表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の召喚獣はヒヨコ  作者: ミドリガメ
召喚士編
18/95

第十八話 学園長



 トントントン、と表開きの木大きなのドアを叩く。


「入ってよいぞ」


 ゆっくりとドアに力を入れると、ガチャっと重めの音が鳴った。

 内装は質素で、作業机と椅子、そして歴代の学園長の写真が飾ってあるのみ。

 そして、目的の人物は、椅子に座り、昆布茶をちびちびと飲んでいた。


「ふむ、おぬしらは……」

「失礼します。わたくしは神崎碧と申します。突然の訪問、大変申し訳ありませんわ、ですが、どうしてもお力添えをいただきたく、参じました」

「……おぬしは、神崎の倅か、色々と大きくなったの」

「お久しぶりですわ、智子さま、会えてうれしいですわ」


 ぎゅっ、と握手を交わす二人。

 神崎さんは名家の御曹子らしいから、


「あとは…… おお、冬至か」

「ひさしぶりだな」

「ずいぶんと男らしくなったの、ヤンキーみたいでかっこいいぞ」

「……どうして考え方中学生と同じなんだ」


 呆れ顔でツッコミを入れる冬至。


「そしてお主は…… 飼育員さんか、お勤めご苦労様です」

「違います! 制服見れば生徒だってわかりますよね! っていうか、このヒヨコ召喚したのあなたじゃじゃないですか!」

『ピヨっ!』


 片手(手羽先部分)をあげ、挨拶するヒヨコ。

 そう、ヒヨコを召喚したのは、この学園の学園長であるこのババアだ。


「そういえば、冬至は学園長と面識があるの?」


 神崎さんは名家だから、挨拶回りとかで面識はあるだろうけど、不真面目で不細工なこいつが面識があるのはおかしい。

 冬至は、チラッと学園長を横目に見た後、ボソっと呟いた。


「ババアだ」

「冬至、それは見ればわかるよ」

「とんでもなく失礼ですわねあなたたち! この方は、召喚士協会会長、斎藤智子様ですわ」

「斎藤智子? 斎藤……。 冬至、もしかして」

「ああ、うちのババアだ」




 僕たちは、学園長に状況を説明した。

 すると、返事はすぐに帰ってきた。


「ふむ、元凶は間違いなく、可井家のものじゃろうな。わしの保護結界を貫通してくるとわ、やりよるの」

「……」


 ……つまり、今回の記憶操作の実行犯は……。


「可井日向、もしくは、その家系のものが犯人だな」


 冬至がはっきりとそう言った。

 信じたくはない、信じたくないけど、彼が犯人だとすると、筋が通る。

 ……多分、薄々勘づいてはいたんだ、だけど、認めたくなかった。


「それでだババア、どうすれば、記憶操作を解ける?」


 ババアは、考え込むように俯いたあと、ゆっくりと顔を上げた。


「記憶操作を解く方法はない、じゃが、元の記憶に戻す方法はある」

「その方法とはなんですの?」


 神崎さんが聞き返す。


「記憶の上書きじゃ」


 ……つまり、改変されられた記憶を、さらに操作し、元の記憶に戻す方法。

 それってやっぱり。


「可井日向に、もう一度記憶操作の魔法を使わせる必要があるな」


 冬至がそう言った。


「それって、可井君に会うってことだよね? そもそも、彼は今どこにいるの?」


 僕の問いに、学園長が口を開いた。


「可井の実家の屋敷じゃろう、名家でもない召喚士が、広い屋敷を持っているのはおかしいと常々思っておった」


 僕と冬至が動き出したのも、可井くんは名家じゃないのか? っていう疑惑からだ。

 ……僕と冬至が探し求めていた真相がすぐ目の前にある。

 僕は決心し、口を開いた。


「いこう、可井君のところに」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ