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パーサーとドラン
かつて、アイテール銀河で大いなる戦いがあった。
銀河系の覇者たらんとするデーヴァ帝国軍と、植民惑星反乱軍ことガロンの戦いである。
銀河聖戦とも呼ばれた戦争は、植民惑星反乱軍の勝利で幕を閉じた。
ガロンの指導者たちは二度と、このような争いが起きぬよう、惑星治安委員会を発足し、銀河連邦警察ことガスプを組織した。早急に警察機構を組織した背景には、デーヴァ帝国敗残兵の宇宙海賊化を防ぐ必要性があったからに他ならない。
――聖戦から数年後、増加する宇宙海賊らへと対処するために漂流警察機構が新たに誕生した。それは、かつてガロンの義勇兵の中でも特殊部隊アローガーに所属していた兵士らで構成された部署で、惑星国家にも介入できる権限を持つ組織であった。