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彼女の上機嫌





新年会から6日後。

由宇衣さんの昨夜のブログに、”間接的?ある意味リアルバレ。恥ずかしい”という表記。

これってあたしのことだよね!?

内容はともかく、自分のことがブログに書かれるって・・・!

っあー!テンション上がる!


絶対今によによしてるわー、とまんない。

気持ち悪がられても良いわ、今なら許せる!


「何朝からキモイカオしてんの?」


「お前に言われたかないわ」


前言撤回。

っていうか若には言われたくない。


「あ!」


「あ?」


「貫田さん、おはようございます!」


若は放置で貫田さんだ。

小走りで貫田さんのところへ。

あたしは事務職だから8時半出勤で固定だが、営業は日によって時間が違うこともある。

今日はどうやら早いらしい。


「あの、昨日もしかして、由宇衣さんと話しました?」


「あぁ、うん、ブログ書いてたね」


分かり辛い言い方だったと思うけど、伝わったようだ。

あたしのこと話したのか。

”職場に由宇衣のファンの後輩がいるよ”って?

うわーうわー!すごい!!



貫田さん最高。天敵って思っててごめんなさい。

だけど恋敵であることには変わりない気もする。

なんでこう好きな人は皆貫田さんを好きなのか。

ちょっと悔しい。







「何かあったの?」


「え?何が?」


「貫田くんと話してたじゃない。前はどっちかっていうと嫌ってたのに」


あ、バレてたんだ。

山下さん鋭いな。


「この前のお礼言ってただけ」


「それにしては楽しそうだったけど」


何か棘があるな。

ゆりなちゃんの邪魔になりそうとかそういうこと?

まったくその気はないんだけど。


「2人が寝たあと、意外と話が弾んで」


「へぇ・・・貫田くんガード堅いのに・・・」


「酔ってたからか、そもそも女として見てないからじゃない?」


「まぁ・・・ゆりなは、アレだし、ガードも堅くなるか」


「だと思うよ。彼女持ちって知ってるのに積極的だよねー」


そういうところもかわいいんですけどね!


「障害があればあるほど燃えるタイプなんでしょうね」


「あー、それっぽい」


反面飽きやすいイメージなんだけど、ゆりなちゃんは貫田さん狙い歴2年。

まぁ彼氏が複数いるのは知ってるけど、本人曰く彼氏じゃないです、友達です、だ。



あ、ゆりなちゃん来た。

あー今日もかわいい!

いつもかわいくセットされた巻き髪も、パステルカラーのアンサンブルも、赤いトレンチも全部かわいい。眼福だ。

小首を傾げて挨拶されると悩殺ものだ。


「おはようございま~す」


フロア全体に愛想を振りまく彼女を見てうっとり。

何でこんなに可愛いんだろう。

彼女の容姿で中身由宇衣さんだったらまさに理想の嫁!


「おはようございます、何話してたの?」


主に山下さんに向けてる言葉だけど、会話に交じれるのは嬉しい。

ゆりなちゃんは声もかわいいんだ。


「ゆりなが貫田さん大好きだよねって話」


「何それ、恥ずかしい」


「そういえば、貫田さんのどこが好きなの?」


前々から不思議に思っていた。

確かにもてる人だけど、ゆりなちゃんはどこが好きなんだろうって。


「顔です!」


「は?」


「顔ですよ、カ・オ!まさに理想が服来て歩いて来たっていう!」


それ中身も理想のときに使うんじゃないかなー、まぁいいけど。

っていうか意外、顔なんだ。っていうか顔だけ?


確かにあたしもゆりなちゃんのどこが好きかって聞かれたら顔って答えるけどね!

ぶりっ子なところも好きだけど!







8時半から朝礼があり、実質45分から仕事開始。

電話が鳴り始めるのは9時から。

それまでに回って来た書類の整理や伝言やメール・FAXのチェック。


社内メールの新着を確認すると、貫田さんと若の名前。

珍しいと思いつつ、開く。

社内メールは割と個人的なことで使うこともある。

管理はシステム課でしてるけど、中身までは見れないし。


若からは【放置すんなw】、貫田さんからは【仕事の後飯どう?刑部と3人で】。


うっわ、行きたい。由宇衣さんの話聞きたい!

だけど今日はサークルの日。

それでなくても最近サボり気味だったしなぁ。


悩んだ末、【今日サークルなんですよね;;】と返信。

間髪入れずに【その後は?】と来たから、【終わるの9時です】。


【明日休みだし俺は遅くなっても良いんだけど・・・由宇衣が来れないから暇なんだよねw】


ああなるほど。

刑部にサークルの後にどうかとメールして、再び貫田さんにメールする。


【サークル後なら大丈夫です、9時半くらいなら行けます】


これで由宇衣さんの話いっぱい聞ける!

今日一日仕事捗りそう!!



上機嫌すぎて若の目線が冷たかった。

いいじゃん少しぐらい!








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