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詩*日常から*

通勤電車

作者: a i o

分刻みの電車

過ぎるたびに

幾度もうみだされる

列にならんで

そのドアが開けば

吐き出され 飲み込まれていく


くすんだ車窓の向こう

通りすぎて行く

区切られた生活

いくつものベランダ まるで

名も知らぬタイトルの背表紙

語られることのない物語


ブレーキのたびに触れる肘

つり革に隣り合うひとも

今、この時の(しおり)

走り出せば

だれも口ずさむことのない

続きを待っている


見知らぬあなたと

見知らぬわたし

同じ朝の同じ車両も

同じ頁の同じ行とは限らない

綴る文字の 癖のように

カーブを曲がって


そのドアが開けば

あなたは

どんな言葉で この朝を紡ぐの

おはよう、なんて

言わない喉を持つひとびとの

靴の鳴らす音 高く 低く









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― 新着の感想 ―
少しさみしいような、でもあたたかいような、そんな情景が浮かんできます。 「名も知らぬタイトルの背表紙」というのが響きました。
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