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僕の召喚獣はヒヨコ  作者: ミドリガメ
自然教室編
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第六十五話 グリフォンVSワイバーン その②


「そのまま攻めてください、ワイバーン!」

「避けて隙を窺うのよ、グリフォン!」


 攻撃こそ最大の防御、と言わんばかりに攻め立てているワイバーン。

 そして、その攻撃を紙一重で交わし続けるグリフォン。

 だけど、どうしてグリフォンは攻撃しないのだろう。避けてばかりでは勝つことはできない。


「それは、至極単純な理由だと思うぞ」


 思わず思考を口にだしていたのか、冬至がそう僕に向かって呟いた。


「単純な理由?」

「ああ、すめらぎの気持ちになって考えてみろ。あんなに小さくて早い小竜に攻撃したところで、そう簡単に命中するわけがないからな。おそらく、ワイバーンがばてるのを待っているんだろう。グリフォンの動きは相手の攻撃を誘っているように見えるしな」


 たしかに、わざと回避するタイミングをずらして、ワイバーンの攻撃をすんのところで交わしているようにも見える。この動き方をされると、『次の攻撃は絶対にあたる!』と対戦相手も困惑してしまうだろう。


「だが、ワイバーンの魔力の底が分からないのが難点だな、グリフォンは風魔法を利用して攻撃を回避している。このままワイバーンの魔力切れまで避け続けられるかどうか……」


 指を顎に当て、考え込む冬至、

 ……今、ワイバーンの魔力の底が見えないって言っていたような。


「冬至、何を言っているんだよ、このままいけばワイバーンの方が先に魔力が尽きるじゃないか」

「……なぜ分かるんだ?」

「何って、召喚獣の魔力量を見れば一発だけどぉぉおお!」


 ガッ! と冬至に両の肩を強い力で掴まれた。いったい何事……! 


「お前、今なんて言った!」


 ブルンブルンと僕の方を揺らす冬至。

 ど、どうしたんだろう、柄にもなく取り乱したりなんかして。 


「勇気…お前見えているのか、召喚獣の魔力量が!」


 今にも鼻と鼻が触れそうなほど顔を寄せてくる冬至。

 きめ細かくない肌、ごつい体、力強すぎる握力。

 そんな冬至に、僕は……。


 ブスリ


「っつ!! てめぇ何しやがる!」


 思わず目潰しをしてしまった。


「ごめん、気色悪かったから、つい」

「てめぇ、覚えとけよ……!」


 目を抑えながらのたうちまわっている冬至から、戦闘中の2組に目を移す。

 こういう場合、僕はどうしたらいいんだろう。

 このまま観戦をすればいいのか、それともどちらかに加勢するべきなのか。


「なっ……!」


 僕は、とんでもないことに気がついてしまった。

 好実のスカートが捲れて、その先のアガルタが見え隠れしている。

 よく見てみると、新妻さんも激しく動き回っているため、ひらひらと制服のスカートが捲れている。


 ………。

 仕方がない、邪魔するのも失礼だし、観戦(戦闘じゃない方)に努めよう。


「ようやく気がつきましたか」


 声のした後方へ振り返ると、そのには全身の関節を外された上、川に捨てられたはずの白君が、当然のように2人を観戦(戦闘は一切見ていない)していた。

 全身がビチャビチャなため、本当に川に捨てられたのだろう。


「私は最初から、会長のパンツしか見ていませおや彼女も素晴らしい貧乳をお持ちではありませんか、なぜ紹介してくれなかったのですか?」


 好実の胸部を見ながらそう呟く白君。

 好実に聞かれてたらおそらく命はなかっただろう。


「ぶべらっ!」


 なかったようだ。


「静かに観戦してなさい、じゃないとこうなるわよ」


 グリフォンの風魔法をまともに喰らうとこんなグロテスクになるんだ、勉強になった。


「ワイバーン、最大出力です!」

『………!』


 今までの倍以上、ブレスの予備動作の時間が多いい。


『ガァァァア』


 そして放たれる炎ブレス。

 そのとてつもない攻撃範囲に、グリフォンは避ける事を諦めたのか、その場から動かない。


「私たちも最大出力よ、グリフォン!」

『クルルァ!』


 グリフォンの周りを風が覆い始めた。

 ……おそらく、戦闘訓練史上、最大の攻防が始まろうとしている。


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