表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そだ☆シス  作者: Mie
まだ乳児編
15/744

12 やっとタイトルらしい事を

挿絵(By みてみん)





 暑さのピークは過ぎたが、まだ残暑厳しい昼下がり。


 白いシーツの四角いジャングルで対峙するは、可愛い子猫(セレスティア)と、猫の皮を被ったヘンタイ(ジャスパー)

 他には誰もいない。 観客も……レフェリーさえも。


 ルール無用の、闇のデスマッチである。


 一方は鼻息荒く眼をギラつかせ、もう一方はただじっと様子を(うかが)っている。

 両者の間に一陣の微風が吹き抜けるが、どちらも動かない。


 ……頬を一筋の汗が流れ、伝い落ちる。

 そして、一瞬にも無限のようにも思える刻が過ぎてゆく。


 遂に片方が、獣のように身を(かが)め、地を這うが如く一歩を踏み出した!

 迎え撃つ側は一見ノーガードのように見えるが、果たして。


 ――戦いの火蓋は、切って落とされた。





 ちょ……待てよ!?

 なんだこの描写は! なんで殺し合いみたくなってんだ!?!?


 つーか、「猫の皮を被ったヘンタイ」って何だよ!!!?

 誰がウマイこと言えと。 しかもルビまで振りやがって……。

 こんな紳士(ヘンタイ)を捕まえておいて、失敬だなキミ!

 っておい!? またルビ振るなぁーー!!??



 とまあ、くだらない一人芝居はこのくらいにしておいて……。

 俺が何をしようとしているか、というと。


 遂に妹を教え導く(ちょうきょう)時が来た、という事である!!

 フン、もう俺は突っ込まんぞ(そうですか……)

 ……無意識に一人漫才してしまう俺が虚しいや。


 今までの修行の成果により、ようやく妹様にも身体の動かし方教えてあげられるようになったので。

 今日から俺が、セーレたんを手取り足取り教えていこう、という事なのですよ。

 気分は理学療法士である。 リウマチかっ!


 ……。


 さて、取り敢えず最初の目標としては……。

 妹に初めて喋ってもらう言葉は『おにぃ~たん♪』である!

 一生の思い出となる妹の「はじめて」は、俺が美味しくいただく!!


 ……うむ、我ながら危険な言い回しである事は承知しているが、わざとなのでこれは譲れない。

 だがしかし、最初の言葉としては少々難しくなかろうか……?


 ――おぉ、そうだ!

 もっと簡単で良いフレーズがあるではないか!!



『にーにー』



 これだっ!!


 幼児語として、難易度も適当ではないか。

 そんな風に呼んでもらえた日には――――。



『リアルにーにーキターーーーーーーーーーー!!!』



 と叫びながら、庭に飛び出してモーレツな勢いで金属バットを振り始めること請け合いである。

 当然、Aの逆さまの顔文字付きで、だ。


 ……俺の初めての言葉が、ソレにならないように気をつけねば。

 さすがにそんな「初めて」は嫌すぎる。 黒歴史確定である。

 俺の「初めて」は、セーレたんに捧げると決めているのだ!




 さーてと、そろそろ始めますか!





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ