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彼の新年会



日辻さんも参加の新年会だ!

俺はこの日を待っていた!






車は会社に置いたまま、魚柾へと歩く。

営業の面々は金曜日の残業が多い。

開始は7時半だが4分の1は遅れるだろう。

俺はぎりぎり間に合いそうだ。


魚柾に着くと予想通り、営業が4分の1ほど来ていない。

課長と主任は来ているので、時間になったら始まる。

待っていたらいつになるかわからないし、店にも迷惑がかかるからだ。


女性社員がビールを全員についでまわり、課長の乾杯で宴会が始まる。

酒好きが多いのか宴会好きが多いのか、本当に強い人以外、最終的には皆べろんべろんだ。


乾杯のビールを飲んだら早速日本酒に入る。

いつもならビールばっかりなのだが、この店の日本酒は良い品揃えと評判なのだ。

飲まなきゃ損だろ。

果実酒やカクテルも充実しているので、女性はそちらをメインに飲むようだ。


日辻さんも果実酒を飲んでいる。

日辻さんてロックグラスが似合うよなぁ。

こっそりうっとりしていると、隣に江藤さんがやって来た。

あああ捕まったorz


「ふふ、飲んでますぅ?」


「飲んでるよ」


日本酒のグラスを掲げる。


江藤さんがやって来たことで謀らずともこの前のメンバーが揃ってしまった。

江藤さんは要らん。


「美味しいですねー」


「そうだね」


小鉢、御造り、串もの、どれも旨い。

次いで揚げ物、茶碗蒸しがやって来た。

お、天ぷら8種類もある。豪華だ。

キスと大葉、好きなんだよね。


「若、」


「はいはい」


日辻さんが刑部から海老と茄子を受け取る。


「海老と茄子、好きなの?」


「海老は好物ですけどねー、茄子は若が嫌いなだけで」


もぐもぐと美味しそうに咀嚼している。


「この塩うまー」


天プラには塩が添えられており、天つゆと好きな方を使えるようになっている。

日辻さんは塩派か。

と思ったら茄子は天つゆらしい。


「ねぇ貫田さぁん、彼女とゆりな、どっちがかわい?」


一人称変わってるし、しな垂れかかって来るし、酔っぱらってる?

胸当たってるよー。

ま、俺おっぱい星人じゃないけどね!尻派でもなく脚派だし!


「ははは、そりゃあ彼女に決まってるでしょ。江藤さんもかわいいけど、彼女には愛があるし、欲目っていうか」


「ぶぅ」


唇を尖らせて、腕をぎゅうぎゅうと抱きしめてくる。

俺は脚派です。大事なことなので2度言いました。あ、古いか?


こんな俺らの遣り取りを冷めた目で見てる刑部。

日辻さんは無表情なのでわからない。

あーあーあー呆れられてたらどーしよ。

江藤さん一生恨む。


「ゆりな、酔っぱらいすぎよ。お水のむ?」


「だーいじょうぶぅ!ねーぇ、ゆりな、二次会は貫田さんのおうちに行きたいなぁ」


甘えるように上目遣いで。

刑部の目がますます冷たい。

俺にというより、江藤さんに?


「ちょっとゆりな・・・」


「あ、でもあたしも貫田さんの家、興味あります」


「え?」


「前に主任に聞いたんです。貫田さんの家って彼女の趣味全開だって」


「ああ、そういうこと。そうだよ、彼女が何か色々作るの好きみたいで」


「いいなぁ、見てみたい」


「いつでも見に来れば良いよ。会社の人間割と来るし」


「じゃあ今日、行きましょー!」


江藤さんが日辻さんを誘う。

日辻さんが一人で来るなんてありえないから、江藤さんがいると本当に来るかも。


「えーと、貫田さんの都合が悪くないなら、是非」


っしゃ、きたぁ!しかも笑ったし!


「大丈夫、大丈夫。山下さんと刑部も来るよね?」


江藤さんと日辻さんだけだと、確実に江藤さんだけ残る気がするし。


「ゆりなの面倒みないとだし、お邪魔するわ」


「はぁ・・・仕方ないですよね・・・」


刑部がうんざりと江藤さんを見る。

空気読んでくれてありがとう、刑部・・・。







帰りにコンビニに寄り、適当にアルコールやつまみを買う。

最後の釜めしが結構来たので軽いものにする。


大半が釜めしまで行き着いてなかったのに、日辻さんは軽く2杯は食べていた。

酒も割と飲んでたのにけろりとしてるんだからすごいよなぁ。




俺の部屋は店から徒歩で10分ちょっとのマンションだ。

ストーカー防止のためにセキュリティ万全のところにしてある。

その3階の真ん中あたりに俺の部屋。



「どうぞー」



俺、今日で運使い果たしたんじゃね?

っていうかこれ前も言った?










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