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25.ガラクタ市

「レイ、昨日言ってたガラクタ市巡りはどうする?」


 みんなで食事をしている時にソフィアさんが聞いてきた。


「そういえばそんな事を言ってましたね。今日はもうする事ないので行ってみようかな。誰か一緒に来ますか?」


「リンは行く」


 リンはさも当然と言わんばかりに即答した。


「私も行くよ。なんか面白そうだもん」


 ルーナも来てくれるみたいだ。


「俺も行こう。このまま帰っても暇を持て余してしまうからな」


「私も見に行きます。ガラクタの中に本当に偽装された超級アイテムが眠っているのか非常に興味があります」


「全員行くのね。注目されそうね」


「確かに……もしかすると記者に尾けられる可能性はあるかも知れん。今回ガラクタから超級アイテムが見つかったら新聞にその事が取り上げられるだろう。そうなると世の冒険者はガラクタを売るのをためらうようになるかも知れんな」


「それを売ってしまった冒険者は悔しいでしょうね。製作者によって偽装されているとすると、ヘタをすると自分の生涯収入を超えるようなアイテムの可能性もあります。立ち直れないでしょう」


 僕はメフィストの爪を売ってくれたファッジさんを思い出した。

 

「ファッジさん、悔しそうでしたよね……店主の前では情報を出さないようにします」


「そうだな。確実に喧嘩になるだろうからな」



 その後僕たちはガラクタ市にやってきた。

 所狭しとシートが広げられ、冒険者や商人がガラクタを販売している。

 とりあえず魔法効果のあるアイテムをサーチしてみた。

 全体の一割程度が該当するみたいだ。

 その一割の情報を一件ずつ見ていった。


「おい、レイ、どうした?」


「今良さそうなのがないか確認中です。少し待ってもらえますか?」


「沢山ありそうなのか?」


「全体の一割程度になんらかの魔法効果が付与されています。それをざっくりと見ていってます」


「一割だと?ガラクタ市に魔法効果のついたアイテムなんてほぼ無いと言っていい。それが一割に付与されている……世の中にはいたずら好きな製作者が相当数いるという事か……」


「凄いのを見つけました。こっちです」


 そう言って僕はみんなを案内した。


「おじさん、これ何ですか?」


「俺にも分からん。遺跡で見つけたもんだが何か分からん。鑑定では鉄球と言われた。キャッチボールぐらいには使えるぞ」


 僕はその鉄の玉を買ってみた。

 1000ギルだった。

 少し離れてからみんなに説明した。


「これは魔道人形カロンの核です。タロス程ではないと思いますがお宝だと思いませんか?」


「魔道人形だと……いきなりとんでもないのが飛び出したな!」


「あそこにもあるんですよね」


 そう言って僕は同様の玉をもう四つゲットした。


「魔道人形アロンとバロン、ミロスとクロスです。名前に特徴がありますね。全部同じ製作者でしょうか?」


「そう考えて間違いないだろうな。後ろふた文字ロンとロスは同じ。もしかするとロン型とロス型に分かれているのかも知れない」


「信じられない……こんな物がガラクタに紛れてるなんて……」


 ソフィアさんが驚愕の表情を浮かべて玉を見ていた。

 

「使い方がわからないなりに魔力を通してみたりはしない物でしょうか」


「偽装されている間は本来の性能を発揮しない。つまり魔力を通しても変化はない」


「なるほど……そういう物なんですね」


「遺跡で発見された用途のわからない物は偽装されてる可能性が高い事がよくわかります。これらももしかしたら置かれていた場所にはタロスと同様に文字が刻まれていたかも知れませんが」


ロンドさんが分析した。


「その可能性は大いにある。あの文字は普通の奴には読めんからな。あの文字を解読し、理解して所持する事が使用者の条件という事か」



「次はこれです」


 そう言って僕は次のお宝へ向かった。


「おねーさん、これは何ですか?」


「あんたバカだね?これはガラクタって言うんだよ」


「鑑定は?」


「したさ。したけど棒だってさ。遺跡で物々しい宝箱から手に入れたんだよ?なのに棒ってなにさ?腹たったからここに並べてんだよ」


 僕はそれを買った。

 1500ギルだった。


「これは魔竜召喚のタクトという物みたいです。術者の魔力に応じた竜を召喚出来るそうです」


「また信じられないアイテムが出てきましたね……さっきの魔道人形といい、死霊魔導士が職を失いかねない物ばかり」


「このタクトも意外とあるんですよ」


 僕は同様にタクトを集めた。


「魔虎召喚のタクト、魔狼召喚のタクト、魔鬼召喚のタクト。魔竜と合わせて全部で四本ありました」


「これも完全にシリーズ物ね。物々しい宝箱に入ってたと言ってたから、そこには文字があったかも知れないわね」


「これも売ればひと財産作れそうな物だ。召喚系は人気の高いアイテムだからな」


「レイ、他にはない?」


「まだまだありますよ。でも今日はもう良いかなと思います。それよりこの魔道人形やタクトを試してみたいなと思うんですけど」


「いや、今日出来るだけ回収しておこう。明日以降は警戒されると考えて良い。こんなにも無防備に超級アイテムが手に入るのは今日で最後かもしれん」


「なるほど……わかりました。順番に全部買っていきます。微妙な物もあるけど吟味する時間が勿体無いし、金額もただ同然。一気に買っていって鞄に詰めていきます。後で見て下さい」


 僕は他のマジックアイテムを根こそぎ買い占めた。

 ガラクタ市は一時騒然となったが、売れるなら売りたいと誰も警戒心を示さず普通に買う事が出来た。全体の5%ぐらい買ったかも知れない。意外と高値がついてるガラクタもあったけど、金額にして100万ギルぐらいに収まったので、数個換金すれば元が取れると思う。


「一度俺の家に行こう。鞄から出しながら偽装を看破していってくれ」


 僕らはケインさんの家に飛び、看破しながら並べていった。

 まだまだあるけど、スペース的にもう置けそうもない。


「手が震えるわ。ここにあるだけで国家予算を超えるぐらいの価値があるわよ……」


「予想を遥かに超えていたな……ガラクタ市とは宝の山だったか」


「レイ殿のスキルは汎用性の塊ですね……」


「ねぇ、レイ君、私でも使えそうなの売ってくれない?」


「どれでも好きなの持っていって良いよ。みんなも好きなのどうぞ。魔道人形の核とタクトは面白そうなので僕が取ります。みんなが取った後で残ったのは少しずつ売っていこうと思います」


「レイの気前の良さには恐れ入る……」


「本当に……どれにしようかしら?」


「レイ殿……感謝します。私はこれを……」


 みんなが自分を強化できる物を選ぶ中、リンは黙ってみんなを見ていた。

 僕はリンに髪飾りをつけてあげた。


「これ、能力値を全て10%あげてくれるみたい。可愛いし、リンに似合うよ。リンぐらい強ければ10%は物凄い強化だと思うしね」


「貰っても良いの?」


「もちろんだよ」


 リンは髪飾りを触って首を振って具合を確かめていた。黙っているがかなり喜んでいると見た。

 

「これだけ派手にガラクタを買い集めた事でかなり注目を集めただろう。これからいくつか売りに行って、神の瞳がガラクタから超級アイテムを回収したという事実を作っておくか」


「そうね、レイが有名になると、その神の瞳が見出した勇者候補ルーナの箔付けにもなるわね」


 善は急げとばかりにギルドへ向かった。

 僕たちの中では必要としなかったアイテム群だけど、それより良い物があったから残っただけで、単体で見ると充分超級と言える物ばかりだった。


買い取りを担当した受付の女性は目を白黒させながら聞いてきた。


「差し支えなければどちらで取得したかお聞かせ願えませんか?」


「ガラクタ市で見つけました。凄いアイテムがただみたいな値段で沢山売られててびっくりしました」


「ガラクタ市で……こちらは偽装されていたからガラクタ扱いされてたという事でしょうか?」


「そうなりますね。どんなに高度に偽装されてても僕の目はごまかせませんから」


「レイさん……ですよね?今朝の新聞でお名前を拝見しました。あの……本当に神の瞳を……?」


「どうでしょうね。ご想像にお任せします」


 その後ギルドは騒然となり、値がつけられないと判断された物はオークション出品される事となった。



「レイも役者じゃないか。しっかり謎の青年を演じていたな」


「やめて下さい。ケインさんがそう言えって言ったんじゃないですか」


「明日の新聞記事が楽しみね。ガラクタ市から商品が消えてしまうんじゃないかしら?」


「今日レイ君に売っちゃった人はツラいね。返してくれって乗り込んでくるかも?」


「そうなったらそうなった時に考えよう」


 ケインさんがそう言い、解散する事になった。

 僕とリンとルーナは宿の食堂で夕飯を食べながら、明日の記事を想像して盛り上がった。



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