第5話 モモカとレオナ、そしてヨウキ
モモカは、打ち明けられないでいた。
全てを話してしまうと、今までの関係が、全て、終わってしまう気がして。
そう、モモカには、レオナが、ヨウキと自分に会いたくないと、と言っている理由に、心当たりがあった。
その理由を理解するのには、モモカ、レオナ、ヨウキがどのように仲良くなったのかを知ることが必要である。
モモカとレオナは、幼馴染であり、ずっとずっと小さい頃から仲良しだった。
モモカが高校1年の時、レオナとも違うクラスになり、知り合いがいない状態だったが、持ち前の明るい性格でクラスに馴染んでいた。
そんなある日、クラスのリーダーに目をつけられたとある暗い雰囲気の女の子が、いじめにあってしまう。
モモカは、世話好きな性格であり、その女の子を庇ってしまう。
すると、次は、自身がいじめの標的になってしまい、辛い毎日を過ごしていた。
その時、学級委員長であったヨウキが、リーダーに不満を持っていたクラスメート達と団結し、教員、学校を巻き込み、いじめをなくすことに成功した。
その出来事から、ヨウキと仲が良くなり、同時に、ヨウキに対して、特別な感情を持ち始めた。
それから、レオナにもヨウキを紹介し、3人で一緒に遊ぶことが多くなり、楽しい毎日を過ごしていた。
いつしか、モモカは、「3人の友情が永遠に続くのであれば、自分の気持ちはヨウキに伝えなくても良いのではないか」と考えるようになる。
しかし、とある休日、モモカのもとへヨウキから、一通のラインが届く。
その内容は、レオナとヨウキが交際するようになった報告であった。
モモカは、一瞬、裏切られたような気持ちになったが、幼馴染であるレオナと、自分を救ってくれたヨウキが付き合うようになり、喜ばしい気持ちになった、いや、そうなったように強く、強く、思い込んだ。
その後も、レオナとヨウキが気を使ってくれているのか、3人で遊ぶ毎日は続き、楽しい日々を過ごしていた。
それで、モモカは満足していた。