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彼女の昼食





しっかし意外だな、貫田さん。

恋敵だけどちょっと好感度あがったかも。


ジムを休んでご飯に行ったから、結果的にはいつもより早い。

お風呂入ってからネットしよう。

つい読み耽ってしまうから基本的に平日は読まないんだけど、まぁたまにはね。


いつものブログを開く。

あ、更新されたばっかり!

今日はお弁当の画像だけ。

鶏の唐揚とエビチリがものすごく美味しそう。

旦那さんのお弁当なのか、いつもボリュームがあるお弁当だ。

食べたばっかなのにお腹減るなぁ。

一番乗りでコメントを書く。

それだけでちょっとテンション上がる。


サイトを開き、お気に入りユーザから由宇衣さんを選んで、クリック。

小説は更新されてないけど、コメントに返信がある。

それをまた返信して、自分のユーザページに戻る。


後はお気に入り小説の新着を順番に読んでいく。


「いいなぁ・・・」


ファンタジーな話を考える(妄想?)するのは好きだ。

だけど文才はない。

誰かあたしが考えた(妄想)した話を文章してくれないかな。

まぁそんなこと頼める人なんていないんだけど。


「あたしも獣拾いたい・・・」


時間はまだあるし、少しだけランキングみようかな。

未読を順に読んでいき、面白いと思ったものをお気に入りに追加という作業を繰り返す。








「あ~・・・読み過ぎた~・・・」


失敗したなー、結局3時過ぎまで起きてたし。

ジムの日なのに最悪だ。


睡眠不足だと仕事をミスりやすい。

気合いれていこう。


あたしの仕事は営業事務だ。

営業の補佐のような役割。

電話の受付や営業が使う書類を用意したり、伝票を起こしたり、領収書や経費などの書類を纏めたり。

基本的に女ばかりの職場で、ごく稀に営業に移動する人もいる。

うちの会社の営業事務は、営業に馬鹿にされやすい。

残業も少なくて営業より大変な仕事では確かに、ない。

だけどあたしたちがいなければ困るのは自分たちなのに。

それなら好かれていた方が仕事がしやすい。

何でそれがわからないのかな。



「ふ、あぁ」


欠伸出た。

今日は珍しく弁当持参なので、自分の机で食べている。

共同のポットがあるので、お茶と味噌汁が用意出来るのだ。


「珍しいね、弁当?」


見上げると、貫田さんがいた。

営業の人はあまり昼食に戻って来ない。

外で食べた方が効率が良いからだ。


「はい。母親の気紛れで」


「あ、お湯沸かしたの?俺も此処で食べて良い?」


「はぁ、どうぞ」


あたしの隣の席は若の机なので、勝手に使っても良いだろう。

貫田さんは促されるままに若の席に座り、弁当を広げた。


うわー、美味しそう!


アサリご飯にしめじのおかか和え、ブロッコリーの胡麻和えに出汁巻き卵、2色パプリカのマリネ。

茶、赤、黄、緑と色合いも綺麗。


「彼女さんの手作りですか?」


「うん」


「すごいですね、美味しそう!いいなぁ、料理上手の彼女・・・」


うっとりと呟く。

だって出汁巻き凄い綺麗に巻いてる!


「食べる?」


冗談かもしれないけど、出汁巻き卵を差し出して来たのでそのままぱくり。


うっま!


「マジウマイ!ありがとうございます」


食い意地張ってるから、冗談でもそんなこと言われると食べますよ。


「食べるの好きだね」


「好きですよ」


しかし、このお弁当箱どこかで見たことあるような気がする。

誰かと一緒だっけ?殿?


「そういえば、月末新年会だよね。出席?」


「出席しますよ。新年会欠席するほど協調性なくないです」


歓送迎会・忘年会・新年会は暗黙の了解で全員参加だ。

営業の関係で上旬は日付が合わず、最終金曜日に新年会があるのだ。


正直かったるい。

やたらと酒すすめて来る上司に、セクハラする上司。

ケンカ売って来る先輩に、2次会に連行しようとする後輩。

毎回お店も微妙なチョイスだし。


「今回魚柾らしいよ?」


「はぁ?」


魚柾とは。

あたし的に値段も料理も酒も一級品、の料亭風の高級居酒屋である。

間違っても新年会でいくようなところではない。


「今年移動して来た営業の実家なんだって。安くしてくれるらしいよ」


「うわぁ!マジ神!」


これはアガる。

魚柾のコースだなんて、滅多に食べられない。


「楽しみだね」


「はい!」










もうサブタイトル無理です・・・

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