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14.ロンド

「ソフィアさんは聖女ですよ」


 僕は答えた。


「はぁ?あのねーちゃんが双星の聖女ソフィアだってのか?うそこけ!聖女ソフィアはもう50歳近いババァのはずだ。あんな若々しいはずねぇ!」


 その冒険者のすぐ横に二つの流れ星が落ちた。


「聖女がどうしたの?私にも聞かせてもらえない?」


「お、俺ちょっとヤボ用が……」


 行こうとして冒険者さんはソフィアさんに肩を掴まれていた。

 

 その後、冒険者は正座させられてソフィアさんに説教を食らっていた。ババァはダメだよ……。



「ソフィアさん、今のは?」


 説教中のソフィアさんにルーナが話しかけた。


「今のはターンアンデッドよ。離れた所で手っ取り早く片付けるべきかと思ったのよ。活躍の場を奪ってしまったわね」


「全然そんな事!アンデッドは疫病を運ぶ事もあるし、村からなるべく離れた所で処理して正解だと思います」


「良くわかってるわね。けど、なぜトロルがアンデッド化していたのか。そこは気掛かりね。」


 ゲートの上ですぐ横からソフィアさんを見ていた兵士さんが興奮気味にソフィアさんに話しかけてきた。


「助かりました!あなた方がいなければ接近を許していたでしょう。本当にありがとうございました。まさか聖女様がおいでになっていたとは……天の導きとしか思えません!」


 兵士さんは感動している様子だ。


「大袈裟ね……でもアンデッド化したトロルなんてこの辺りで見た事ある?」


「いえ、目撃情報はありません。今回が初めてです。襲撃の時間といい、アンデッド化していた事といい、嫌な予感がします」


「そうね。村長から王都へ連絡を入れてもらっておいて」


「了解しました!」


 兵士さんは村長さんへ連絡しに走って行った。


「レイ、念の為この辺り一帯をサーチしてみて。他に危険な魔物がいないか、人の姿がないか確認して欲しいの」


 僕は敵対生物をサーチした。


「敵対生物はある程度います。一体一体何か確認しますか?」


「人はいない?」


 僕は人をサーチしてみた。

 するとトロルが来た方向の奥に人の反応があった。


「います!人が。トロルが来た方向200m程先です。五人います。黒魔道士ラバール、死霊魔導士ロンド、戦士ガイ、白魔道士エミリー、盗賊イーサンの五人です」


「死霊魔導士……間違いなくそいつらの仕業ね」


「でも不思議な事にこの人たち……敵対生物としては捉えられていません。今回は様子見だったんでしょうか……」


「敵対していない……レイに対しては、という意味で?」


「そうですね……僕個人じゃなく、街に対する攻撃の場合、僕のサーチではどう捉えられるか定かじゃないですね……」


「あ、あねさん……この若い衆は何モンです?離れたとこにいる奴の名前まで当てちまうなんて……」


 説教を食らった冒険者さんはソフィアさんの事をあねさんと呼んでいた。


「この子は神の瞳を持ってるの。あなた、冒険者レベルはどのぐらい?」


「神の瞳……すげぇ……。俺達は30に上がりたてです。何か手伝える事はありますか?」


「レイ、その者達のステータスを書き出して」


 僕は一気に書き出した。


「おいおいおいおい……丸裸じゃねぇか……神の瞳……とんでもねぇのが出てきたな……」


「死霊魔導士ロンド……どこかで聞いた事がある。それにこのステータス……千里眼まで持ってる。こちらの動きは向こうに筒抜けになる……捕まえるにしても30に上がりたてには荷が重いわね……」


 その冒険者さんはパーティメンバーを集めてステータスを凝視している。


「あねさん、俺たちでもなんとかなるかも知れねぇ。このロンドって奴は突き抜けてるが、それ以外は案外大した事ねぇ。こいつだけあねさん達が相手してくれたら後は俺達が締めて見せますよ」


「今日はやめておくわ。レイ、その者達をロックオン出来る?常に動きを捉えておいて。明日ケインと合流してからロンドを捕らえに行く。何か良くない事を企んでいるのは間違いないわ」


「あねさん、明日王都ですか?俺達も明日王都です。手が必要なら言ってください!」


「必要なら声をかけるわ。ありがとう。あなた案外いい子ね。もう女性をババァなんて言っちゃダメよ」


「その件は本当にすんませんでした!俺ギースって言います。手が必要な時はギルド経由で連絡下さい。駆けつけますんで」


 その後しばらくロンド達をモニタリングしたが離れて行った。

 村を襲撃したが失敗に終わり、引き上げたようだ。


「離れていきましたが、明日王都へ向かって大丈夫でしょうか。僕たちがいない間にまた攻めてきたら大変じゃないですか?」


「もう村長から王都へ連絡が回ったはずよ。すでにこちらへ向けて騎士が向かっているはず。私達の出発はその戦力が到着してからにすればいいわ」


「なるほど。騎士が来ますか?」


「来るわ。この件はキナくさい。向こうもそう感じるはずよ」


 その後僕たちは解散して眠りについた。



 


 翌朝起きて外を見るとすでに騎士達が到着していた。

 ソフィアさんが誰かと話をしていた。

 僕は相手が誰かブラウズした。


ロベルト・アルファード

年齢   :45歳

職業   :勇者

体力   :4800

マナ   :1600

攻撃力  :3900

魔力   :1100

物理防御 :5300

魔法防御 :4100


 ゆ、勇者様だ……!!!

 騎士団の総統をしているロベルトさんって勇者様だったんだ!

 僕がわなわなしているとソフィアさんがこっちに気付いておいでおいでしていた。

 僕は部屋を飛び出し、ソフィアさんの所へ走っていった。


「来たわね。この子がレイよ。レイ、ロベルトよ」


「レイと言います!よろしくお願いします!!」


 僕は全力で頭を下げた!


「ロベルトだ。ソフィアからとんでもない子が現れたと聞いていたが、あのルーナの幼馴染なんだってね。君たちが生まれた年にレント村には神が降臨したのかも知れないな」


「ホントにね。フェンリルまでレント村から生まれてるのよ。当たり年では片付けられないわ。きっと神がかり的な何かがあったんでしょうね」


 そう言ってソフィアさんが昨日僕が書き出したロンド達のステータスをロベルトさんに見せた。


「死霊魔導士ロンド……この男のステータスは我々に肉薄している。只者じゃないな……コイツが黒幕か」


「間違いないわね。王都でケインと合流してから捕らえに行こうと思ってたけど、ロベルトが来たなら今から行けるかしら?ロベルト、どう思う?」


「死霊魔導士は簡単に戦力を増やす事が出来る。死体を沢山隠して伏兵にしているかも知れない。何の死体かによっては思わぬ苦戦を強いられるかも知れない」


「そうね……レイ、ロンドはどこにいる?」


「昨日の野営地から動いていません。見た所死体は周りにないようです」


「死体があるかないかわかるのか?」


「死体をサーチしてみました。このあたりにある死体はあのトロルだけです」


「死体は魔法の鞄に収納出来る。死霊魔導士が切り札を収納しているケースは多い」


「なるほど……魔法の鞄を持っていれば死体をいつでも取り出せてしまいますね。僕のサーチで奴が鞄を持っていないか確認出来ないかな……」


 僕は試行錯誤してみた。

 魔法の鞄でサーチをかけたらロンドと同位置に反応がある。

 その魔法の鞄をブラウズしてみた。

 内容物が確認出来る!


「ソフィアさん、ロンドの持っている魔法の鞄の中身をブラウズ出来ました!中にドラゴンの死体やベヒモスの死体、他にもありとあらゆる魔物の死体が大量に収納されています!」


「魔法の鞄の中身をブラウズ……魔法の鞄の中身は使用者しか確認出来ないはずよ……やっぱり神の瞳……とんでもない事をやってのけたわね……」


「死霊魔導士ロンド……危険な男だ……行くならケインが必要だな。俺とソフィアは攻撃力は高いが殲滅力に欠ける。敵が大量にアンデッドを出して来るならケインの殲滅力が必要になる……この際ジークも呼ぶか……」


 ジークって誰だろう……。


「ジークって誰だろうって顔をしてるわね。ジークは私たちのパーティの戦士よ。化け物みたいに強いわ」


 勇者パーティの再結成……こんな身近で勇者パーティが見られるなんて物凄い幸運だ!


「ロベルト様……いらっしゃってたんですね!」


 ルーナとリンが起きてきた。


「おはよう、ルーナ。騎士団の件はすまなかった。彼らには然るべき処分を下したよ。彼らにとって君は眩しすぎたようだ……目が眩んで道を踏み外した。とても残念だ……」


「もう気にしていません。今はこうしてレイ君とソフィアさんと旅が出来ているので」


「そうか……広い世界を見て成長してくれる事に期待している。レイ君も彼女が勇者として成長出来るようバックアップしてやってくれ」


 その時リンが後ろから服を引っ張ってきた。


「一度狩りに行きたい。お腹いっぱい食べてくる」


 確かに。リンはこの体に変身しているけど本来はとても大きな体格をしている。お腹いっぱいになってないんだろう。


「ごめんね、リン。まだ出発まで時間はあるから行っておいで」


 そう答えるとリンはゲートの向こうへ消えて行った。




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