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彼女の休日



今日は金曜日!

仕事をさくっと終えて、サークル行って、汗を流したら皆でごはん食べて。

それが終わると待ちに待った休日前!!

あたしはいそいそとパソコンの前に座り、サイトを開いて、ログイン。


「ふ、ふふふふ・・・」


先週の日曜振り、更新されている小説がいっぱい!

あたしが好きなのは専らファンタジーと戦記。

今特にはまっているのはゲームの中に迷い込み的なもの。

特にロ○○○○○○○とリ○○○○○○○○○!!

あー、あたしも迷い込みしたい。


いくら夜更かししても平気な金曜日は、ほぼ毎週、こうやって過ごす。

両親も似たようなもんだから文句も言われないし。


「さーてーと、」


お気に入りユーザの由宇衣と記されたところを、クリック。

月曜からの活動報告に目を通し、コメントが付けられそうなところにはコメントを入力していく。


由宇衣さんというのは、恋愛小説専門の人。

短編が一つ、完結済が一つ、連載中が一つ。

普段恋愛小説は読まないんだけど、この人だけは別。

大抵ヒロインが好きになれない。

漫画とか読んでも、基本的にヒロイン嫌い。脇役を好きになるタイプなのだ。

由宇衣さんの小説は、何というか・・・ヒロインが脇役っぽいというか、女らしくないとでもいうのだろうか。


「良いなぁ・・・」


彼女は私の、理想の女性だ。

自己紹介のところに、ブログがリンクされている。

そこをクリックすると、すごーくかわいらしいページが。

デザインはスイーツ系。

内容は夕食だったり、お弁当の中身だったり、編んだものだったり。

どれも上手だし、美味しそう。

あぁ、お弁当作って貰いたい。

会社から帰ったら「お帰りなさい。ご飯出来てるよ」とか言われたい。嫁に来てほしい。

顔は勿論晒されていないけど、きっとかわいいに違いない。

なんて、夢見るお年頃、25歳。




「ん?」


スカイプでコンタクトが入る。

若だ。


【これおもしろいhttp://~・・・】


若は同じ会社で働いてる友達の一人。

数少ないオタク仲間である。

面白いネット小説を見つけてはURLを送りつけてくる。


「お、良いねぇ」


動物の出るファンタジーも好きである。



【さんきゅ。あ、今日サークル来なかったね】


【残業だった】


【何で?あとちょっとって言ってなかった?】


同じ課の内勤同士、帰りはほとんど一緒だ。

あたしが帰るとき、若はコレ提出したら終了、と言っていた筈。


【お前のマドンナに手伝わされた】


「はぁ!?」


【どういうこと?】


高速でキーボードを叩く。


【仕事残ってたみたいでさぁ。他の内勤、俺しか残ってなかったのよ】


「あー!あたしが残っておけば良かった・・・!」


そうしたら2人でラブラブ残業タイムだ。

帰りにちょっとごはんでも食べに行ったりしてさぁ!


【炎上しろ!】


【なんでだ!不可抗力!】


「くっそ!」


【今度何か奢れ】


【嫌だよ。そもそも江藤、性格悪いから嫌いなんだよ】


【そこが良いんだろ、かわいいから許される】


【俺の好みじゃねぇよ。このMが!】


【Mじゃないっつの。猫かぶりサイコウ】


【ド変態が】


余計なお世話だ。

というか。


【若にだけは言われたくない】


あたしの知る限り一番の変態はお前なんだよ!





こうしてあたしの金曜日の夜は更ける。

恋愛とは無縁だけど、大満足。

基本的にあたし、インドアだし。1人好きだし。

とはいえ、友達はいる。

日曜は学生時代の友達と買い物に行く予定だし。

社内には男しかいない友達も、学生時代やサークル仲間までいくと女友達もいる。


あたしに恋愛は必要ない。

だって、面倒臭い。

あたしだって一応女だし、服とかアクセとか、メイクしたりとか、それは普通のことだけど。

一部の女子みたいにそれで男をつる、というのはナイ。

合コンに行ったこともなければ、紹介とかもない。

今までの彼氏は告られて、まぁ良いかなと思って付き合った2人のみ。

それも割とすぐ振られたけど。

思ったのと違う、だって失礼な。

勝手にイメージ押し付けなっつーの。


孫は兄貴に任せて、あたしは一人で自由に生きる。

老後は年金でネット生活するんだから。






なろうの他の方の作品タイトルって、出しても良いのだろうか。

一応伏せてみたが。

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