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僕の召喚獣はヒヨコ  作者: ミドリガメ
召喚士編
14/95

第十四話 もう1人

 

 僕は、公園で惚けていた。

 夜景がとてもきれいだ、今の僕の位置からはコンクリートの外壁しか見えないけど、おそらく、綺麗だと思う。

 いったい僕は何をいっているのだろう。


 ……冷静になって考えると、今回の件、色々と疑問点が残る。

 可井君との試合をなかった事にしたのは、僕を一番にしたくなかったからだろう。

 でも、このみの存在を、みんなの記憶から消したこと、僕だけが記憶を改竄されていないこと、この二つに関しては目的が分からない。

 それに、重大な問題もある。

 今の僕には、相談できる相手がいない。

『あー、記憶改竄? そうだな、たしかにされたかもな、そんなことより上カルビ定食の話はどうなったんだ? それも記憶改竄って言いきるつもりか?』

 冬至はまともに取り合ってくれないし、担任の先生も含めた教師達も、冬至と同じ反応を見せた。


 ……考えを変えてみたらどうだろう。

 記憶を改竄されられたのは僕で、僕以外の人たちの記憶が正しい可能性。

 昨日、冬至は『記憶の改竄』には、とてつもない魔力が必要だと言っていた。

 だとしたら、この可能性の方が現実味がある、そうだ、おかしくなったのは、きっと僕の方なん……。

 ……いや、だめだ。

 それは、好の存在を否定することになる、それだけはダメだ。

 でも、どうしたらいいんだ。これ以上、僕にできることはないもないっていうのに。

「……もうこんな時間か」

 高い位置に掲げられている公園の時計を確認すると、短針が九の方向を指していた。

 ……今日は帰って、また明日考えよう。

 通学バックを取ろうと立ち上がった時、ビクビクっと胸ポケットが振動した。

「ぴよ! ぴよ!」

「うわっ…… びっくりした」

 ヒヨコが勢いよくポケットから脱出し、僕の頭の上に着地した。

「ぴよ!」

 頭をつんつんと突かれた。

 ……励ましてくれているのだろう。

 そういう感情が、伝わってくる。

「ありがとう、元気がでたよ、ヒヨコ」

 抜け毛を嘴で挟み、愉快に足踏みしているヒヨコ。

「ピヨっ!」

「帰ろうか、リード、リードっと」

 ピロン

 今度は、ブランコの端に置いていた、通学バックから音がした。

 ん、今の音はLINEかな。

 スマホを取り出し、画面を確認する。

「………⁉︎」

 そして、予想外の文面に、思わず絶句してしまった。


『学校全体が、記憶阻害、または記憶改竄の魔力を影響を受けています。高橋勇気、力を貸しなさい              神崎奏かんざきかなで


 バカ三人組で怒らせた。お嬢様からだった。


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