第二十三話 vsミドリガメ その①
皇翔介
齢十八で日本軍に加入し、わずか六年で副司令官まで上り詰めた。
そして、その間、全ての戦闘において不敗。
その戦績と功績から、こう呼ばれるようになった。
最強の召喚士と。
って、学校の授業で習ったはずなんだけど……。
「戦闘の準備を、我が愛しきパートナー、ミドリガメよ」
『ミドリガメ〜』
言動と行動は確実に馬鹿そのものだ。
……だけど、この顔、間違いない、ネットニュースや教科書で嫌と言うほど目にした顔だ。
「ユニコーン、全力で応戦しますわ」
『キュルル!』
最初に動いたのはユニコーン。
速すぎる動きに、目で追いかけることすらできない。
亀の周りを神出鬼没に移動するユニコーン。
おそらく、攻撃するタイミングを伺っているのだろう。
「か、神崎さん、僕は何をすればいいかな?」
「観察してください、分かったことがあれば報告してくださいまし」
「りょ、了解!」
皇さんは、ユニコーンの驚異的な速さを目にしても、依然として笑みを浮かべている。
『キュル!』
仕掛けたのはユニコーン。
超スピードで背後に周り、角で尻尾部分を突き上げるように突進する。
カキーンと、甲高い音が鳴った。
「……え?」
亀は攻撃をものともしていなかった。
……どういうことだろう、完全に死角を捉えた攻撃だったったはずなのに……。
「なるほど、いい召喚獣だ、よく洗練されている」
皇さんが神崎さんを見ながらそう評価した。
「勇気さん、何かわかったことはありますか!」
「え、あ、うん、えーっと」
「どんな些細なことでもいいです、おしえてくださいまし!」
「う、うん、なんとなくだけど、亀に攻撃が当たる前に弾かれたように見えたよ!」
角による攻撃がカメに当たることなく弾かれた。
まるで、バリアでも展開しているかのように。
「……当たりだ」
皇さんがそう言うと、亀の周りを丸い球体で覆うに張り巡らされている、甲羅模様のバリアがじわじわと浮かんでくた。
「亀の周囲を、バリアで囲んでいる、これがミドリガメ固有の魔法だ」
『ミドリガメ〜』
今の状況と関係ないけど、この鳴き声、僕は嫌いじゃない。
「神崎さん、バリアを破れそうな攻撃はある?」
「……今の攻撃は、私とユニコーンの最高の攻撃ですわ」
……つまり、このバリアを強力な攻撃で無理やり突破することはできない。
「当たり前だ、このバリアを突破されたことはない、私とミドリガメは攻撃を受けたことがないんだ。一度もね。軍で、ミドリガメがなんて呼ばれているか教えてあげようか」
皇さんは顔をあげ、得意げに口を開いた。
「『最高で最堅の召喚獣』だ」
短くなってしまい、申し訳ないです。




