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僕の召喚獣はヒヨコ  作者: ミドリガメ
自然教室編
68/95

第六十八話 VSシルフ&ノーム



 肉を断つことに特化した鋭い牙。

 集音器の役割を担っている広い耳。

 そして…… とても見覚えのあるかわいいフォルム。


『ヴー! ワンワン! ワン!』


「……ねぇ、白君」

「どうされました?」

「これ、犬じゃないの?」

「違います、土の精霊ノームです」

「ニックネームは?」

「ポチです」

「やっぱり犬だよね⁉︎」


 シルフノームを従えている白君の姿は、羊飼いそのものだった。


「召喚獣が羊や犬だなんて…… 君は召喚士を舐めているのか!」

「……それはお前が一番言ってはいけない言葉だろ」


 冗談はさておき、状況はさらに苦しい展開になってしまった。

 相手は召喚士1人と召喚獣2体、それに比べ、こちらの戦力は召喚士2人のみ。

召喚獣がいないこの状況では、有効打を与えることは難しい。


 とりあえず逃げることに専念するんだ、あと5分。……いや、2分耐え忍べば、からなず反撃のチャンスは訪れる……!


「ふん、残念だったな中坊、こちら陣営にも犬はいる。逃げ腰の雑魚だがな」

「……ねぇ、それって僕のことじゃないよね?」

「勇気、作戦Bだ」

「⁉︎(フルフル)」

「そんなイヤイヤ顔を横に振りながら涙目になるな、殴りたくなるだろうが」

「鬼! 貴様は世界中どの生物よりも残酷な生き物だ!」

「よく聞けコタロウ」

「やめて! 犬の名前みたいな呼び方しないで!」

「役割分担だ、俺はあの中坊の相手をする、お前は他を頼む」

「まぁ、平等に相手するなら…… ってちょっとまって! その作戦僕の負担重すぎない⁉︎」


 言い方を濁しているだけで、結局僕が召喚獣を相手することになるじゃないか!


「やるぞ!」

「あーもう! やってやる!」


 拳をグッと握り気合を入れる。

 確かに、召喚獣の相手をするなら僕の方が適役だ。攻撃の一つ一つが致命傷になる以上、体が小さくてすばしっこい僕の方が攻撃を避けやすい。


「シルフ、ノーム! 連携攻撃です!」


『メェエエエ』

『ワンワン!』


 ノームが魔法で生成した硬そうな土の塊を、シルフの風魔法で広範囲に飛ばしてきた。


「ぐっ⁉︎」


 ドン、という重い音と共に、右太ももに鈍痛が走る。

 転びそうになるが、左足を一歩前に突きだし踏ん張る。今転倒してしまっては次の攻撃が避けられない……!


「オラオラオラ!」

「ぐっ、ムエタイですか。なかなか良い動きです!」


 すこし離れた場所で冬至と白君が肉弾戦を始めていた。

 ……あのアホはケンカっばやくて、戦闘経験豊富なはずなのに、一回り小さい白君に苦戦を強いられている。

 これが名家、ってやつなんだろうか。召喚獣はふざけているけど、実力は確かなものだ。


 パン! っと両腿を叩き気合を入れ直す。あと1分。なんとしても耐え忍んでみせる!

 

 

 

 

 




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