表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/95

第九十話 ヒヨコ


「そうだ勇気、一つ話しておくことがある」


 帰り道の途中、少し前を歩いていた冬至が僕の方に振り向き、どうでもよさそうな雰囲気を醸し出しながらそう言った。


「ん、なに?」

「明日攻める神崎家が使役している召喚獣を調べていたんだらが」


 ……なるほど、神崎家は好美や翔介さんの皇家、中等部の白君の武家に並ぶ召喚士の名家だ。少し調べれば代々使役していた召喚獣等の情報は得られるだろう。


「他にも気になる召喚獣がいたから、それについても調べたんだ。ババァの手を借りてな」

「へー、確かに学園長ならどんな召喚獣でも知ってそうだね。仮にも召喚師育成学科上のトップだし」

「あぁ、俺もそう考えて聞いたんだ」


 そういうと、冬至はゆっくりと、僕の足元を見た。


「ヒヨコ。そんな召喚獣、今の今まで一度も召喚された記録がないんだ」

『ピヨ?』


 僕の足元にいたヒヨコに向けてそう言った。


「今の今まで一度もない?」

「俺の召喚獣も召喚を記録されたのとはないらしいが、近しい召喚獣の存在、そしてその召喚獣からの発言から、存在している事自体はわかっていたんだ。だがお前のヒヨコに関しては何も情報が残ってない」


 一切記録がない。そんなことあり得るのだろうか。千年以上前から存在が確認されている召喚獣。この千年に召喚の記録がないなんてこと。


「つまり何が言いたいのかというとだな」

「僕が特別な存在で特別な召喚師だということ?」

「いつまで中二病引きずっているんだ。  なぁ、……お前の召喚獣は本当にヒヨコなのか?」


 本当にヒヨコのか、か。

 ふと足元でトカゲに追い回されている我がヒヨコを見ている。

 見た目は完全にヒヨコだ。そしてトカゲに追い回されるほど弱い。

 好きな食べ物は穀物全般、たまに虫とかも食べる。そしてたまに虫に負ける。

 ………。


「これヒヨコじゃないの?」

 こんな貧弱な存在、ヒヨコ以外考えられるのだろうか。

「……確かにな、すまん。考えすぎた」

 追い回されているヒヨコに憐れみの目を向けながらそう呟た。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ