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彼女の交流



奢りでごはんとは何て良い響き。

しかもゆりなちゃんも一緒!



大好きだけど仲が良いわけじゃないから、初めて一緒にごはんである。

軽く死ねる!


会社から歩いて10分、駅まで5分の位置に來海がある。

美味しいから良く来るお店の一つだ。

だけど正直、気心しれてない人と来るのって苦痛。

食べにくいんだよね、量が。

はっぱより肉が食いたいのに、女子ってサラダ絶対頼むよね。

アレが嫌。

頼むのは良いんだけどさ、嫌いじゃないけどさ、あたしに押しつけないで欲しいのだ。




明日も仕事だし、皆アルコールなし。

あ、ゆりなちゃん残念そう。まだ勧めてるし。

貫田さん酔わせて持って帰りたかったのかな。お父さんは許しませんよ!

っていうかしょうがないよね、貫田さんは車通勤である。


メンバーは結局、あたしと若、ゆりなちゃんと山下さん、それから貫田さんと異色の組み合わせ。

課は一緒だけどそこそこ人数いるし、交流がないのだ。

特に貫田さんは営業で、あたしの担当区域ではないから。

若は隅っこ座り、あたしを隣に座らせた。

向いには貫田さんで、さりげなく周り固めたな。

貫田さんの隣はもちろんゆりなちゃん、その隣に山下さん。

向いにゆりなちゃんっていいな。目が癒される。




店員さんに山下さんが注文する。

サラダに刺身に揚げ物に。

え?最初から?って言われたけどタコライスごり押し。

あたしは主食が先だ。

だってサラダとか刺身ばっかだとお腹膨れない。

皆の分なくなるよ?


「かんぱーい!」


ノンアルコールで乾杯して、ゆりなちゃんがサラダをとりわけてくれる。

女らしさアピールですね、わかります。

あたしんちで存分に発揮してくれないかな、それ。


あたしはタコライスを1人で完食。

一応皆にいる?って聞いたんだよ。

たぶん遠慮されただけなんだけどね!


お魚いっぱいのサラダも、レバーの刺身も、ポテトフライも、砂肝の唐揚げも、皆美味しい。

んー、肉も食べたい。


向いではゆりなちゃんの猛烈アタック(古)開催中。

彼女のことを根掘り葉掘り。

ある意味あたしも興味があるから、耳ダンボ。



料理上手で、綺麗好き、優しくて、美人。

まぁ貫田さんもイイ男だもんね、そりゃあ美女が集まるか。

う、うらやましくなんてないんだからね!


「どこで知り合ったんですか?」


「大学の同級生なんだ」


「へぇ~・・・写真みたーい!プリとか写メとか、持ってないんですかぁ?」


「彼女、写真嫌いだから」


「え~、残念!」


あたしも残念だ。

美人なら写真見たかった。


貫田さん苦笑い。

敢えて空気読まないゆりなちゃん。

かわいい。


巻き込まれては堪らないと、あたしと若はもくもくと食べ続ける。

どんどんなくなっていく料理を見て、山下さんがメニューを渡してくれた。


「何にする?」


「いつものー」


「・・・・・ねぇ、2人って付き合ってるの?」


ゆりなちゃんからどうやって逃げられたんだろ、質問は貫田さんから。


「いや付き合ってませんって。さっきも言いましたよ」


貫田さんは一応先輩なので敬語。


「でも仲良いよね、さっき名前で呼んでたし」


何コイツ。

世の中の女皆俺に気がある、とでも思ってんのか?


「同期ですし、入社前からの友人ですから」


仲良くなったのは入社してからだけど、元々知り合いではあった。


「もしかして、志村さんも?」


「ん、まぁ」


山下さん、殿に興味あんのかな。


「それでかぁ。不思議だったのよね、志村さんって軽いけど、社内の女の子とプライベートでは会わないみたいじゃない?それなのに日辻さんとは会ってるみたいだったから」


「なるほど。あ、言っておくけど、付き合ってないよ。誤解しないでね」


殿はご近所さんなのだ。

所謂幼馴染ってやつ。


「わかったわ。彼氏いないの?」


「いない。興味ない」


「あ、それっぽい」


失礼な。どういう意味だ。


「今まで1人も?」


「いやそんなことはないけど・・・」


「どんな人がタイプなの?」


「えー・・・タイプって言われてもピンと来ないっていうか・・・」


「コイツ、まぁいっか、で付き合うタイプだから。そんで自由すぎて振られる」


「うるせぇよ」


若の裏切りものめ。


「刑部君は?」


「今彼女いないんで」


「見た目に反して意外と遊んでるよ」


「余計なこというな」


若は前髪が長くて眼鏡で、猫背。

暗い雰囲気で絶対彼女いないだろ、っていうか彼女いない歴=年齢だろ、って感じなのだ。

が、意外や意外。

学生時代はチャラかった。

今写真見るとネタでしかない。


「そうなんだ・・・意外だわ」


山下さんが吃驚してる。

いい気味だ。


「しかもメンクイ」


「つぅばぁきぃ~・・・」


あ、やばい。

そろそろやめておこう。



「ごめんって。もう言わないし」


「次言ったらガチでキレる」


あぶないあぶない。

若がキレるとあたしのパソコンが死ぬ!









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