尻餅をついた。私はイタタタタ...と自分の尻をなでる
「す...すみま...せん。急に大きな声出したりして..」
「いや別にいいよ。それで、なんで私が近づこうとした瞬間シャウトしたの?」
私がその質問をした瞬間白露の表情が引きつった。最大の恐怖をその目にしたかのようなくらいに体が震えだした。私がきょとんとすると、白露は走って執務室から出て行ってしまった!
「ね!?ちょっと!?...」
ドタドタドタ...
走り去る足音だけを残して白露はいってしまった。どうしたのだろう、と考えながらゆっくり起き上がると、不意に後ろから声をかけられた。
「ごめんね。前提督が酷かったからみんな怖いんだよ」
「うわ!?」
「ご、ごめん!驚かせた?」
何だ...と胸に手を置き一息つくと、私は目の前にいる彼女に詳しく事情を聴くことにした。
「あ、そうだ。自己紹介がまだだったね。私は神通。忍者みたいなことは姉の方が専門的なんだけど、姉の方は引っ込み思案で、出てきたと思ったら文句ばっかり言う人だし...って話がそれた...で何?何か聞きたそうな顔してるじゃん?」
「聞いていい事なのかわからないのだけど、前提督について。」
「ああ。いいよ。」
期待していた返事が返ってきた。私は上体を前のめりにして話に興味を示した。
「前提督はね、私たちを兵器としてしか見ない人だったんだ。時には殴られもしたさ。なんで兵器なのにそんなこともできないんだって。ソリャ私たちだってもとはただの人間だしできないこともあるのにね。で白露は特に酷かった。私たちが止めなければ死んでたかもしれない、そんなレベルだったんだ。」
私は驚愕した。いったい君たちを見てどうして兵器だけとして見れるのだろうかと。私の目の前にいるのは健気な少女だ。彼女はまだ小さい。私の年齢からからしてみればだが。後私って、女性に見えないほど身長が高いのよね...ん、ん!
私は彼女たちの自由を尊重したい。でも、彼女たちは必然的に海に出なくてはならない。それ自体は本人たちが楽しんでやっている部分もあるようだが。勿論例外もあるけど。私は任せっきりなのは嫌なのだが、こればかりは私の力ではどうもできないと自負している。送私のような初期型のような力では。
「提督?」
「あ、ごめん。少し考えごとしてた」
「ふーん?で、前提督以前の提督も厳しい人だった。というか、私たちの前に来た提督で優しかった人なんて一人もいなかったよ。何せ私らは兵器だと思われてるからね。そこは自分たちでもわかってるつもりさね。自分の化身とか言って、本来人間一人で動かせないものを一人だけで動かしちゃってるんだもんね...普通なら恐れられるさ。」
「....」
「だけど大人たちは私たちが人間を襲わないことを知ってた。私たちは軍艦で、彼らの命に従うしかない。背くことは自らの存在理由を消すようなものだったし。それで...」
「私にその必要はないよ。私はそんな考え方を変えるために来たんだ。」
「それってどういう?」
神通は怪訝そうな顔をし聞いてきた。私は表情を揺るがすことなく言った。
その一言を彼女が予想をできただろうか?いんや。彼女じゃなくても予想できるまい。その一言で、常識が、彼女たちの中での常識が崩れ落ちた。
「私は甲鉄艦「扶桑」。君たちのさきがけのような存在かな。」
私のような者でも、きっかけがあれば私たちを縛りつけている条約を打ち破れる。彼女たちも打ち破れると信じて、私のこの行為がいつか条約を打ち破る糧になればと信じて、私はここで初めて自分の正体を明かした。
こんなお話になるなんて予想もしてなかった\(^o^)/