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彼女の視察




彼女の作ったカーテン、テーブルクロス、ランチョンマット・・・。



テーブルクロスとランチョンマット。

見覚えがありすぎる。

やっぱり、そうだったんだ。



こんな偶然、普通ありえる?







あの日、一緒にお弁当を食べた日。

その日の夜のブログで、貫田さんのお弁当と全く同じ中身がアップされてた。


夕食の画像で使われているテーブルクロスもランチョンマットも、同じものがある。

やっぱり、思った通り。


貫田さんの彼女、由宇衣さん、なんだ。


やっばい、これやっばい。

そんな偶然あっていいの!?

むしろ幸運!奇跡!運命!

あああああどうしようどうしよう。


貫田さんの彼女の話聞く度にによによしそう!


「日辻さん?」


「え?」


何の話してたか全然聞いてなかった。


「これで良い?」


「あ、はい。ありがとうございます」


コンビニの袋からアルコールを取り出しているところだった。


ちょっと狭いけど炬燵に入り、乾杯する。

店にいるときよりも砕けた感じで色々話して盛り上がる。

あーゆりなちゃんかわいい。マジ天使。




そして何故かあたしの元彼の話に。

なんでだ。


「あたしの部屋、壁一面漫画なんですよ。あたしのじゃなくて、親のなんですけど」


親の部屋も壁一面漫画。

そこで入りきらなかった分が、あたしの部屋に押し込められている。

兄姉の部屋もほぼ同じような状態だ。


「本当に床から天井まで一面びっしりで、彼氏が来た時にドン引き」


あたしがあまりにも漫画というイメージがなく、そのギャップに悪い意味でやられたんだろう。


「オタクだったんだ、って言われて、おしまい」


漫画くらいで(まぁ量はすごいが)オタクになるのかは疑問だったが、ぶち切れた。

口には出さないが、本当はこのあと手が出てしまい、振られたのである。


「大学時代は、とりあえず部屋にはいれない、自分のイメージを崩しそうな面は見せないってやってたら、自由すぎてついていけない、って」


極端なんだろうな、あたし。


「その2人だけなんですよね」


「意外ー!振られるより振るタイプだと思ってたわ」


「山下さんは?」


「私は普通よー振ったり振られたりだけど、前カレは浮気されて別れたのよね」


「貫田さんは、今の彼女とどれくらいー?」


「えーと・・・4年、かな?」


4年。長いなー。

あたしは2人とも半年くらいなので短いのだ。


「すごいですね、結婚しないんですか?」


「うーん、どうかな。今のところ考えてないけど」


「でも半同棲中なんでしょぉ?」


「結婚ってキッカケがないと難しいんだよね」


そういうものかな。

あたしにはわからないなー。

結婚考える年齢で付き合ったことないし。


「刑部は?」


「俺今は彼女要らないんで」


「えー?出来ないの間違いじゃなくてぇ?」


ゆりなちゃん・・・それは思っても言ってはいけないことだと思うんだ。

特に親しくない相手には冗談にならないっていうか。


「ゆ、ゆりな!これ美味しいわよ。はい、あーん!」


ごまかし方が強引だな、山下さん。


いつもならゆりなちゃんいるだけで眼福至福なんだけど、今はちょっと困る。

あたしは貫田さんと大事な話があるんだよね。




しょうがない・・・2人を潰そう。










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