第四十九話 戦闘実習前
自然教室2日目
窓からみえる空は晴天。海は青く輝いており、海水浴客が集まりだしている。
今日は一日中戦闘実習。もし今日が雨だったとしても強行されるから、本当に晴れて良かったと思う。
2年前、僕たちが中学生の時参加した自然教室では、雨が降っていて戦闘実習は文字通り泥試合がよそうされていたけど、冬至が開始1秒で終わらせたんだっけ。
2年しか経っていないのに、つい昨日のことのように覚えている。この美しい景色と自然の匂いも、2年前から変わっていない。
グググっと背伸びをする僕。
時刻は朝の6時。
中学生のみんなが起き始める頃だろう。
さぁて、そろそろ始めようかな。
「……ほら、さっさと反省文を書け」
……気合を入れて、反省文を書こうかな。
「てめぇ勇気! 俺の鮭の塩焼きと取るんじゃねぇ!」
「うるさい! 朝から頭使ったおかげでお腹が空いているんだよ、貴様のせいで反省文を書く羽目になったんだぞ!」
「スポンジみたいな頭の癖に何を言ってやがる!」
「違う! どちらかと言うと高野豆腐だ!」
中まで汁たっぷりだもんね。
「……喧嘩ばっかりして疲れないの?」
反省文を書き終わり、食堂に着いた頃には中学生達は朝食を終えており、僕と冬至(一緒に反省文)は広い食堂で寂しく食事をとっていた。
「それより、あんた達、戦闘実習について聞いた?」
「ふぇ、なんのこと?」
「やっぱり、聞いてなかったのね。ほら、これを見て」
好実は1杯のプリントされた紙を見せてくれた。
その題名には『戦闘実習名簿』と書かれている。
「これがどうしたの?」
「私たち高校生も参加していいらしいわよ。なんでも、今年は参加者数が少ないらしくて」
中学生で召喚獣を使役している人は少ない。実際に僕たちの代も、400人中30人くらいしか指摘していなかった。
まぁ、でも、僕は参加しなくてもいいかな。ヒヨコじゃ勝ち目は薄いだろうし。レクレーションの時のように恥をかくだけだろう。
「ちなみにあんた達二人は強制参加らしいわよ」
「「………」」
「ほら、そんなに落ち込まないの、私も参加することにしたから」
「? どうして好実も?」
戦闘実習なんて、ただただ疲れるだけだ。もしかしてほしい賞品でもあったのだろうか。
「い、いや、その、結局昨日お話できなかったから、この際にと思って……」
昨日? あー、二人で話がしたい、みたいな事を言っていた気がする。
「ん、わかったよ。もし上手く会うことがあったら教えてほしいな」
戦闘訓令は、特例はあるが基本的には一人で参加することになる。
だから、他の人と手を組んで…… とかは、ルール違反ではないけど、あまり良い印象は与えられないだろう。
「勇気、背中には気をつけることだな」
「冬至、僕は優勝賞品なんかより貴様の命の方が欲しいって事を忘れないようにね」
でも、とりあえずはこのアホを倒すことにしよう。




