10回目
はじめまして
小説にもならないような代物ですが良ければ読んで頂きたいです
よろしくお願いします
「ねぇまたやられたの」
「そーだね」
「おめでとう記念すべき10回目だよ」
「人の不幸を祝わないではるちゃん」
「あんた本当に何にもやってないんでしょ。そろそろ言った方がいいんじゃないの」
「誰に何を」
「あんたの元カレにあんたの彼女たちにしょっちゅうビンタされるんだけどって」
「やだよめんどくさい、てかアイツ半年で10人ってどうなってんの。クソイケメンが」
「褒めるか貶すかどっちかにしなよ、てかあんたが言わないならあたしが言うよ?殴り込むよ?」
「友達が犯罪者になるのは勘弁だよはるちゃん」
高校卒業時に色々あって別れた彼氏と同じ大学に入ってしまって半年、それはそれはめんどくさい事に巻き込まれ続けている私は、それはそれは可哀想な被害者なのだ。
とうとう二桁に突入してしまった加害者さんたちの言い分は軒並みこんな感じだ。
「アンタが彼を誑かして浮気しているんでしょ⁉︎」
「彼はいつもセックスの時名前を呼び間違えるの!アンタが自分の名前を呼ばせているからでしょ!」
「アンタがいるせいでカレは呼び間違え続けてるのよ!」
なぁんでそうなるんだい。
この半年一切会話してないんだよなぁ。
どうやらアイツの彼女はみんな被害妄想が激しくなってしまうらしい。私もそうだった。
いくら理論の展開が無茶苦茶でも、呼び間違えられる悲しみは私も女なのでよく分かる。なので殴られた後はいつも彼女達の悲しみに共感し、愚痴を聞いてなんとか宥めすかした。私を殴りにきた子たちはみんな私を殴ったあと1週間以内にアイツと別れているらしい。我慢の限界だったから私を殴るという行動になってしまうのだろうが、是非とも私ではなくアイツにその怒りはぶつけて欲しい。