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歪愛  作者: 藤岡
灰月 陽橙
25/35

08

いつ用意したのか枕元に置かれていたガムテープを手に取った陽橙は紅葉の両手を上に持ち上げグルグルと固定し、乱暴に服を脱がせるとそのまま胸の膨らみに吸い付いた。

それは優しいとは言い難く、紅葉は抵抗したがそれは陽橙を更に加速させた。

突起物に歯をあてる陽橙。

紅葉は嫌な予感がし陽橙の名前を叫んだが、それと同時に凄まじい痛みが全身を駆け巡る。

「ああぁっ!!」

紅葉が声を上げると陽橙は嬉しそうに紅葉の顔を覗き込み、優しく唇を重ねたかと思えば無理矢理舌を捩じ込ませる。

「んっ!んんぅっ!!」

陽橙の手が紅葉の局部に触れると優しく優しく捏ねられる。

「可愛い。」

唇を離し掠れた声でそう言う陽橙があまりにも別人で怖いはずなのに、辞めないで欲しいと思う自分に驚く紅葉。

陽橙は紅葉の頬や額、首や鎖骨にキスをするとそのまま胸を伝い腹を撫で足の間に潜り込む。

下着ごと一気に脱がされた紅葉は恥ずかしさのあまり足を閉じようと試みるが陽橙はそれを許さず膝裏に手を置くとそのまま上半身の方へとおしやる。

丸見え状態になった紅葉は顔を隠したいが腕を固定されていてそれも出来ない。

「見……ないでぇ……。」

小さな声で訴えかけるがそれも虚しく紅葉はぬるんとした感覚に脳を痺れさせる。

丁寧に舐められたかと思えば突起物は強く吸われ、丁寧に舐められた部分には指があてがわれ優しく摩られる。

中に侵入した指が刺激を与える。

その間も強弱を付けながら吸うのを辞めない陽橙。

紅葉は頭の中が真っ白になり身体を跳ねさせた。

紅葉が息を整える間もなく陽橙は紅葉の中へと侵入する。

「まって、陽橙……くん!!」

いつもならゆっくり慣れさせるように時間をかけてくれる陽橙だが、今日は侵入部に当てると一気に奥まで入り込み紅葉の中を刺激する。

激しく腰を振る陽橙は冷たい目で紅葉を見下ろし、「まって、止まって」と懇願する紅葉の頬を軽く叩く。

叩かれた事に驚いた紅葉が目を大きくすると、陽橙の動きはさらに速くなり、紅葉の足を抱えたかと思えば脹脛に噛み付いた。

「痛い!やだ!陽橙くんっ!あっ……やめてっ!」

紅葉が言葉を発する度に陽橙のモノは硬くなり腰が止まらなくなる。

陽橙は紅葉の足の間から身体を出すと紅葉に抱き着きキスをした。

涙を流しいやだいやだと言う紅葉が愛おしくて堪らないのだ。

「紅葉……可愛い、可愛いよ。」

息を荒くしながら優しい声でそう囁く陽橙は紅葉の中で果てた。

ドクドクと波打ち溢れ出るソレが紅葉と混ざり合っているのだと思うと嬉しくて幸せで陽橙は満足していた。

紅葉は放心状態で所々に感じる痛みに涙を流し続ける。

これが陽橙の本当の姿なのか?と思うとやはり怖いのだ。

でもなぜだろう、今までよりも深い愛を感じた気がした。

──────────────

「次のニュースです。

昨夜未明山奥の村により大規模な火災が発生しました。

この火災により村は全焼し付近の山の────」

プツンと画面が切れ暗くなると男女二人が映し出される。

「見てたのに!」

「こんな物騒なニュースは見ない方がいいよ。」

「そんなこと言ってたら何も見れなくなっちゃうよ。」

陽橙が紅葉を激しく求め欲をぶつけたあと、正気に戻った陽橙は真っ青な顔で紅葉に土下座をした。

そんな陽橙を見た紅葉は驚きながらも、ゆっくりと話し合う時間を設けることにした。

陽橙は、これで離れていかれても仕方ないと自分に言い聞かせ、自分の性癖が歪んでいることを正直に話した。

今までそんな事は無かったし、気付きもしなかったということも。

紅葉は黙って陽橙の話を真剣に聞いていた。

どうしようも無いほどの欲が溢れ出し抑えきれなかったこと。

優しくしたいと思う反面、苦しむ顔が見たいと思ってしまうこと。

痛がる姿や苦しむ姿が愛おしさを倍増させるということ。

一通り話終え謝ると紅葉は不服そうな顔をする。

やはり許してなどもらえないだろうと落ち込んでいると、「そういう事は分かった時にまず話してよ。」と言われ、予想外の言葉に目をぱちぱちとさせた。

「急にされるとビックリするし怖いだけ。

でも最初に分かっていたらまた話は変わるし、覚悟も必要だから時間もほしい。」

紅葉の言う通りだとまた謝ると紅葉はにこりと微笑んだ。

──────────────

あの日から数日経った今日。

陽橙はスーツを着て仕事へと向かった。

今までは不定期でスーツや制服といった決まった服はなく、それで仕事に行くの?と聞きたくなるような部屋着で向かったりしていたが、どうやら新しい仕事が見つかったらしい。

紅葉はまだ陽橙に仕事の内容を聞けてはいなかったが、前より少し表情が明るくなったことに気付き黙って見守っていた。

「おはようさん。」

「おはよう。」

「……やっぱり寂しいか?」

「いや、これでよかったと思ってる。有難う。」

陽橙が礼を言い席に座ると赤夜は気まずそうな顔をする。

単純に照れているだけなのだが、人によっては不機嫌そうに見えるなんとも言えない顔つきである。

入り組んだ場所にひっそりと佇むお世辞にも綺麗とは言えない建物。

今にも幽霊が出そうなほど不気味な空気を纏うビル内の階段をのぼり一室に入ると陽橙のデスクと椅子がある。

デスクの上には何枚かの書類があるだけで、他は何もない。

ここは赤夜が所有しているビルであり、別の階では耳を塞ぎたくなるような仕事が行われている。

どうしてここに警察が来ないんだ?と陽橙は不思議に思うがあまり突っ込んだことを聞くと面倒な事になりそうだからと何も聞かないままでいる。

赤夜なりの配慮なのか陽橙は書類をまとめたり来客接待が主な業務で、人に暴力をだとかそういった野蛮な仕事は今の所回されていない。


それから数日経ち村の火災は村住民による心中と発表された。

赤夜がどういった手を使ったのかは分からないが、世間ではその発表を聞き宗教村だったのでは無いか?と噂されるようになった。

怖いもの見たさで村に近付く配信者や若者達がいるらしいが、生贄にならないよう祈るばかりだ。

完全に解き放たれた陽橙は毎日紅葉と幸せに暮らしている。

嫌でも顔を合わせることになった赤夜とも、自分がそっち側へ踏み込んだことにより前よりは理解を示すことが出来ている。

それでもやはりぶっ飛んだ頭をしているなと思うこともあるが、そうでも無ければこんな組織で生き続けることは無理かと無理矢理納得する。

陽橙の父親が赤夜とは別に付けていた監視役も知らぬ間に姿を消した。

といっても陽橙はその姿を見たことは無いが赤夜から、もう心配は無いと言われたのだ。

気に入らないやつは消せばいい。

赤夜の物騒な口癖である。

しかもそれを本当にやって退けてなおかつ捕まらずにのうのうと暮らしているのだから、本当に恐れるべき相手は村じゃなくこの男だったのかもしれないと思うがもう手遅れだ。

──────────────

月が綺麗な夜に散歩をするとあの日を思い出す。

あれはきっと運命の出会いだったんだ。

僕は運命だとかってのはあまり信じてはいなかったんだけれど、紅葉と出会って始めて信じるようになったんだ。

僕の全てを受け止めてくれる紅葉。

僕も紅葉の全てを受け止め、支えよう。

これからもずっと死ぬまで一緒にいたいんだ。

可愛い笑顔も、涙を流す顔も、苦しみに歪む顔も、ずっとずっと、僕だけに見せてほしいんだ。

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